
1584年、基綱は太政大臣に就任し、政の府として相国府を開いた。それが幕府と何が違うかというと、あくまで朝廷の一部門であるというところに意味がある。そして、彼は大帝国・明を想定した国家の舵取りを進め、対馬、琉球、朝鮮へと手を打っていくが……。
基綱が独自路線に足を踏み入れていく13巻。
まだ全国統一ならずという段階から外を見据えて布石を打っていく基綱と、彼の後を継ぐため奮闘する堅綱の物語。
基綱が天下の頭領を継ぐならこれくらいはこなせと厳しい条件を堅綱に突きつけているように見えながら、実際は過保護なくらい十分な兵力と実力のある武将をつけているので、つまりは堅綱自身が自分のすべきことは単なる槍働きではなく人を使うこと、どっしり構えて采配を振るうことだけだと自覚しなくちゃいけないだけなのだ。
そこがほぼ裸一貫から天下取りに挑んだ男と、その地盤を受け継いだ男と、求められる資質の差というやつなのですが、このあたり史実の徳川三代に通じるものがありますね。
【淡海乃海 水面が揺れる時 十三~三英傑に嫌われた不運な男、朽木基綱の逆襲】【イスラーフィール】【碧風羽】【TOブックス】【本格大河ドラマ】【戦国サバイバル小説】【小説家になろう】