12/11~12/12にかけて台湾大学文学員歴史学系と神奈川大学常民文化研究所・非文字資料センターとの共催により、国際シンポジウム「帝国日本と台湾の眼差し―非文字資料の利用」が台湾大学文学院の教室で開催され、台湾大学の研究生や教授が参加されました。両大学での研究資料を交流する初めて試みでありました。
当日は、私は、「メガ産業と神社―台湾における神社創立を全体としてとらえるために」というタイトルで発表いたしました。この中では、台湾に造営された70社に及ぶ企業守護神としての企業神社から、製糖、酒造、樟脳および水力発電にスポットをあて、これらの産業の企業神社造営の背景、祭神そして地域社会との関連性を考察してみました。
<日本常民文化研究所とは>
日本民衆の生活・文化・歴史を調査分析する研究センターとして先駆的活動を展開してきました。1921年澁澤敬三により“アチック・ミューゼアム・ソサエティ”として創設されて以来、研究所の活動は、民具の収集・分類、古文書の収集・整理、漁業史研究など、日本常民社会の実に多様な領域を対象としてきました。1982年に神奈川大学の付属研究所となり、現在も、歴史と民俗文化の学際的共同研究機関として発展を続けています。また、開かれた研究所として、学外の研究者にも研究交流の機会を提供すると同時に、これらの諸分野に関わる教育活動もおこなっています。
なお、非文字資料とは、文字によって記録されることのなかった人間のさまざまな「いとなみ」に関する資料です。