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付け焼き刃の覚え書き

 開設してからちょうど20年。はてなにお引っ越しです。https://postalmanase.hateblo.jp/

「シフト~世界はクリアを待っている」 うえお久光

2008-08-06 | VRMMO・ゲーム世界
 睡眠中にシフトする中高生は少なくないらしい。
 一口で言ってしまえばオンラインRPGのような世界。睡眠中にのみアクセスでき、そこで冒険し、稼ぎ、レベルアップしていくことができる世界が存在するのだ。
 その世界へ移行する「シフト」の最中に聞こえる『世界はクリアを待っている』という言葉。何がクリアなのか、何がクリアの条件なのか、判らないまま異世界での日々は続く。
 なんでもできる夢の世界。そこでは、なにをするもしないも本人次第だ。
 平和な村を作り、さまざまなアイテムを作って生活していこうとする者もいれば、殺人、暴行、掠奪と欲望の赴くままに暴れる者もいる。そこで死んだ者は、その世界での記憶を失い。二度とアクセスできなくなるだけだ……。
 だが、逆に現実世界での名前や顔を知られる危険性もある。この世界では無敵の戦士や魔法使いであっても、現実世界ではありきたりな少年少女。ナイフで後ろから刺されてしまえば、おしまいだ。
 そんな世界に、ラケルというトカゲ男がいた。
 大半は人の姿でシフトしてくるのだが、ごく希に異形の怪物としてエントリーされる者がいる。そういうモノたちは、退治されるべき怪物と扱われてしまうのだが……。

 うえお久光のファンタジー。現実世界の主人公が物語や伝説の世界に転移してしまうというのは、ファンタジーの定番パターンの1つであるし、「見た目が恐ろしいから中身に関係なく敵扱いされる異種族」というのも物語の定番だけれど、「目的のためには手段を選ばないけれど、手段を選ばないために自分自身が傷つく」キャラを持ってくるあたりが、うえお久光らしいですね。

【シフト~世界はクリアを待っている】【魔王】
コメント
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