備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム54.藤田山成就寺

2008-09-18 21:26:16 | Weblog
藤田山成就寺(ふじたさん じょうじゅじ)。日蓮宗の寺院で、本尊は十界大曼荼羅。かつては12坊末寺3ヶ寺あったというが、現在は本坊「恵音院」(けいおんいん)のみとなっているようで、単に「成就寺」と称しているようだ。末寺は「妙浄寺」(建部町建部上211)と「孝徳寺」(建部町品田302)があるという。
場所:岡山市建部町富沢682。岡山市街地から国道53号線を北上し、国道484号線と交差する「大田」交差点を左折(西へ)、直進約2km。県道71号線(建部大井線)沿いに上り口があり、周囲には何もないのですぐわかる。駐車場あり。
県道71号線は、赤磐市北部を横断する国道484号線から接続して建部町からは南西に向かい、備中二宮「鼓神社」の近くを通り、足守(応神天皇行幸の旧跡という「葦守八幡宮」の近く)に至る道である。また、当寺の手前(東)約400mのところで右折(北へ)すると、自動車で約3kmの距離に国内神名帳に載る古社「多自枯鴨神社」がある。
当寺は報恩大師(摩訶上人)開基の備前48ヶ寺の1つで、48ヶ寺の最後に建立されたため、大願成就の寺として「成就寺」と名づけたという。延文3年(1358年)、大覚大僧正備前布教の折、日蓮宗に改宗した。その後は日蓮宗を信仰していた金川城主松田氏の庇護を受け、備前西北部の法華信仰の中心地として栄えた。しかし、明和3年(1766年)に山門(仁王門。なお、仁王像は運慶作と伝える。)以外は焼失。現存する建物はすべてその後の再建であるが、日蓮宗寺院で三重塔があるのは珍しい。

「日本すきま漫遊記」のHPから(成就寺):http://www.sukima.com/14_sanyou01_07/08joujuji.htm


写真上:山門


写真下:遠景