備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム42.沓石山高福寺

2008-09-03 20:58:02 | Weblog
沓石山高福寺(くついしさん こうふくじ)。天台宗の寺院で、本尊は五智如来。少なくとも4坊あったが、現在の「高福寺」は本坊であった「蓮華院」(れんげいん)で、ほかに少し離れて「善行院」(ぜんぎょういん)があるが、無住らしい。なお、500m南に「日吉神社」があるが、あるいはこれも当寺に関係があるかもしれない。
場所:赤磐市戸津野186。国道484号線沿いにあるドライブイン「西の屋 菊ヶ峠店」の東約300mのところに「竜天天文台」「吉井竜天オートキャンプ場」等の案内看板があり、そこから北に登っていく(約3km)。駐車場あり。
このあたりは古社の多いところで、更に「竜天山」山頂目指して上って行く(西へ約3km)と「布勢巨神社」、東に約2kmほど行くと「鴨高岡神社」、登り口の東約1.5kmのところに「鴨新田神社」」(以上、2008年6月8日記事)がある。
当寺は報恩大師を開基とする備前48ヶ寺の1つ。寺伝によれば、報恩大師が霊地を求めて巡錫中、当地に至ると、空から「沓」の形をした奇岩が落下してきた。そこで当地に伽藍を造立し、山号を「沓石山」としたという。
霊石「沓石」は、本堂の後ろ、鎮守「山王社」の前にある。長さ1.35m、幅0.75m、高さ0.6mの花崗岩である(「改修赤磐郡誌」(昭和15年12月)等による。)。
巨岩というほどではないが、ちょうど物を載せるのに良いような形。当寺の本堂が南向きで、眺めも良い場所にあることから、これも「磐座」ではなかったか、と妄想する。

沓石山高福寺さんのHP:http://www.sanpounohashira.net/koufukuji/koufukuji_indx/koufukuji_indx.htm


写真上:高福寺本堂


写真下:霊石「沓石」