ヤッセンボの七目八目 (By 鈴木ジョージ)

情報・通信の世界に半世紀以上います。擬科学の横行には??です。世情の動きにも切歯扼腕することがあります。

「声のふしぎ百科」が読売新聞のコラムで紹介されました

2008-12-05 10:50:47 | マイブック
昨日、読売新聞社から、コラム掲載紙(11月17日号)が送られてきました。社会部からの電話取材だったので、科学部でないことが?でした。コラム「問い語り」-声と感情の不思議-を読んで、納得です。

最近の音声処理技術の発展・期待、声によるオレオレサギに言及しています。その導入が、拙著「声のふしぎ百科」の内容でした。

著者の清水次長は、書店でこの本を見つけ、通読されたそうです。関係の研究も調査しておられます。記者のサーベイ力、視点には敬服です。

出版社に連絡したら、「これがきっかけで売れるといいですね」でした。初版がまだ残っているのですから、担当者としては当然の期待でしょう。

しかし、ときどき読者からの反応があると、著者としてはうれしいものです。今回の反応は、“大”でした。
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図書館の本は賞味期限が短い?

2008-01-25 11:36:55 | マイブック
調べものがあるので、昨24日、市の中央図書館へ行きました。目当ての分野の本は、見つかりませんでした。科学系の本は、一般書でも少ないですね。ついでに、寄付したマイブックが、誰かに借りられているか、と検索しました。

残念ながら、2冊とも、蔵書目録にありません。廃棄されたようです。
有名人でもないし、一般向き科学書では、多くの人からは借りられないでしょう。新しい本が次々発刊される時代なので、新陳代謝も早いのでしょう。

ただ、寄贈して1年5ヶ月で姿を消すとは、私レベルの本は、賞味期限が1年かなと思いました。
岩波新書、文庫、中公新書なども置いていません。市と大学とでは、蔵書への考え方が違いますね。大学の図書館が、懐かしくなりました。
それを、承知の上で利用することにします。
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”声”の疑問にこたえる  「声のふしぎ百科」

2008-01-03 15:37:03 | マイブック
“声のふしぎ百科”、162p、丸善、2005年9月、1,575円

 動物とヒトの差の一つは、声を持つ事と言われます。私たちは、成長の過程で、言葉を覚えます。しかし、その何年かで覚える言葉は、長いヒトの歴史の賜です。ただ、声について知っている人は少ないようです。

 ところで、家庭や街には合成音が溢れ、一部のキカイは音声でコントロール出来ます。一方、自動通訳の研究も進んでいます。声の変換がおこなわれ、声からの話者の推定や、画像からの音声合成がジャーナリズムをにぎわすこともあります。ただ、これらには、怪しい説が多いようです。
私は、半世紀にわたって、声について、いろいろな立場から研究を行ってきました。そこで、研究の成果に基づき、声についての正しい知識を紹介することを考えました。

 本書は、街に溢れている音声情報処理の成果?や、みなさんが声について疑問に思っているトピックを中心に、取り上げています。たとえば、「録音した自分声は他人のように聞こえる」、「早口ことばがいいにくい理由」、「大声コンテストに勝つには」から、「カラオケ採点機で高得点を上げるには」などがあります。

 また、声が作られる原理、声の性質や声に関わる種々の技術(音声認識、合成など)を、出来るだけ平易に紹介します。音声情報処理の現状の理解を助け、一部の誤解を解くことが出来れば幸いです。

 電子情報通信学会誌(2006年5月)、音声言語医学会誌(2006年7月)、日本音響学会誌(2008年1月)の書評では、過分の評をいただきました。

 なお、この本の内容を織り込んで、聴衆のリクエストで話しを進める、レクチャ オン デマンド(11月27日のブログで説明)を行っています。
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電波に囲まれた時代にこたえます “そこが知りたい 電磁波と通信のしくみ”

2007-12-17 21:06:02 | マイブック
“そこが知りたい 電磁波と通信のしくみ”、334p、技術評論社、 2006

 私たちは、ラジオ、アナログテレビ、地デジ、衛星放送、携帯から電子レンジ・・と電波を使っています。電波無しの生活は、考えられないでしょう。

 ただ、電波の性質や通信・放送の仕方を、知っている人はどのくらいいるでしょうか。今は大学の講義でも、電波や通信についての授業は少なくなりました。また、電波を勉強した人からは、式が多く無味乾燥な内容であるとの意見が多いようです。もっと楽しく、理解できる本が必要と考え、まとました。

 電波・通信を勉強したとき、数式の難しさ、多さに閉口しました。そこで、電波の発生、性質、通信の仕方などを、身の回りの「音、光、通信」を例にとりながら説明することにします。扱う数式も、2次式、3角関数の入り口にとどめます。全体として、羅列的解説や教科書的な記述を避けます。

全17章で、“波とは何?”、“電波の性質・光の性質”のような基礎的な章があります。これらについては、体感できる実験例を示しています。一方、“放送もデジタルに”、“電波で測る”、“電波で暖める”、のように実用の立場でまとめた章もあります。

 また、電波・通信についての、歴史や興味深いトピックが、コラムとして多く挿入されています。章を追って読む必要はありません。索引も完備しているので、必要な所からスタートできます。

 著者が、電波を中心に研究する研究所にたこと、大学で教育にあたったことが、この本の背景にあります。今までの、電波・通信についての解説書とは、違った視点に立てたと思います。

 なお、映像メディア情報学会誌の図書紹介(2006年12月号)で、身にあまる評をいただきました。

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ケータイ小説、私費出版、科学解説書

2007-12-08 10:41:14 | マイブック
 活字離れといわれますが、ケータイ小説、ネット小説が盛んです。また、ブログ、ホームページ通じての情報発信も、大変な情報量でしょう。

 一方、印刷のデジタル化、DTPの発達により、出版の手間も軽減され、私費出版を専門にする出版社も多くなりました。自分史、趣味、小説、詩歌、論説等、私費で出版され、一部は書店にも出るようになりました。

 しかし、売れる本は、タレントの本、写真集、ペット、料理などが中心ですね。

 ケータイ小説は、玉石混交で数百万も発信されているそうです。ケータイ小説に、佳作もあります。しかし、作品以前のものもあります。また、その形式からも、固い内容は無理のようです。短い文でないと、読んで貰えないとなると、文章よりストーリー中心になります。

 長年、科学・技術の世界にいます。大学にいるとき、一般向きの話をする機会がありました。そのとき、疑科学的なことが一般化されていることを感じました。正しく、科学技術を解説することを、専門家がおろそかにしていたと思います。

 そこで、正しい科学・技術の上に立ち、興味を持って、楽しみながら読める解説書を書いてみました。
ラ イフワークでもある、“声の科学・工学”から、30ほどのテーマを取り上げました。原稿を出版社に届けましたが、“科学解説書は売れません”、“教科書なら引き受けます”、“当社の方針に合いません”から、完全無視もありました。この間、自費出版も考えましたが、これではほとんど世に出ません。知人から自費出版書を貰いましたが、恐らく数百部の刊行でしょう。
出版社の返事を待ってから、次ぎに持ち込むことを繰り返しました。第1作は、8社目、3年かけて出版にこぎつけました。

 執筆者の知名度のなさ、筆力のなさもあります。文部科学省は、「科学解説を書く人がいないので、書き手を養成する必要がある」としています(12月日の日記参照)。確かに、読んでみたくなる解説書が書ければいいのですが、強制的に読んで貰うわけにもいきません。

 せめて、出版しやすくする助成、あるいは公的図書館、学校の図書館がそのような本を常備するシステムが必要でしょう。本を手に取る機会が増せば、科学が好きになる人も増えるのではないでしょうか。
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