備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム48.石井原山千光寺

2008-09-12 20:52:24 | Weblog
石井原山千光寺(いしいはらさん せんこうじ)。天台宗の寺院で、本尊は千手観音。報恩大師創建時には12坊あったというが、現在は本坊「教王院」(きょうおういん)のみとなっているようだ。寺中に「玉泉院」があるというが、現在は小堂のようであり、全体で単に「千光寺」と称している。
場所:赤磐市中島350。赤磐市役所の北東約1.5km、県道253号線(可真上山陽線)の「中島」交差点を南東の狭い道路に入る(入口に当寺の大きな案内板がある。)。そこから道なりに進むと約1km強で到着。広い駐車場がある。なお、途中、立派な山門(楼門)がポツンと立っている。
寺伝によれば、もともと現在地の南にある竜王山の山上に千軒の寺があり、それぞれの寺が明かりを灯すので、「千光寺」といった。竜王山の向こう側はすぐ海であったので、光が邪魔になり、漁師達が怒って寺は焼き払われた。これを聞いた報恩大師が天平勝宝4年(752年)に当寺12坊を創建したという。境内に来迎石という大石、閼伽井、小原という堂があったため、山号を「石井原山」としたという。
その後衰微して廃寺同然となっていたところ、天正18年(1590年)に沼田村の沼田左衛門太夫のもとに老翁が現れて「山王」と名乗り、当山の再興を託した、という。「沼田」は「中島」の隣で、当寺の南西約2kmのところに国内神名帳に載る古社「沼田神社」がある(2008年6月12日記事参照)。

「日本すきま漫遊記」HPから(千光寺)http://www.sukima.com/14_sanyou01_02/26senkouji.htm


写真上:山門


写真中:教王院


写真下:本堂(この右手、更に上の段に三重塔がある)