付け焼き刃の覚え書き

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「ディーン牧師の事件簿」 ハル・ホワイト

2013-12-26 | ミステリー・推理小説
「死後の世界があるのなら、間違いなく神は存在する。神が存在するのなら、魂が道をさまようことを、お許しになるはずがない」
 超常現象そのものを否定するつもりはないけれど、幽霊が悪さをしでかすということがあるはずないとサディアス・ディーン牧師の言葉。

 読書家な引退した老牧師が遭遇する不可能犯罪をテーマにした短編集。
 カーを彷彿とさせる雰囲気なので、なんとなくその頃の時代の話のつもりで読んでいたら、「携帯電話は持っていない」とか「パソコンのブラウザは2つ前のバージョン」とか今も今じゃないですか。よく見たら原書は2008年刊行。
 でも、トリックその他はいつの時代でも通じそうなものばかり。そして、単純に信仰にすがるだけではなんともならない人間の歴史を前提に、信仰者であるからこそ、目の前の出来事を無批判に受けいれるのではなく、論理的に物事を判断することが大切なのだというスタンスに共感。

【ディーン牧師の事件簿】【ハル・ホワイト】【創元推理文庫】【プロローグ】【足跡のない連続殺人】【四階から消えた狙撃者】【不吉なカリブ海クルーズ】【正餐式の予告殺人】【血の気の多い密室】【ガレージ密室の謎】

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