「君達、完全にやらかしちゃってます!」
想定外だと少年神は怒り、システム修正やルール変更しつつも、やっちまったことはやっちまったものとして報酬は手渡してくれる。
神が創りし迷宮のある世界において、16才になった孤児は3年間の迷宮攻略に挑む義務があるが、戻ってくる者は多くない。
「孤児の義務」のため迷宮へと向かった狩人の少年シュンがそこで出会ったのは、迷宮攻略のために異世界から召喚された同じ世代の少年少女だった……。
現地人の狩人の少年シュンが、現代日本から召喚された双子の少女ユアとユナとパーティを組んで迷宮を攻略する、銃と魔法の冒険譚。チートな能力も与えられず、狩られる一方のはずの現地人の少年が、ストイックを通り越して廃人プレイな狩りっぷりで神までもが驚愕する攻略を見せていきます。いわゆる「この人、おかしいよ!?」な話。
SNSでコミック版の広告を見て面白そうと読んだら実際に面白く、コミックを購入したら続きが気になってウェブ版の原作を読み、完結まで読んで満足したので書籍版も購入。「マリーのアトリエ」や「暴れん坊プリンセス」などのゲームでお馴染みの桜瀬琥姫のイラストも巧くて満足。
神々の戯れで迷宮が創られ、そこを攻略するためにゲーム好きの神が現代日本からクラスごと異世界召喚して無理矢理に放り込み、そんな中で仲間はずれになってしまった双子の少女が現地生まれの少年と協力して生き残るべく足掻いていく……という大筋は王道の鉄板。それ自体では目新しい部分はないのだけれど、そこを魅力的なキャラクターと緩急ついた波瀾万丈のストーリー展開と設定の妙でまったく新しい物語として構築されているので最後まで飽きさせません……というか、中盤以降の波瀾万丈っぷりは前代未聞かも。
気まぐれで残酷、召喚した異邦人や現地人が死んでいくのを楽しそうに見ている神様ですが、自らの決めたルールには厳格なあたりが面白さのポイント。「それはないなー」「パッチあてて修正しとこ」みたいな文句を言いつつ、ちゃんとルールに則った攻略にはルール通りの報酬を(頭を抱えながらも)きちんと与え、それによってゲームバランスが狂ってさらに頭を抱えるのがお約束となっていきます。
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カクヨム】