カンボジアだより シーライツ

国際子ども権利センターのカンボジアプロジェクト・スタッフによるカンボジアの子どもとプロジェクトについてのお便り

SBPNメンバーにインタビュー

2006年07月10日 11時46分19秒 | 人身売買防止プロジェクト(意識啓発)

みなさんこんにちは、平野です。過去4回にわたり、国際子ども権利センターのパートナー団体CRFが支援する子ども若者クラブの活動をご紹介しました。今回は以前からご紹介している別のパートナー団体HCCによるSBPN(School Based Prevention Network=学校ベースの人身売買防止ネットワーク)についてですが、活動については過去だいぶご紹介しているので、もう少し個人に焦点をあてて、どのような子どもたちがどのような想いでSBPNに取り組んでいるのかお伝えしたいと思います。

SBPNについての過去の投稿
http://blog.goo.ne.jp/jicrc/e/9643d76b1316410764955c0f3d259f88  

【活動を続ける上での問題】

14あるSBPNの中でも、コムチャイミア高校のSBPNメンバーの積極的な活動ぶりは非常に印象的で、また男女ともに“さすが高校生”と思わせてくれるしっかりした子どもたちが揃っています。今回はその中でもロールプレイで周囲の反対や中傷を受けながらもセックスワーカーの役を演じてくれた少女2人(クンティアとソフィー:ともに仮名)の話を聞きたいと思います。ロールプレイ撮影時の経緯についてはこちらを参照↓
http://blog.goo.ne.jp/jicrc/e/773a831fb3be7ea04f8fa713b3eb304c

クンティア「ネットワークの活動をしていると、嫌がらせを受けることがあります。そんなことしても意味がない、人身売買などない、といったことを言われるのです」
ソフィー「ロールプレイでセックスワーカーの役を演じた翌朝、学校に行くときに“セクシーガール”とか、“売女”といったひどいことをみなの前で言われました。先生に訴えてからかった子に謝らせましたが、すごくショックで泣きました。でもSBPNを辞めようとは思いませんでした

【それでもくじけない想い】

クンティア「ロールプレイの撮影は、お母さんが反対したので参加は難しいと感じていました。でも、人の意見によって自分の意見を変える人がばかり増えては社会は良くならないと思いました。自分の意見が正しい意見で、人身売買の防止に貢献できるのであれば、と思って参加を決心しました」
ソフィー「自分がぜひ協力したいと思ったので参加しました。ロールプレイによって人身売買の手口を明確にできると思ったのです」
クンティア「そういう強い気持ちになったのは、自分の村から中国(平野註:台湾かと思われます)への偽装結婚の例があったからです。成功して豊かになった例があったので、ドンドン出したのですが、行方不明になった人もいるのです。村の人たちはリスクを知っていますが、親を助けるために娘がなにかするのは当然と思っていて、送り出すのです」
ソフィー「親には反対されましたが、人身売買の被害から村を守るためのものなのだ、と一生懸命説明したので、わかってくれました」

SBPNのメンバーたちが想像以上に問題意識が高く、強い気持ちで活動に取り組んでくれていることがお分かりいただけたでしょうか。次回は子どもたちの活動を親はどう見ているのか、ソフィーのお母さんに聞いたお話をご紹介しようと思います。

※写真はコムチャイミア高校のSBPNメンバーです。

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http://jicrc.org/pc/member/index.html