付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「おまけのこ」 畠中恵

2007-12-26 | 時代・歴史・武侠小説
 廻船問屋の若だんな、一太郎は病気をしていなければ病気になりかけているか病気から回復したばかりという病弱な若者。けれど病の床ばかりの若だんなの周囲には、鳴家や屏風のぞきやら物の怪たちが常に右往左往している。実は若だんなは大妖怪の血を引いており、病弱な息子を心配した両親が世話係につけてある手代たちも実はかなりの大物妖怪だったりする。
 そんな若だんなが、身辺に持ち込まれる怪事難事を、妖怪たちの助けも借りて解決したりできなかったり……。

 「しゃばけ」シリーズの第4弾。文庫落ちして購入。ハードカバーでもいいけれど収納場所がないから、文庫になるやつは文庫買いですね。今回は、関わる者は全て不幸になる狐者異(こわい)をめぐる一幕「こわい」、ぬりかべみたいな厚化粧がやめられない娘と屏風のぞきが深夜に問答する「畳紙」、まだ妖怪たちが来る前の若だんなの冒険譚「動く影」、若だんなが吉原の禿を足抜けさせようと大騒ぎの「ありんすこく」、そして所在不明になった真珠の珠と鳴家の「おまけのこ」の5編。いちばん面白かったのは「おまけのこ」かな。周到に計画を立てても結局は無駄骨に終わる「ありんすこく」もなかなか。
 ワンパターンにならず、いつも楽しめるシリーズですね。

【薬種問屋】【寝たきり探偵】【妖怪】

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「黒騎士物語」 小林源文 | トップ | 「サイコスタッフ」 水上悟志 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

時代・歴史・武侠小説」カテゴリの最新記事