台湾に渡った日本の神々---今なお残る神社の遺構と遺物

日本統治時代に数多くの神社が建立されました。これらの神社を探索し神社遺跡を紹介するものです
by 金子展也

高雄州 鳳電神社と「歴史的見證者 鳳山招待所」

2012-12-22 09:56:47 | 高雄州

 

当時の鳳山海軍無線電信所

今年の秋に、高雄市立歴史博物館から「歴史的見證者 鳳山招待所」と称されるDVDが発行された。この鳳山招待所とは、そもそも大正6年に建設され、翌年に業務が開始された「鳳山電信所」であり、海軍無線電信所であった。大東亜戦争中は船橋、針尾および鳳山に3大無線電信所が設立された。船橋(海軍無線電信所船橋送信所)は日本の中核をなし、真珠湾攻撃のときはここから「ニイタカヤマノボレ一二〇八」の無線が発信された。針尾は朝鮮の北部および中国を網羅し、鳳山はフィリピンなど南方の日本軍指揮を包括していた。戦後、中華民国海軍が接収し、鳳山招待所と呼ばれた。このDVDは、戦後、鳳山招待所がかって、海軍総部台湾工作隊が逮捕した政治犯や思想犯の拘禁、取調べを行なう拘留所であり、当時、白色テロにより、あらぬ容疑をかけられてこの施設に収容された経験者の聞き取りを中心に構成されている。現在は、国の古跡と認定されており、週末には一般開放されている。

この施設の中にも、鳳電神社と呼ばれた小さな営内(軍関係の施設を指す)神社があった。当時の写真がDVDの最初の部分にでてくるが、この写真の提供は鈴木道子さん。鈴木さんの父親は、かって高雄海軍無線電信所所長として勤めていた関係で台湾に住んでおり、その時に写された貴重な神社の写真である。

また、このDVDの製作は、現在、国立台東専科学校 顧超光副教授の調査研究に基づいて行われたものである。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする