ヤッセンボの七目八目 (By 鈴木ジョージ)

情報・通信の世界に半世紀以上います。擬科学の横行には??です。世情の動きにも切歯扼腕することがあります。

電気喉頭 ― 三笠宮のご逝去から・・

2012-06-07 10:56:54 | 音・音声・言語
三笠宮寛仁親王が亡くなられた。ご活躍は、報道を通じてしか知らないが、積極的、ユニークな方である。また、癌との闘病で知られている。

発声できなくなり、電気喉頭を使って話しをされ、その様子が紹介された。音声通信を研究したので、電気喉頭など、代替発声には関心がある。25年も前、イタリア製の電気喉頭を入手した。当時8万円だった。実質は、振動型電気カミソリの一部?

アメリカの学会で、これを使った講演を聞いた。私でも、ほとんど完全に理解できた。音質は違うが、話す人がはっきりと調音し、しかもゆっくり話すためである。
私も、たびたび試すが、それほどうまくない。三笠宮は、電気喉頭をマスターされていた。
ご冥福を祈る。
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オノマトぺ(擬音、擬態語)の 研究失格者です

2012-06-01 09:39:42 | 音・音声・言語
昨5月31日の、朝日新聞夕刊「人脈記-日本語の海へ⑧」は、オノマトペを取り上げました。読んだことのある本の著者も、紹介されています。

中学生の時、鹿児島市から鹿屋市に移りました。鹿屋では、犬の声は“ごっ ごっ”と表現されました。おなじ県内での差に驚きました。
音声の研究者になり、色々な課題に取り組みました。通信・情報処理の視点が主です。しかし、大学に移ってから、“話す早さ”、“早口言葉”、“回音声(回文の音声版)”も研究しました。この分野は、国語・言語の人が扱うので、見方が違ったと思っています。

その一つとして、動物の声のオノマトペでは、言語で表現が違います。音声の物理的性質では、どの言語がホンモノに近いかに興味がありました。

背景には、犬の声“わん わん”と“ごっ ごっ”の差があり、英語の“Bow Wow”も対象になります。
カナでは正しく表現できませんが、犬の声をいくつかあげます。
中国 : ウーウー、  韓国 : モンモン、 ロシア : ガフガウ
ヒンディー : ボウボウ、 チェコ : ハフハフ、 ドイツ : ワウワウ
ベトナム : ゴーゴー ・・・
同じ音節が、繰り返されているのは共通しています。

動物の、各言語のオノマトペをリストにしました。やや共通するのは、猫とカッコーでしょう。しかし、分析すると、人の声に似てはいません。犬でも、犬種、状況で変化が大きすぎます。

物理的には、オノマトペと動物の声は、ほとんど似ていません。
データベースの採集、文化的背景も考慮しなければいけないでしょう。片手間にできる、研究ではないことがわかりました。

費用、スタッフ、熱意・・すべての点で終わりです。八十路が近いのでは、仕方がないでしょうか。

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外国人の名前は覚えにくい?

2012-02-16 16:04:19 | 音・音声・言語
外国とのつき合いも長いし、翻訳小説も多く読んだ。しかし、年齢のせいか、外人名が頭に入らなくなった。
人名でも、英・独・仏・中国など、よく耳にする名は問題ない。なじみのない国の人名・SFなどで出てくる創作名には手を焼く。

ハヤカワSF文庫の「地球の記憶」を読んだ。ヴォーリャマーク、ラーシュギャリヴァーク、トルーズニシャー、ギャーバールーフィクス・・・など、多くの登場人物がいる。家族関係が複雑で、系図もある。しかし、8-9音節の名は長すぎる。

覚えきれず混乱し、系図を見たり、登場人物表にもどる。架空の世界の名前だから、仕方がないが、ストーリーがどこかに行ってしまう。
外国人が、日本の小説も読むとき、同じようなことが起きるのだろうか。

その昔、島田正吾は、“シラノ・ド・ベルジュラック”を「白野弁十郎」に、黒岩涙香は、モンテクリスト伯の“エドモン・ダンテス”を「団友太郎」にした。翻案なら、日本名でもいいが、名前だけ日本名も違和感がある。

SFや、架空の国の名は、音節数は少ないが、なじみのない「音素の連鎖」で対応できないだろうか。
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温故知新のマイク? 古い技術に新しい視点?

2012-02-07 11:46:31 | 音・音声・言語
「のどの振動を拾って、音にするマイク」が、1499円で発売されました(上海問屋)。

いわゆる咽喉マイクです。部品箱を探したら、いくつか出てきました。黒は、40年くらい、白は20年くらい前の製品です。かつて、研究テーマにとりあげました。

最初の論文は、70年以上も前です。その後、軍隊(戦車、航空機)、空港など、騒音環境で使われています。

発展していますが、こもった感じの音質は改善できません。ただ、この価格は、驚異的です。それに、音質が改善されれば、広まる可能性があります。
音声生成の原理から見ると、厳しいですね。

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日本語のローマ字表記 2 駅名の表し方

2012-01-16 13:34:37 | 音・音声・言語
ヘボン式と、訓令式の差の一つは、/ン/の表し方である。訓令式では、/ン/は常に/n/である。一方、ヘボン式では、マ行、バ行、パ行の前の/ン/は、/m/である。

新橋は,/sinbasi/と/shimbashi/である。マ行、バ行、パ行-m、b、pの調音点は前で、唇を閉じて発音する。それに対して、単独の/ン/は、調音点が奥で咽頭が狭い。英語では、immoral、umbrella、impactのように、音としては/ン/に聞こえても、調音点が同じmで表される。ヘボンは、同じ発想で日本語表記を考えたのだろう。なお、ヘボン式では、破裂音と破擦音/チ、ッ/を、無声摩擦音と両唇音/フ/を区別している。

英語圏の人には、sinbasiは発音し難いだろう。JRの駅名は、ヘボン式によっているとのことである。私鉄は様々のようだ。例として、“南武線”の表記が、JRと小田急で違うことに気が付いた。
なお、地下鉄“麻布十番”のローマ字案内は、どちらの表記でもない!判読してくれるだろうが。


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ローマ字表記の混在 1 私の名前も?

2012-01-15 11:58:51 | 音・音声・言語
昨日の朝日新聞Beでは、ローマ字表記をとりあげた。同じカナを、ローマ字にすると、色々な表記法があり統一されていない。政府は、1937年来の「訓令式」をとるが、訓令式はサ行はSで、ハ行はHで始まるように、50音表との対応がいい。ただ、外務省やパスポートでは、英語との対応のよい「ヘボン式」によっている。
しかし、パスポート表記も時代で変わった。Beの記事で、変わった例として“ジョウジ”を取り上げている。これは、私の名前でもある。

論文でJouji ( まれにGeorge)を使っていたが、1966年、これでパスポート申請したら、Jojiで発行された。1985年から、Jouji、Johjiが可になり、2008年からは、Georgeも可になっている。
航空券はパスポートと一致しなければならないので、長年Jojiを使っている。

英語圏以外で私の名前はどうなるだろうか。スペイン語では、「j」の発音は/h/ になる。「Jose」,「Japon」は/ホセ/、/ハポン/であり、「Jouji」の発音は困難だろう。ドイツ語や東欧の言葉では、「joch」が/ヨッホ/のように、「j」は/イ/の発音に近い。日本も/ヤーパン/になる。ロシア語だと「j」は存在しない。「я」が 使われ、「日本」は「Яапония」/ヤポニア/である。

ヘボン式は、アメリカの宣教師J. Hepburn (日本風にはヘップバーン)が考案した。ヘボン式は、英語系にはなじめるが、英語圏以外では同じように発音してはもらえない。人名は、固有名詞として割り切るしかないだろう。

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声についての、話とデモ・・地元では初めてです・・

2011-10-11 17:17:45 | 音・音声・言語
府中カレッジ・悠学の会の「広がるコミュニケーション科学」の1つとして、「声のふしぎ-声についての疑問にお答えします」で話しました。
生涯学習センターですが、AV施設の整った研修室です。声帯、肺、発声器官の模型をデモしながら、声の歴史・成り立ちを話しました。
後半は、20テーマほどの中から、質問に応じてプレゼンテーションです。手法としては、何度か行っています。40人規模で、休憩をはさんで2時間だったので、いいプレゼンができたのでは、自賛です。

模型にからんでの、質疑もあり、関心のある方には、理解していただけたと思います。
府中に長年住んでいますが、市との縁ははじめてでした。
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早口の英語―映画 Social Network の会話はどのくらい早い?

2011-01-21 10:21:34 | 音・音声・言語
Facebookの設立にかかわる映画で、日本でも今月、公開された。多くの賞を受賞し、アカデミー賞の有力候補である。まだ見ていない。

Facebookは、ハーバード大の学生だったマーク ザッカーバーグによって始められた。世界で5億人が、加入している最大のSNSである。

地縁(Cambridge、ハーバード大)があり、情報産業・・でも関心がある。ところで、この映画は、早口の会話の応酬が特徴である・と聞いた。YouTubeで予告編を見つけた。バックに音楽が流れる中、ふつうの映画ではありえない、早口の会話である。
http://www.youtube.com/watch?v=wHc3NmYKzto

日本語の早口言葉を分析した身にとっては、その分析にチャレンジしたい。英語は、シラブル/秒で話す速さを測る。しかし、この早口の会話を、文字化できるか。私のヒヤリング能力を超えているのが、悩みである。

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「ういろう売り」の早口言葉 海老蔵代役の片岡愛之助に 感心しました!

2010-12-13 09:50:11 | 音・音声・言語
海老蔵は、殴打事件から謹慎です。11月30日からの京都南座の公演は、3日前に決まった代役の片岡仁左衛門、片岡愛之助で行われています。急な代役、大変だと思います。
愛之助の、「ういろう売り」は、歌舞伎十八番「曽我の五郎」の一部です。初演は1718(享保三年)で、暫く演じられることはなかったが、十二代団十郎が、1980年に復活させたそうです。

「ういろう売り」は、その早口言葉で知られています。長文の早口言葉は、滑舌・演劇の発声演習にも使われています。急な代役で、このセリフを話すのは大変でしょう。
 “早口言葉”、“どれくらい早く話せるか”を研究したので、「ういろう売り」をチェックしてみます。なお、この“ういろう”は、小田原の薬です。

内容には、いろいろのバージョンがあります。その一部です。
「雨合羽か番合羽か。貴様が脚絆も革脚絆、我等が脚絆も革脚絆。
尻革袴のしっ綻びを、三針針長にちょと縫うて、縫うてちょとぶん出せ。河原撫子・野石竹。
野良如来、野良如来、三野良如来に六野良如来。・・」
早口言葉の典型的繰り返しーパタンも含まれています。

You Tubeには、団十郎の5分余のセリフ(写真も)、小田原ういろう屋の“読み上げ”があります。これは、アナウンサーかプロの発声でしょう。

歌舞伎のセリフは、普通のセリフより早いが、リズム感があります。“読み上げ”は、かなり早口ですが、文語文だけに苦しいですね。

代表的一節「向こうの胡麻殻は荏の胡麻殻か・・」の早さを測りました。
団十郎 : 5.6モーラ/秒
読み上げ : 6.6 モーラ/秒です。
モーラは、50音、拗音、促音/っ/、/ん/に対応する、拍の単位です。

アナウンサーが話す早さの分析例は、私著“声のふしぎ百科”の151―156ページにあります。
その一部です。
ニュースの例で : 6.7 モーラ
競馬の実況放送 : 8.6 モーラ です。追い込みでは12モーラ/秒を超しました。

ニュース原稿を読む早さと、「ういろう売り」を早口で読むのが同じくらいです。早口言葉とは言え、文語文では早く読めないのでしょう。現代文ではどうでしょうか?しかし、長文の早口言葉は、見つかりません。新作も、短文か数語の連単語です。

私は何度か練習して、上の「読み上げ」と同じくらいの早さになりました。しかし、数分にわたる「ういろう売り」のセリフです。これを覚えての代役に、敬意を表します。
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研究会では時間をかけた討議が重要です 他でも? 

2010-12-12 13:42:52 | 音・音声・言語
昨11日の午後、**音声研究会に、久しぶりに出席しました(於早大)。日本語教育を中心にした、先生・院生の集まりです。文系の会ですが、声・発音・聞き取りで共通です。

「音声生成の音響模型」を、デモの時間を十分とって話しました。さらに、前の発表にも関係あるトピックとして「英語のr と l の発音・聞き取りが難しい理由」をきっかけに、いくつかのトピックを話しました。質疑・討論がさかんで、実り多い2時間余でした。専門家と、時間を気にせず討論出来るのは幸せです。

参考になること、今後の方向にも示唆がありました。快い疲れ?で、朝7時過ぎまで、ぐっすりお休みました。このような機会は、健康にもいいようです。
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オーケストラ奏者がブブゼラを吹くと?

2010-07-14 16:32:47 | 音・音声・言語
ユーチューブで、ドイツのオーケストラ奏者が、ブブゼラを演奏する様子がアップされています。
ヒトリが吹いたとき、3人が合奏したとき、2人の合奏があります。
http://www.youtube.com/watch?v=tkhJKAkau2A
一吹きでも、音色が違います。プロの音です。2人の演奏では、メロディとリズム演奏に分かれました。曲になっています。

分析してみました。ある時点の、スペクトログラムです。左がソロで、右がデュエット(です。

一吹きの音は、基本波が250Hz程度で、今までのブブゼラの音と同じ高さです。デュエットのメロディを見ると、500Hz-600Hz くらいで、管の第2高調波の高さより高いでしょう。それが微妙にかわり、メロディをなしています。

ブブゼラには、音程を調節する機能はありません。顔を真っ赤にして、メロディを吹いていますが、相当な技術だと思います。
(ブブゼラについては、7月1日、2日の日記にもあります。)
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ブブゼラを竹輪で作った・・私は笛でしたが・・

2010-07-02 14:50:01 | 音・音声・言語
ワールドカップの余波で、竹輪でブブゼラを作った人がいます。

音階を出せる、簡単な手作り楽器をいろいろトライしています。何ヶ月か前、竹輪で笛(リコーダー風)をつくってみました。

リコーダーのような歌口は、竹輪ではムリでした。そこで、クラリネットと同じようなリードを竹につけました。これは、ストロー笛の応用です。音は出るし、音階もある程度はだせます。

穴は、リコーダー、ポケットクラリネットを真似たのですが、同じようには鳴りません。大量の竹輪で、試行錯誤が必要なようです。

昨7月1日、朝日新聞のコラム青鉛筆に、竹輪でブブゼラを作った話が載っていました。雲仙で、地元名産の竹輪に、トロンボーンのマウスピースを付けたそうです。竹輪の長さが33センチとあります。寿司やで、6人が演奏?したとか。マウスピースがついていれば、それらしい音は出たでしょう。

竹輪楽器はよく発想されます。ブブゼラには思い至りませんでした。感心したのは、雲仙の竹輪が、33センチもあることです。食べでがありますね。

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巨大ブブゼラ’(長さ34m)の音は低い?

2010-07-01 14:04:36 | 音・音声・言語
34mのブブゼラの動画が公開されています。

http://www.gizmodo.jp/2010/07/34mvuvuzera.html

画像と音はこのページで、見聞してください。
なぜ34mか?音速が大体340m/秒です。その1/10の長さでしょうか。
ブブゼラのような楽器の場合、最低の共振は、1/4波長で、管の長さがこれに当たります。34メートルが1/4波長なので、周波数としては、2.5Hzの音になります。全く聞こえません。しかも、この音を発生させるには、風量が必要な上、どのような振動原にするか、大変でしょう。

ところが、音を聞くと、大音量かもしれませんが、普通のブブゼラを感じさせます。音を分析してみました。基本周波数が219Hzで、その高調波から成り立っています。

先日分析した、1本のブブゼラの音(Wikipdiaより)では、基本波は242Hzでした(6月24日の日記)。このときの音よりちょっと低いのですが、ブブゼラは一定の音程をだす楽器ではありません。
結論として、34mのブブゼラの音ではありません。

見かけ上は、ブブゼラですが、単にブブゼラ型のスピーカー(大型のトランペットスピーカー)です。流れる音は、普通のブブゼラ音で、音量が大きいだけでしょう。
「話題になればいい」の作品ですね。韓国の企業です。サスガ・・

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ブブゼラに負けないホイッスル! 日本製がワールドカップで活躍

2010-06-28 11:04:22 | 音・音声・言語
今日28日の朝日新聞のコラム「五線譜」で、ワールドカップの審判の笛が、紹介されています。社員5人の、野田鶴声社の製品です。砲丸の世界一のメーカーが、日本の小企業だったり、我が国の物作りのレベルは高い証左です。

音を作るには、空気を振動させなければなりません。楽器を例にとると、金属や木など固体を叩く、太鼓のように膜を叩く、弦を振動させる、笛のように空気を直接振動させる・・に分類されます。
ところが、大きな音がでるのは、笛や大きな太鼓です。ただ、太鼓は膜の振動を空気に能率よく伝えますが、大きくないと大音量にはなりません。

軍隊での利用、行進に使うのは、ラッパ、ブラスバンド(管楽器)、ドラム・・と大きな音の出る楽器で、笛と太鼓です。バグパイプも大音量ですが、これも笛の一種でしょう。

審判のホイッスルは、騒音の中でも聞き取れます。手許にラグビーで使ったホイッスルがあるので、吹いてみました。ブブゼラの騒音と、このホイッスルの音の周波数スペクトルを、比較しました。ブブゼラの音は、高い周波数ではだんだんレベルが下がります。一方、ホイッスルの周波数は、2.7kHz付近が、高レベルです。この周波数帯は、耳の感度のいいところでもあります。また、その2倍、3倍の高調波があります。これは音色に貢献します。

騒がしい中でも、ホイッスルが聞き取れるのもわかります。楽器とは言えないかもしれませんが、小さくて、これだけ大音量を発生出来る楽器はありませんね。
(ブブゼラは6月24日の日記参照)

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ブブゼラの音を分析しました -楽器ですが、これだけまとまると騒音です

2010-06-24 15:45:53 | 音・音声・言語
ワールドカップの、顔の一つはブブゼラです。最初はうるさいと思った音も、風物詩になりました。着メロから、目覚まし時計の音にもなって居るそうです。

うるさいことから、ブブゼラの音を軽減した、放送会社があるそうです。雑音除去の研究をした身には、ちょっと疑問があります。そこで、分析してみました。

1本吹いたときの音は、Wikipediaにありました。全体の騒音は、放送からとりました。周波数スペクトルから、基本波と高調波からなり、あきらかに楽器の音です。基本波の周波数は、242Hzで安定しています。これは、B3(245.9Hz)より少し低い音です。

何千本、何万本のブブゼラが唸っている状態は、楽器ではみられません。この音は騒音(ピンクノイズ)に近い音です。不思議なのは、低い周波数帯には、高調波構造が見られます。基本波の周波数は、238~246Hz位に分布しています。
多くの音源があり、音源からの距離は違いますが、楽器の基本の音は残されて居ると見ていいでしょう。

ただ、声の周波数帯と重なっており、騒音なので、取り除くことは困難です。放送のためには、アナウンサーや解説者が、指向性のあるマイクを口元へ近づけています。それで、実用上は困らない音がとれています。

ただ、ピッチに居る選手、スタッフは騒音の中にいます。どのくらいの騒音レベルか、知りたいものです。多分、鉄道のガード下(90~95dB)はあるしょう。少し離れると、会話は難しいですね。

図は、テレビ中継の騒音の長時間スペクトルです。ピンクノイズと比較しています。
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