
事業が失敗し妻子に逃げられたタクシー運転手が不思議な村に迷い込み、妖怪たちに協力してもらいながら、成仏できない幽霊をあの世に誘うタクシー運転手になる話。
面白いけれど読後感がすっきりしないのは、結局主人公が事業に失敗して死人とも生者ともつかない存在となって、愛する妻子と別れ別れになったままという前提条件に変化がないままだから。
これでもう残された家族のことは忘れて新しい人生をとか、離ればなれになっても親子の絆はつながっている……みたいな感じならば救いはあるのだけれど、そうでないからハッピーエンドでも「めでたしめでたし」にならないのですよね。
【黄泉坂案内人】【仁木英之】【トミイマサコ】【名前】【十津川】