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付け焼き刃の覚え書き

 開設してからちょうど20年。はてなにお引っ越しです。https://postalmanase.hateblo.jp/

「螺旋の国の3ドリル」 富永浩史

2008-02-07 | 異世界結合・ゲート・ゾーン
「ドリルがオレたちを呼んでるんだ」
 最後の決戦に臨む宮寺轟の言葉。

 完成間近の都心地下鉄工事に謎のドリル怪獣が出現。シールドマシン見学会に参加していた高校生たちが巻き込まれてしまう。
 3人の少年少女、轟、竜一、翠の目が覚めた場所。それはいずことも知れない白濁した大海のほとり。見知らぬ不思議な世界だった。そして怪人怪獣の襲撃。そこで彼らは気がついた。この世界では螺旋の力が異常なまでに強化されるということを。
 マスケット銃の弾などはじき返してしまう怪物の装甲も、ライフリングを施した小銃弾なら吹き飛ばしてしまう。誰かを殴るときにも拳に回転を付ければ驚異的な威力を発揮する。
 そして地上では非力なオタク趣味の少年たちは、自分たちがこの世界で通用する武器を持っていることに気がついた! モデラー必携の3ミリ径ピンバイスが、使い方次第で最強兵器となるのだ……。

 こういうバカ話は好き。1つ基本に大嘘こいて、あとはひたすら大嘘に整合性を持たせるためにストーリーや世界構築していく話ね。
 とにかくドリルが強い世界。理由は不明っ! 怪獣怪人はどいつもこいつも螺旋状で円錐形でもって回転している。とにかく螺旋が回転しているとパワーが出る。
 で、0.01のスケール狂いも許さず、見えない部分の設計や背景まで考慮してきっちり作品を仕上げる海城竜一。設定なんか無視してでも迫力ある作品をめざす宮寺轟。この2人のモデラーがピンバイスを携帯しているのは良いとして、3人目のゴスロリ少女がなぜドリルなのか?(ヒント:松平瞳子) なんか、このノリが好き。それぞれの個性がぶつかり合い、失敗しつつも、最後には合作していくところが。
 これ1冊で終わりと言えば終わりだけれど、伏線も張りっぱなしなのでまだまだ続く気もするし、なんにせよ荒削りではあるけれど楽しみであります。

【螺旋の国】【ドリル】【ペルシダー】【造型師】【ナチス】
コメント
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