
間違いだらけの人生を歩んできた荒野歩だが、かといって死ねばいいというものじゃない。
つまり、覆水盆に返らず、零れた水はまた汲めば良い。
気がつけば荒野歩はモンスター駆除が仕事のボランティア団体『外来異種瀬戸際対応の会』のトップに据えられていた。いつの間にか拠点となるビルが用意され、活動資金がドカンと振り込まれ、ボランティアと称して仮名の自衛官の方々が集まってくる。まったく秘密の多いボランティア団体なのだ。
そんな瀬戸際対応の会に国会議事堂の中に発生した外来異種の駆除依頼が持ち込まれたのだが、それは国際的なテロリストとの戦いの幕開けに過ぎなかった……。
ウェブでいう「国家非公開部隊 代表 荒野 歩」パートを収録。議事堂からアラスカ戦線の余話を交えつつ、バグダッドを経てチェルノブイリまで、平凡なおっさんが軍隊でも勝てないようなモンスターを相手にする、ワールドワイドなブラック企業譚。けっこう長い気がしたけれど、1冊におさまりましたね。
肉体的に優れているわけでもなければ特殊なスキルを持っているわけでもない平凡な中年太りのおっさんが、生存本能だけでモンスターやテロリスト相手の戦いを生き延びていきます。イラストもずんぐり描かれていてますが、やっていることだけ見ればキリコ・キュービー。自分は普通のつもりなのに普通じゃないと周囲に言われて悩む(もうすぐ100キロ)のおっさん。
今回もイラストが良い仕事をしていて、本文と良い感じの相乗効果を出してます。太った冴えないおっさんも見たこともない怪異の姿もコミカルな痴話ゲンカも、ちゃんとそのように描いていて逃げてません。
【現代でモンスター駆除業者をやってたら社長が赤字をなんとかするために無理をしたせいで社員のほとんどが死んだからずっと一人で仕事をしてたら凄いことになりました 2】【gulu】【toi8】【エンターブレイン】【ハードサバイバルアクション】【小説家になろう】【カクヨム】【アノマリー・キラー】【正直なクレタ人】【自分に害が及ばないならヨシ!】