付け焼き刃の覚え書き

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「陽の末裔」 市川ジュン

2007-08-29 | 時代・歴史・武侠小説
 元始女性は太陽であつた

 市川ジュンは女性の自立をテーマにした作品を描くマンガ家です。恋愛ベタベタではなく、それでいてユーモアもあり、絵柄も柴田昌弘タイプで男性にも取っつきやすいものなので、昔からよく読む作家です。
 意識し始めたのは、マタハリの娘を主人公にした1975年発表の『暁の目の娘』からかも。1980年代になると発表の場を「別冊マーガレット」から「YOU」へ移したので、もっぱら思い出したように単行本を買うだけです。

 代表作は『陽の末裔』。寒村から女工として都会へ連れてこられた2人の少女がたどる流転の人生を、昭和初期から太平洋戦争終結にかけて描いたもの。1人は資本家に見初められブルジョワジーへの道を歩み始め、1人は社会主義運動に巻き込まれながらも女性の自立を訴え続けていく……。

 同じく昭和初期の女性弁護士の奮闘を描いた『この星の夜明け』も面白かったですね。いろいろ左右に振れながらも、ちゃんと法律家としての活動に主眼が置かれていますから(エセ弁護士ものを読んだ後のリカバリー用ですね)。

【陽の末裔】【この星の夜明け】【市川ジュン】【女性の自立】【栄枯盛衰】【社会主義】

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