*『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』著者 雁屋 哲 を複数回に分け紹介します。2回目の紹介
美味しんぼ「鼻血問題」に答える 雁屋 哲
何度でも言おう。
「今の福島の環境なら、鼻血が出る人はいる」
これは”風評”ではない。”事実”である。
2年に及ぶ取材をへて著者がたどりついた結論はこうだ。
「福島の人よ、福島から逃げる勇気を持って下さい」
----------------
**『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』著書の紹介
世界に嘘をついた安倍首相
2013年、IOC(国際オリンピック協会)の総会で、安倍晋三総理大臣が、オリンピックを東京に招致するための演説の中で、「福島原発の汚染水は、0.3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックしている」と言いました。
その言葉を聞いて、一番驚き、同時に空しい感じを抱いたのは、福島の漁業関係者たちだったでしょう。
福島原発は、原発自身を外洋からブロックできる構造に最初から作られていません。
どうすれば外洋からブロックできるというのですか。
ブロックしてしまったら、必要な資材を海から原発に運び込むという大事な作業ができなくなってしまうではありませんか。
安倍首相の演説のあとでも、福島第一原発は何度も事故を起こし、そのたびに汚染水が海洋に漏れ出しています。
安倍首相は全世界に向かって、福島の現実とはかけ離れたことを公言したのです。
しかし、誰もその責任を追及しません。マスコミもその件についてなにも批判しない。なぜなのでしょう。
相馬は福島県の北端です。
では、福島県の南端のいわきの海はどうだったでしょうか。
まず、有名な小名浜漁港に行ってみました。
もちろん地震の被害は見えますが、それほど甚大な被害を受けたとも思えません。それなのに人の姿はほとんど見えません。
漁協の建物の1階に事務所がありました。
そこで漁協の方からお話を伺って納得しました。
2011年11月当時、小名浜から漁に出ることは禁止されていて、それでは漁港として機能しません。魚を捕ってくることができなければ、市も開けない。
岸壁に一艘の漁船が止まって、何か忙しげに作業をしていました。
漁船の傍らに船主が立っていました。
話を聞くと「出漁禁止だが、整備をしないと船が駄目になるし、船員たちだってこうして仕事がなかったら困るからね」。
しばらく港を見て回って、その船のところに戻って来たら、船主が不機嫌な顔で、
「あれから2回も、海上保安庁の人間が回ってきて、出漁するんじゃないだろうな、としつこく念を押すんだよ。もう、いやになっちゃったよ」といいました。
あの小名浜港が機能を停止していたのです。
※続き『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』は、10/15(木)22:00に投稿予定です。