付け焼き刃の覚え書き

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「悪魔のミカタ666(6) ノットB」 うえお久光

2009-02-13 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「自分自身を試せること……そして勝つこと……この快感は、何物にも、代えられない」

 子供の時間は終わった。
 法王庁から世界各国の諜報機関まで、今まで静観していた、世界滅亡の鍵を握る666番目の知恵の実<It>をめぐる争いへ、大人たちの裏の世界が介入すべく動き出す。
 その頃、内閣情報調査室別室は、堂島コウの分身として生まれたノットB、ノビ・コーヘイとの接触に成功していた。
 だが、葉切洋平が生み出したノビ・コーヘイもまた独自に仲間を集め、反撃の準備を整えていた。
「いらない犠牲はいらない。みんなで幸せになろう」

 広げるだけ広げた伏線を一斉に畳んでいく666シリーズもターニングポイント。今回はノビ・コーヘイをめぐる物語。
 ある意味、何も成し遂げられないまま、今ここで人生が終わっても文句を言う筋合いはないというような堂島コウの状況に対して、ノビは……ノビ……十分幸せのような気がするけれど……なあ。これは、再び堂島コウ視点に戻らないとなんともいえないけれど、権力も財力もない。あるのは仲間だけの徒手空拳の戦いという、ある意味、正統派主人公路線を突っ走っています。
 そもそも、自分自身の存在が認めてもらえない、器も中身も誰かに造られたというのは、きついわなあ。刊行ペースが落ちてきているだけに、今後の展開にしばらくやきもきさせられそうです。

【悪魔のミカタ666】【ノットB】【うえお久光】【20歳】【神】【悪魔】
コメント
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