付け焼き刃の覚え書き

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「風に吹かれて豆腐屋ジョニー 男前豆腐店ストーリー」 伊藤伸吾

2008-01-09 | 食・料理
 この1~2年で近所のスーパーでも購入できるようになった「豆腐屋ジョニー」を製造販売しているお店の社長が書いた企画開始から執筆時点までの物語。
 「豆腐屋ジョニー」というのは、ガロ系コミックみたいなインパクトのある濃厚なパッケージデザインと名前の豆腐なんだけれど、形を変えるなら中身も変えなくてはダメ、見た目だけ奇をてらってもお客はついてこないという方針らしく、けっこう濃厚な味の豆腐。値段は高めだけれど確かに美味しい。うちの宴会のときなども、以前は老舗のざる豆腐などをわざわざ買ってきていたけれど、最近はジョニーとその仲間たちで済ませてしまっているくらい。いろいろ種類があって、黒かったり甘かったり。ただ甘いといっても砂糖の甘さではなく豆の甘さね。
 そういう豆腐をどうして思いつき、どういう苦労があってという話なんだけれど、単なるサクセスストーリーになっていないのは「まだまだこんなものを作りたい」という思いがひしひしと伝わってくるから。まだ過程なのですね。
 それに愉しく書き飛ばしてあるから見過ごしがちだけれど、普通だったらそのまま豆腐屋を継ぐはずの人間が、豆の旨味を活かした豆腐を作りたいと思っただけなのに、社内の反発が強くて孤立無援も同然の状態になるという顛末(結局、もとの会社とは袂を分ったらしい)に、既存の流れを変えるのは難しいことだよねえと嘆息。

【風に吹かれて豆腐屋ジョニー】【男前豆腐店ストーリー】【伊藤伸吾】【ハイリスク・ハイリターン】【後追い】【こだわり】

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