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日本史研究会・歴史学研究会編集の 第1次『日本歴史講座』1956-57 その2

2014年05月02日 | 文献 岩波講座 日本歴史

岩波講座 の日本歴史 戦後第4次刊行が昨年暮れから始まったのだが、日本史の講座ものは、戦後いくつかの出版社から出ている。岩波の講座 日本史を予約して購読するのを契機に、戦後の講座ものの日本史をたどりながら、日本の戦後の史学史の潮流を自分なりに展望してみたいと思うようになった。今回は日本史研究会・歴史学研究会編の第1次 『日本歴史講座』 全8巻 1956ー1957 東京大学出版会 から その2

 

 

 ▲戦後第1期歴史学研究会・日本史研究会編集新書版サイズ 『日本歴史講座』1956-1957 東京大学出版会

今回はその2

さすがに独立間もない時期の講座ものの日本史なので、どこも揃いで見つかる古書店はなく、ぽつりぽつりと出てくる。前回(2014年4月4日付ブログ)で、1・6・7・8巻の執筆者・目次・論文構成などを紹介したのだが、2回目は2巻古代ー中世、5巻近代の展開の紹介。あと3巻・4巻は探索中だが、「日本の古本屋」「スーパー源氏」で探してもヒットしない。気長に探すことにする。岩波書店で現在刊行中の『岩波講座 日本歴史』が完成する2年後までには、探してみたい。

岩波書店の4次にわたる『日本歴史』と、歴史学研究会・日本史研究会編『講座日本史』も戦後4回にわたって時代別の論集を出しているので、大凡戦後10年刻みで、東京大学出版会と岩波書店で日本史の講座を発行していることになる。ここに執筆している面々は、単著はもちろん、著作集も刊行している碩学も多い。東京大学出版会はおおよそ10巻構成、岩波講座は22-26巻構成くらいで、この2講座を合わせると巻数にして140巻、執筆者数は一巻あたり8~11人位、140巻×10人とすると1400くらいの論者・執筆数となる。頁数は1巻あたり300頁として300頁×140巻で42000頁となる。岩波講座・東大出版会の共通執筆者も多いので、執筆者は少なくなくなるが、1000人程度の執筆者が予想される。岩波書店の4次講座の進行にあわせ、これらの4次の講座の概観を整理することで、年代別の執筆者の動向や、用語、イデオロギーの嗜好、歴史意識、歴史学の解釈・方法などは自ずと見えてくるはず。

 

  ▲ 歴史学研究会・日本史研究会編 『日本歴史講座』 2巻 古代ー中世 東京大学出版会 1956ー1957 初版当時定価200円 1969年第14刷 320円

 

  ▲ 『日本歴史講座』 2巻 古代ー中世  目次執筆者

 

 

 

 

 ▲『日本歴史講座』 5巻  近代の展開 1957年初版 東京大学出版会 初版当時定価200円1963年第8刷

 

 

 ▲『日本歴史講座』 5巻  近代の展開 1957年東京大学出版会 目次・論文名 執筆者

 

 

 

 ▲『日本歴史講座』 5巻  近代の展開 1957年東京大学出版会  執筆者肩書 奥付

国立国会図書館では、戦前のものは50年以上経過したものは大分デジタル化され、閲覧・ダウンロードできるようになっているのだが、戦後初期のものも50年以上経過していて、デジタル化されていないにしても、著名な歴史講座は、現物の書籍で保存されていると思っていたのだが。全部揃っているわけではないようだ。あらためて国立国会図書館サーチで、東京大学出版会刊行の第1次の『日本歴史講座』を探したが、講座のすべての巻はヒットしなかった。やはり古書店で丹念に探すしかないようだ。

「日本の古本屋」 「紫式部」で古書の探索をすると、、元気で執筆していた研究者と思っていた人が所有していた書き込みのある書籍や、雑誌が時折見つかる。戦後ももうすぐ70年になろうとしているのだから、不思議はないのだが。「人の人生の長さは、何かを考えるのには短かすぎる」ということばが、じわじわとわたしの心の中に居場所をみつけたようだ。

 

続く

 



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