備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム40.菖蒲山西光寺

2008-09-01 22:06:02 | Weblog
菖蒲山西光寺(しょうぶさん さいこうじ)。天台宗の寺院で、本尊は阿弥陀如来で、観音菩薩・勢至菩薩を脇侍とする。かつては三重塔のほか、少なくとも5坊があったが、現在は本坊の「随縁院」(ずいえんいん)のみとなっている。
場所:赤磐市多賀736。赤磐市市街地から県道27号線(岡山吉井線)を北上し、「多賀上」交差点の先(北)約700mの右手(東側)に当寺の案内板があり、そこから狭い道に入って約900m。山門の横に駐車場あり。
同じ「多賀」に「鴨布勢神社」(赤磐市多賀。2008年6月12日記事)があるが、同神社は「多賀上」交差点を西に約1km入ったところに登り口があり、やや距離がある。当寺と関係があったかは不明だが、もし関連があるとしたら、「水」つながりかもしれない。
当寺は報恩大師が天平勝宝4年(752年)開基した、備前48ヶ寺の1つ。寺伝によれば、報恩大師が霊場を求めて巡錫していた際、当寺の現本堂の東にある沼の上にある岩に天龍がおり、阿弥陀仏の木像を守っていた。そこで、これを本尊として当寺を創建したという。
「鴨布勢神社」(赤磐市多賀)の祭神は「水分神」であり、当寺の山号「菖蒲山」や上記の縁起からして、水に関係ありそうではないか。
ただし、報恩大師開基伝説自体の信憑性のほか、仮にそれを信じるとしても、本尊が阿弥陀仏であること(もともと備前48ヶ寺の本尊は全て千手観音であったという。)など、寺の縁起は後の時代の創作だろうが・・・。