1990年台、切符の自動販売機、ATMなどが使われ出した。ところが、融通が利かず、利用者にとっては使い難い機器が多かった。
送金の必要があったので、大学の近くのATMに行った。
キャッシュカードを挿入する。相手の名前、銀行名、口座番号を読み込む。送金者の名前を入れると、電話番号が要求される。入力したら、“電話番号が間違っています”で、フリーズする。銀行に登録した番号と違うはずはないが・・。取り消して、最初からやり直す。同じ。3回もやると、後ろに行列ができる。諦めて最後尾に回る。
何度目かに、局番と番号の間の“-”を省き、数字だけ入れればよいことがわかった。そのような指示があれば、簡単にすむことである。
当時の新しい機器は、作った側の論理だけで、ユーザーがないがしろだった。ユーザーによるチェックが、なかったといえよう。
種々の機器の使い勝手をベースに、ヒューマンインターフェースについて何回か話した。終わってから、聴衆の1人が金融機関の名刺をだして、“お話のATMは当社のモノではないでしょうか?”。その通りだった。