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付け焼き刃の覚え書き

 開設してからちょうど20年。はてなにお引っ越しです。https://postalmanase.hateblo.jp/

「光瀬龍 SF作家の曳航」 編:大橋博之

2009-09-04 | その他SF(スコシフシギとかも)
 歯医者の待合室に座っている間に出された1冊。この本とかSFマガジンの最新号をパラパラやりながら、「スレイヤーズを王道ファンタジーと読んで良いのか」などと語り合っていたわけですが、そんな日もあるのです。
 平成11年に亡くなった作家・光瀬龍の単行本未収録のエッセイ39編や短編13編を写真や略年譜などと共にまとめ、それに大橋博之が注釈を付けたもの。

「世界の人口の半分は女性であり、その女性のものの考え方、精神構造を知らなくて文化や文明を論ずることはできないのではないか?」
 『ロン先生の青春期』より。

 光瀬龍の作品というとなんとなく『百億の昼と千億の夜 』とか『宇宙叙事詩』が真っ先に名前が挙がり、壮大な宇宙ロマンの作家だというイメージがあったのだけれど、よくよく思い返してみれば70年代にジュブナイルSFで育った世代は光瀬龍で生きてきたような部分があります。NHKの少年ドラマにもなった『夕映え作戦』とか『暁はただ銀色』とか。山田隆夫や長門勇が出演した『夕映え作戦』は好きだったなあ。今でも、あのスクラムを組んで敵陣を突破するシーンは忘れられません。宇宙ロマンというより、もっと身近でちょっと不思議な世界というのでしょうか。
 なお、収録されている『暁はただ銀色』は雑誌での初出バージョンだそうです。これはこれで良し。

【光瀬龍】【SF作家の曳航】【光瀬龍没後10年メモリアルコレクション】【ラピュータエクセレンス】【大橋博之】【タイム・パトロール】【UFO】【ロン先生】【空襲】【阿修羅王】【アンドロメダ・ストーリーズ】
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「戦闘糧食の三ツ星をさがせ!」 大久保義信

2009-09-04 | 食・料理
「イタリア人はジェラートがないと生きていけないからね」
 アルバニアのイタリア軍補給連隊の大尉の言葉。
 イギリス軍が戦場でも紅茶がないと生きていけないように、イタリア軍にはアイスクリームが不可欠なようです。まあ、湾岸戦争時のアメリカ軍だってハンバーガーとコカコーラは前線でも食べることができたわけですし、自衛隊だって砂漠で寿司を食うのに四苦八苦してたわけで……。
 ちなみに、この取材時点でのイギリス軍の1日分のレーションには、かつて6パック入っていた紅茶のティーパックが4パックしか入っていなかったそうです。

 軍事ジャーナリストである著者が1993年からボスニア・ヘルツェゴビナ、アルバニア、マケドニア、コソボ、東ティモールと世界各地の紛争地を巡り、そこで出会った戦闘糧食22カ国・27種類・70食について紹介して星をつけるという異色のグルメ本であり、この手のミリメシ本の先駆け。

 「戦闘糧食」とは通称「レーション」、最近では「ミリメシ」などと呼ばれることもある、戦地で食べる携行食です。昔から関心を持つ人はいましたし、沖縄あたりへ観光旅行に行くと夜店で賞味期限がいつなのかも判らない米軍放出品を買うこともできましたが、一般に広まったのは、この本がきっかけかも。
 「レーション」や「ミリメシ」が一般的な単語とはいいませんが、少なくとも昔は駅前大型書店がミリメシを扱った書籍のコーナーを設置したりはしませんでした……。
 カラーは巻頭の16頁のみですが、そのぶん読み応えたっぷりで各国のお国柄や紛争地帯での様子を知ることができます。

【ミリタリー・グルメ】【戦闘糧食の三ツ星をさがせ!】【大久保義信】【ミリメシ】【紛争地帯の餓えた子供でも米軍Cレーションは食べない】
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