このところ風があったりするがとてもいい天気が続いている、冬らしいといえばそうなのかな...
きのうに引き続きPentax M42 Super-Takumar 55mm F1.8での高速シャッター関連の話題である。
こういう癖のある(開放でのサークル・ゴーストやフレアのこと)レンズを楽しむ上で何も変わらない普段の設定で楽しむという手ももちろんある、でもせっかくのデジタルカメラなんですからその機能を使って楽しんじゃってもいいんじゃないでしょうかねえ(笑)。
ここまでの話をまとめると...
1. ホワイトバランス
アトムレンズゆえの黄色くなったガラスのため太陽光などK(ケルビン)値を固定で使っていると色の偏りが目立ちナチュラルへ戻すのが手間・・・そのままレンズの味として活かす場合はOKだが。オートホワイトバランス(α7IIIでは「ホワイト基準」)を使うことでかなり現像が効率化する。
2. 高速シャッター時の電子先幕シャター
このレンズの大きな特徴である「サークル・ゴーストや盛大に出るフレア」だけでなく、開放を楽しむ時の『ボケ』に欠けや明るさのムラを発生させてしまう高速シャッタースピード時の電子先幕シャターのデメリット。これは間違いなく発生したものを確認できたので、逆光など高速シャッタースピード時はOffにすることで回避できた。
(f/1.8, 1/8000, ISO100, -0.3EV, 電子先幕シャターOn:太陽でさえ右が若干欠けている)
3. マウントアダプター内部の艶消し未処理への対応策
このレンズだけの問題ではないが、マウントアダプターの使用におけるフレア対策としての艶消し処理、だいぶ対応している物が増えてきたが手持ちの未処理マウントアダプターへの対処としてアクリルガッシュの塗布による艶消し処理の実行。
| アクリルガッシュ塗布前はけっこうなフレアが見られましたが、艶消し処理後のマウントアダプター使用の画像がこちら。 以前同様のゴーストは見られますが、フレアはほぼ見られなくなりました。 6本光条がしっかりと確認できるようになりました... 大成功! |
ここまでやってくるとPentax M42 Super-Takumar 55mm F1.8というレンズを<ゴーストをも含め>写りの良いレンズとして楽しむことができるようになりました。
実際同じ(艶消し未処理の)マウントアダプターを使っていた先代のα7IIではサークル・ゴーストやフレアが出る開放での逆光という条件ではきれいにゴーストは出るもののジャストピントでも盛大なフレアによってコントラストが低くなってしまったり色味を失ってしまうことが多かった。
それに比べると今回の上の条件をクリアして撮ったものはある意味とてもスッキリした画像となっている・・・フレアを好むオールドレンズファンも多いと聞きますので、その点では逆行しているかも(笑)。私はあくまでこの<Super-Takmar 55mm F1.8>の素敵なサークル・ゴーストをより美しく楽しむためにと対処法を考えただけですので誤解のないように...。
その結果としての一枚です...
こんな楽しみ方のできるレンズってそうはないですよね・・・積極的にオリジナリティのある「サークル・ゴーストやボケ」にチャレンジしたくなるレンズだと思います。
α7IIIでこうした写りの改善を手間なく設定する(電子先幕シャターをOffにするなど)方法がもう一つありました。 それは<サイレントシャッター>です、初代 α7s に備えられた電子シャッター機能ですが、この機能を私はカスタムキー<C3>に登録して瞬時にサイレントシャッターに変更できるようにしました・・・これまったく振動も音もないので心配になりますが、ホント便利で効果あります。 |
前回と少しかぶりますが「ボケ欠け」の問題も含んでいますので電子先幕シャターOn・Off、そしてサイレントシャッターの3つの画像比較で確認してみましょう。 | ||
1. | 2. | |
3. | 1. 電子先幕シャター On 2. 電子先幕シャター Off 3. サイレントシャッター On (f/1.8, 1/8000, ISO100. -0.3EV:RAWにレンズプロファイルを当て明度を揃えただけ) 今回うまく小さな丸ボケが写っておりましたので1.の写真でボケ掛け(右半分)が、そして画像の左側が明るいというムラが(フレアではないような?)確認できます。 今回のこのテストで強く感じたのはマウントアダプターの艶消し作業後ほんとにフレアの出現が少ないこと、効果てきめんです。 Super-Takmarの美しいサークルをまんまきれいに楽しむことができるようになりました。 |
このように電子先幕シャターOffと同様な写りで問題なく使用できる機能であることが分かりましたのでサークル・ゴーストを楽しむシチュエーションでは積極的に利用していきたいと思います。
3.のサイレントシャッターの画像を最終的に仕上げたものがこちらです...
1日前のフレアが微塵も感じないくらいスッキリしてますよね、サークルの内・外の画像もとてもしっかりしてます。これできれいなサークル・ゴーストを楽しむことができます。
締めはこのレンズの美味しい表現を追求して、そして楽しんだ2枚の写真です...
1. <サザンカの白昼夢>
2. <植え込みイルミネーション>
こうしてまた一つお気に入りのレンズが使い勝手とともにワンランクアップしていきました。
このレンズの世界をもっと広げていきたいですね。
※ カメラ : α7III
レンズ : Pentax M42 Super-Takumar 55mm F1.8