昭和43年(1968)に虎ノ門のオフィス街に「霞が関ビル」が完成した。それ以前は、建築法では建物の高さが31メートルを超えるものは認められなかったが、昭和38年(1963)にこの規制が廃止され、最初に出来たのが霞が関ビルであった。地下3階、地上36階、地上高147メートルの超高層ビルの幕開けであった。その後、新宿副都心の超高層ビル街、世界貿易センタービル、池袋サンシャインシティの構想・設計に関与した建築士が郭茂林であった。
郭茂林は日本統治時代の台北市で生まれ、台北州立台北工業学校(現在の国立台北科技大学)を昭和15年(1940)に卒業する。学業成績優秀のため、台北工業学校校長で担任の千々岩助太郎の紹介により、東京帝国大学工学部建築科に聴講生・助手として建築設計学を学ぶ。終戦、日本国籍を取り、岸田日出刀研究室に在籍する。以降、吉武泰水らと建築計画学の研究に励んだ。
日本での超高層ビル建築が至るところでおこなわれる同時に、郭は自身の生まれた台湾での高層ビル建設にも関与する。台湾初の超高層ビル「第一商業銀行本店ビル」のほか、台北市役所を中心とする「信義副都心」、台北駅エリアの再開発などにも携わった。
映画に出てくる「KMG」がある。これは郭茂林のKMをとっており、Gはグループを意味する。つまり、多くの人達の考え化を一つにまとめ、考え方を共有して仕事を成し遂げるグループであるという。数多くの人達に親しまれた郭茂林は2012年4月7日に急性腎不全のため死去する。
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