カンボジアだより シーライツ

国際子ども権利センターのカンボジアプロジェクト・スタッフによるカンボジアの子どもとプロジェクトについてのお便り

AFESIP保育サービス続報<センターの雰囲気まで変える子どもたち>

2006年07月17日 19時44分22秒 | 人身売買・性的虐待 被害者支援

みなさんこんにちは、平野です。前回は家族の理解とサポートで精力的に活動するSBPNメンバーのことをご紹介しました。今回は逆に、子どもの存在に励まされてAFESIPのシェルターでの職業訓練をがんばっている女性たちをご紹介します。それは、国際子ども権利センターが支援するAFESIPのトムディセンターの「保育サービス」を利用している女性と少女たちです。以前のAFESIPシェルターに関する投稿の続編となります。過去の投稿は↓

http://blog.goo.ne.jp/jicrc/e/bc665f10a3f7551fca6c2d2aa5c467b3  

【サービスを受ける親子が大幅増】

この保育サービスは、AFESIPの要請を受けて国際子ども権利センターが支援を決め、2005年9月から始まったものです。その目的は、人身売買や性的搾取の被害者、あるいはさまざまな理由から性産業に入ることになった少女や女性たちの中で、できたらAFESIPのシェルターに入って職業訓練を受けて新しい人生を歩みたいと思っているにもかかわらず、子どもがいるためにその決心がつかない人たち、あるいは決断して子どもをどこかに預けてセンターに入ったが、やはり続けられない/られそうにない人たちを支援することにあります。

昨年10月にお伝えしたときはまだ開始から日が浅く、2人の子どもとそのお母さんがこのサービスを受けていましたが、その後人数が増え、3月末に国際子ども権利センターの2005年度スタディーツアーの一行が訪問した際には、8人の女性と8人の子どもたちがこの保育サービスを受けていました。女性たちの出身は6州に渡り、トムディセンターに来ることになった背景も、レイプや人身売買の被害者であったり、自分で性産業に入ったけれども辞めた人であったりと様々ですが、ここで子どもとともに新しい生活に向けて日々職業訓練に取り組んでいることは一緒です。

【すくすくと育つ子どもたち】

子どもたちのセンター入所時の年齢は9ヶ月から6歳までいますが、一番多いのは2,3歳の幼児です。AFESIPの報告書によると、センター到着時は子どもたちの「多くは顔色が悪く、体重不足で、皮膚は湿疹を患っており、飢えた印象を与える」といいます。しかしこの保育サービスでは子どもたちに

 到着時と年2回の健康診断、そして要請に応じた健康相談
 政府認可の公立病院との協力による予防接種
 日に4度の栄養補給と2回の間食
 母乳の補完、あるいは代わりとしての1歳以上の子どもへのミルクの供与
 毎月の成長チェック

といったケアを施しているため、子どもたちはすぐに健康になり、元気に遊ぶようになるということです。また、クメール文字を習うなどの幼児教育も受けています。子どもたちの存在は、母親たちだけでなくセンターで暮らす女性や少女たちみんなの喜びになっており、子どもたちの誰かが病気になるとセンターの誰もが心配するということです。次回は今回に続き、このサービスの効果を検証したいと思います。

母親たちのがんばりと子どもたちの成長を支えるこのサービスは、みなさんの支援によって成り立っています↓

http://jicrc.org/pc/member/index.html