シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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大量生産で利益を出すのはどの分野でも大変

2013年02月27日 | 経済あーだこーだ
写真はみず、豆腐、納豆、DRAM。
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私は水の PET ボトルを一箱単位 (2ℓボトル×6本入り) で時々購入する。 それを冷蔵庫にいつも1本置いておき、喉が乾いたら適量を飲んでいる。 夏はあまり飲むことはなく、代わりに冷たい麦茶を飲んでいることが多い。 最もよく買う水は “サントリー 南アルプス 天然水” だ。 というのは、山梨工場で試飲して、うまいと思ったからなのだが、同時に工場での生産現場も見学してきて、親近感があるからでもある。
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「アベノミクスで悲鳴を上げる豆腐メーカー」(2月26日 日野 なおみ/日経ビジネス) _ ※追加1へ
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山梨工場では 水をボトルに詰める工程は回りから遮断されたクリーンルームになっており、そこのラインから流れるように水を詰めたボトルが次々に出てくるのが見えた。 これじゃ1日に何万本も出来てしまうだろうと思った。 と同時に これを消費地に送って販売するのも、ある意味で大変だろうと感じた。

なぜなら、工場で製造するペースに合わせて適量数が販売されないと、たちまち どこかの倉庫で大量の在庫の山が出来てしまうからだ。 だからなのか、近所のスーパーでは時々 箱単位で 500円、400円 で売られている。 もっとネームヴァリューのないメーカーの水は 300円 でも売られている。

豆腐、納豆 (3ケース単位) に至っては、スーパーで安売りされ、それぞれ 50円~100円 で販売されていることが殆どで、100円 以上の豆腐というのはワケアリ商品で、何か特徴を出しているか、店頭でブランド品よろしく説明員付きで売られていることが多いようだ。
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だが 半導体 DRAM に比べれば、これら食料品は製造に時間がかからないから、まだ柔軟性がきくと思う。 売れ行きが鈍ってきたなと思ったら、製造ペースを落とせば、在庫の山を作らないで済む。

ところが DRAM などは、材料の仕込みから製品を作るまで工程数が 400~500 もあるから、概ね3ヶ月かかると考えると、売れなくなって工場のラインを止めても3ヶ月前に仕込んだ製品が次々に出てくるから、たちまち在庫の山ができる。 逆に 売れ過ぎて在庫がなくなっても、これから材料を仕込んで製品化されるまでに3ヶ月を要する。 当然 その間に単価は変わっていくから、工場サイドとしては常に3ヶ月先をニラみながら製造していかなくてはならない、というやっかいな製品でもある。

だから、DRAM ビジネスは別名で “ギャンブル” だともいわれる。 DRAM にワケアリ商品があって説明員付きで高く販売できるブランドがあれば、他社よりも高い価格設定もできるだろうが、DRAM に関してはまず品質 性能 納期で差は殆どなく、価格に至っても横並びだ。 当然各メーカーはコストを低くするために、大量生産し、設備に関しても殆ど同じことををする。

この世界で韓国メーカーがやったことは、DRAM 不況期に多くのメーカーが設備投資を控えたのに、逆に設備投資を抑えなかったことだ (90年代後半)。 実はこれで他社に先駆けて、コストを下げることができたのがその後の勝ち組となった最大の要因で、他社がコスト割れで苦しむのを横目で見ながら、利益を出すことが出来たのだ。

もちろん 他社も韓国メーカーに遅ればせながら設備投資したのだが、半年~1年の遅れはその後の DRAM コストに大きく影響し、なかなか韓国メーカーに追いつけなくなった。 まずドイツのメーカーが脱落、日本のメーカーもエルピーダに一本化されたが、DRAM 不況に苦しんで約1年前に会社更生法を申請した。
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DRAM の購入先の最大分野は PC メーカーで、全体の3分の2を購入する。 これまでは PC ビジネスは左肩上がりで伸びる一方だったが、昨年2012年には世界の PC 出荷台数が前年割れし、PC ビジネスとその関連産業の DRAM も大きく落ち込んだ模様だ。 PC ビジネスが落ち込んだ最大の要因はスマートフォンが大きく普及して、PC ビジネス領域を浸食し始めてきたからだ。

昔の携帯電話は PC とは棲み分けていたが、スマートフォンはインターネット閲覧ができるから、それで十分というユーザーには PC は不要になってしまった。 これが PC ビジネスが落ち込んだ理由だろう。 その意味では、スマートフォンは高性能カメラも搭載しているから、デジカメメーカーも販売数が落ち込んでいる。 また スマートフォンではアプリをダウンロードすればゲームもできるから、ゲーム機も影響を受けている。

__という具合に、豆腐業界の大量生産記事を読んで、納豆や DRAM などの大量生産にも思いを馳せたもので、まとめてみました。 特徴が薄い製品の差別化は難しいですね。

以上


※追加1_ 前略_ 経営状況がにわかに苦しくなったのは、今年に入ってからだという。 急速な円安によって、工場の変動費が一気に高まった。 特に顕著なのがエネルギーコストだ。 この会社では通常、LP ガスに月間 670万円を使っている。 だが円安の影響で1カ月の LP ガス費用は 830万円 に跳ね上がった。 重油も値上がりしたほか、豆腐の原料となる大豆の輸入コストも高くなっている。 そして今年1月には、製造コストが昨年と比べて約 12% も増えていった。

_中略_ 値下げをしても利益が出せるよう、この数年は豆腐メーカーの多くが製造工程の合理化を進めてきたという。 この食品メーカーも、数年前までは1時間当たり 1500~1800丁の豆腐を生産していた。 だがこの生産能力では、豆腐を安く卸そうにも限界がある。 そこで製造ラインを刷新し、新たな機械を導入した。 今では1時間当たり 6000~7000丁の豆腐が製造できるという。

_中略_「2008年の “納豆危機”と同じことが今、豆腐業界で起こっている」とこの食品メーカーの社長は訴える。 中小の豆腐メーカーの多くが、値上げをいい出せずにひたすら耐え続けているというのだ。 そして、体力の尽き果てたところから徐々に姿を消していく。 アベノミクスによる円安は、この流れを一気に加速させたという。_後略_ (「その男、ペテン師か英雄か」)

以上

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