新浪微博のフォロワーである湖南省の大学生(日本語学科)からの相談。夏目漱石が「坊ちゃん」を通して批判したかったものは何かをテーマに卒論を書くにあたり、資料を探しているという。中国語版になっている夏目作品は読んでいるが、日本語版は未読。地方の無名大学の日本語学科にも、夏目作品について指導できる人材がいるのだろうか。小生がコメントしたのは、これが書かれた日本の1900年代(日清・日露両戦争の間)について理解しなくてはならないから、最低でも、日本の高校歴史教科書を理解しておきなさい、というものだ。尖閣の領有権論争の原点に触れることにもなるのだが、この時代の評価については、当然両国で大きく見解が分かれるところであろう。このような教材設定をしている現場の教育機関の勇気に敬意を表すると同時に、このような人材がきちんと日本を理解できる人材に成長して欲しいと願う。小生は中国史ヲタクになりかけているが、あちらの歴史書をバリバリ読みこなしているわけではない。あちらの映画や歴史ドラマ(描き方は偏っているかもしれない)を趣味で鑑賞しているに過ぎない。しかし当時の習俗や時代背景を、世界史で学んだ知見と照合していくだけでも、さまざまな考察が容易になるだろう。「坊ちゃん」は何回か映像化されているので、ぜひそれを見てほしい、と付け加えた。
同時代ものでは「坂の上の雲」のほうが入手しやすいかもしれません。舞台も愛媛。
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