with my Cobby

趣味の写真・カメラを中心にした雑記、愛犬Cobbyとの散歩撮を中心にオールドレンズ記事もプラスしてアップしています。

α7III、サイレントシャッターという手があった...

2019年01月13日 | 02. カメラライフ

このところ風があったりするがとてもいい天気が続いている、冬らしいといえばそうなのかな...

DSC00310_koeda.jpg

きのうに​引き続きPentax M42 Super-Takumar 55mm F1.8での高速シャッター関連の話題である。

こういう癖のある(開放でのサークル・ゴーストやフレアのこと)レンズを楽しむ上で何も変わらない普段の設定で楽しむという手ももちろんある、でもせっかくのデジタルカメラなんですからその機能を使って楽しんじゃってもいいんじゃないでしょうかねえ(笑)。

ここまでの話をまとめると...

1. ホワイトバランス

アトムレンズゆえの黄色くなったガラスのため太陽光などK(ケルビン)値を固定で使っていると色の偏りが目立ちナチュラルへ戻すのが手間・・・そのままレンズの味として活かす場合はOKだが。オートホワイトバランス(α7IIIでは「ホワイト基準」)を使うことでかなり現像が効率化する。

DSC00321_sazanka.jpg

2. 高速シャッター時の電子先幕シャター

このレンズの大きな特徴である「サークル・ゴーストや盛大に出るフレア」だけでなく、開放を楽しむ時の『ボケ』に欠けや明るさのムラを発生させてしまう高速シャッタースピード時の電子先幕シャターのデメリット。これは間違いなく発生したものを確認できたので、逆光など高速シャッタースピード時はOffにすることで回避できた。

DSC00318_nira_circle_on.jpg
(f/1.8, 1/8000, ISO100, -0.3EV, 電子先幕シャターOn:太陽でさえ右が若干欠けている)

3. マウントアダプター内部の艶消し未処理への対応策

このレンズだけの問題ではないが、マウントアダプターの使用におけるフレア対策としての艶消し処理、だいぶ対応している物が増えてきたが手持ちの未処理マウントアダプターへの対処としてアクリルガッシュの塗布による艶消し処理の実行。

DSC00342_no flare.jpg



アクリルガッシュ塗布前はけっこうなフレアが見られましたが、艶消し処理後のマウントアダプター使用の画像がこちら。

以前同様のゴーストは見られますが、フレアはほぼ見られなくなりました。

6本光条がしっかりと確認できるようになりました...

大成功!

ここまでやってくるとPentax M42 Super-Takumar 55mm F1.8というレンズを<ゴーストをも含め>写りの良いレンズとして楽しむことができるようになりました。

実際同じ(艶消し未処理の)マウントアダプターを使っていた先代のα7IIではサークル・ゴーストやフレアが出る開放での逆光という条件ではきれいにゴーストは出るもののジャストピントでも盛大なフレアによってコントラストが低くなってしまったり色味を失ってしまうことが多かった。

それに比べると今回の上の条件をクリアして撮ったものはある意味とてもスッキリした画像となっている・・・フレアを好むオールドレンズファンも多いと聞きますので、その点では逆行しているかも(笑)。私はあくまでこの<Super-Takmar 55mm F1.8>の素敵なサークル・ゴーストをより美しく楽しむためにと対処法を考えただけですので誤解のないように...。

その結果としての一枚です...

DSC00364_nira_circle.jpg

こんな楽しみ方のできるレンズってそうはないですよね・・・積極的にオリジナリティのある「サークル・ゴーストやボケ」にチャレンジしたくなるレンズだと思います。

​α7IIIで​​こうした写りの改善を手間なく設定する(電子先幕シャターをOffにするなど)方法がもう一つありました。

それは<サイレントシャッター>です、初代 α7s に備えられた電子シャッター機能ですが、この機能を私はカスタムキー<C3>に登録して瞬時にサイレントシャッターに変更できるようにしました・・・これまったく振動も音もないので心配になりますが、ホント便利で効果あります。

前回​と少しかぶりま​すが「ボケ欠け」の問題も含んでいますので電子先幕シャターOn・Off、そしてサイレントシャッターの3つの画像比較で確認してみましょう。​

1.
DSC00367_circle_on.jpg
2.
DSC00368_circle_off.jpg

​​​3.

DSC00369_circle_silent.jpg 


​1. 電子先幕シャ​ター On

2. 電子先幕シャター Off

3. サイレントシャッター On

(f/1.8, 1/8000, ISO100. -0.3EV:RAWにレンズプロファイルを当て明度を揃えただけ)

今回うまく小さな丸ボケが写っておりましたので1.の写真でボケ掛け(右半分)が、そして画像の左側が明るいというムラが(フレアではないような?)確認できます。

今回のこのテストで強く感じたのはマウントアダプターの艶消し作業後ほんとにフレアの出現が少ないこと、効果てきめんです。

Super-Takmarの美しいサークルをまんまきれいに楽しむことができるようになりました。

​このように電子先幕シャターOffと同様な写りで問題なく使用できる機能であることが分かりましたのでサークル・ゴーストを楽しむシチュエーションでは積極的に利用していきたいと思います。

3.のサイレントシャッターの画像を最終的に仕上げたものがこちらです...

DSC00369_circle_silent_edit.jpg

1日前のフレアが微塵も感じないくらいスッキリしてますよね、サークルの内・外の画像もとてもしっかりしてます。これできれいなサークル・ゴーストを楽しむことができます。

締めはこのレンズの美味しい表現を追求して、そして楽しんだ2枚の写真です...

1. <サザンカの白昼夢>

DSC00325_sazanka.jpg

2. <植え込みイルミネーション>

DSC00335_uekomi_ilumi.jpg

こうしてまた一つお気に入りのレンズが使い勝手とともにワンランクアップしていきました。

このレンズの世界をもっと広げていきたいですね。


 ※ カメラ : α7III

   レンズ : Pentax M42 Super-Takumar 55mm F1.8



「電子先幕シャッターOff」は有効だった?...

2019年01月13日 | 02. カメラライフ

​先日から使っているPentax M42 Super-Takmar 55mm F1.8だが、α7IIIでもその個性・性能を発揮させるべく今回はホワイトバランスと電子先幕シャッターについてテストしながら良い方向性を探ってみました。

まずすぐ解決した問題としてはホワイトバランスですね、これは先代α7IIの時もあのレンズの黄色を鑑みてオートホワイトバランスの設定で使っていたんですね、それ故α7IIIでは「標準」「雰囲気重視」そして「ホワイト基準」と3種ある設定のうち「ホワイト基準」を使って撮影しました。

結果はもうLR(Lightroom)で現像していてもサクサクです、とても素直な写りとなり調整の手間がずいぶんと省けました。

残るは「電子先幕シャッター」ですね。

風は強かったのですが前日と同じようによく晴れて午後の(夕日など)光も十分ありましたのでさっそくテストです。

​​​​​ ​​電子先幕シャッター On

(f/1.8, 1/4000, ISO100, -0.7EV)

​​電子先幕シャッター Off

(f/1.8, 1/4000, ISO100, -0.7EV)

DSC00297_circle_sakimaku_on.jpgDSC00298_circle_sakimaku_off.jpg

​ ​​レンズを向けた角度が微妙に違いサークル・ゴーストの出方が違っていますが、絞り優先で露出値は全く変わってません。左のOnの方はサークルを取り巻くフレアが目立ちますが、右のOffの方は気になるようなフレアが見られません・・・その分いくつか見えるサークルの形状が気持ちスッキリ・はっきりと見えます、フレアのない分いくらか暗くも感じますね・・・加えてピント面のフェンスの支柱から手前にかけてが左の画像よりクリアに見て取れますね。
(上の画像ではわかりにくかもです、ぜひ拡大してみてください)

​やはりレンズによって出現するフレアは多少なりとも被写体のコントラストを下げたりいたずらをするんですね、このテストによって、取説にあるように高速シャッターの場合に電子先幕シャッターをOnにしていると明るさにむらが出ることがあるということが証明されたようですね・・・ただしこのSuper-Takmarは開放でゴーストを出す撮り方をしているのであくまでそれに付随して出てくるフレアについてだということを断っておきます。

※純粋に「明るさにムラ」ということでは逆光に強いplanar T*1.4/50 ZFなどでテストしてみないとです。また高速シャッター時のOnの弊害としては『ボケの欠け及び明るさのムラ』という大きな問題があるそうです、実際後半に出てくるCobbyの写真にその症状が出てますので...お楽しみに(笑)。これからは(今回もほとんど逆光時はOffにしていますが)シチュエーションによって気をつけないといけませんね。

まずは色の違いがはっきり出た氷川神社の画像です...

DSC00238_hikawa temple.jpg

こうしてみると自然ですよね、前回のようにオレンジっぽい色の処理に苦労することは全然ありませんでした。

そして氷川神社のにゃんこです、これも非常にクリアに写っており、手の入れようがないくらいでした。まさにSuper-Takmarの写りの良さを示しているのではないでしょうか。

DSC00243_temple cat.jpg

ただし露出で気になることが...これ例の雲居の瀧ですがExifを見ると<1/60, ISO100, -0.7EV>で絞りはf/2.8だったと思います。陽の当たる右側と手すりが白飛びしているんです。手すりなどはほぼ中央です、それを考えて露出補正しているんですがあまりこうした白飛びを起こしたことがなかったんですよねえ・・・まあ私が明るいスポットでAELockをかけてなかったのが悪かったのですが・・・少々気になるところです。

DSC00244_unkyonotaki.jpg

そしてこのレンズの絞り羽根が6枚だったのを今回はじめて知りました^^;)。逆光ではゴーストが出やすいなあとは承知だったんですが、ご覧のように太陽から出ている光条が6本なんですよね・・・これは嬉しいですね。ただ惜しむらくは逆光に弱いこと、ゴーストやフレアで汚されて美しい6本光条が引き立ちません...残念。

DSC00246_unkyonotaki_striation.jpg

青空とサザンカですが、いたってスッキリとした画になってます。

DSC00251_sazanka.jpg

開放で撮っても気持ち良い色合いになってます、とても柔らかで品があるのではと思います。

DSC00253_sazanka.jpg

そしていよいよサークル・ゴーストの出来栄えを見ていただきましょう...

まずは先日もアップしたニラです、やはりサークル・ゴーストはこうしたタテ構図がぴったりきますね。今回特に一箇所にまとまったニラをピックアップして配置しましたので画面のバランスがとても良いように思います。

DSC00234_nira_circle.jpg 

そしてCobbyです...

キラリ☆ふじみのベンチに乗っけてとったんですが、なにせ風が強く正面から受けているCobbyの顔がちょっとキツネのお面のようになっているはご愛嬌です(笑)。

DSC00274_cobby_circle.jpg
(f/1.8, 1/5000, ISO100, -1EV)

ここで先程の話題に出た高速シャッター時の電子先幕シャター問題が見られました。もう一枚のCobbyの同時間に撮ったものです...

DSC00269_cobby_circle.jpg
(f/1.8, 1/6400, ISO100, -1EV)

こちらのほうが実際は目にピントがしっかり来ていたんですが、サークルの完全さとバランスで先の写真を選びました。問題はこの写真のCobbyの後ろの建物のガラスなどにいつくも見える丸いボケですね。よく見るとすべて右半分ほど欠けているんです、ファインダーでは真円だったサークルの右側が欠けているのも、この時電子先幕シャターをOffにするのを忘れていたのが原因なのかもしれません・・・はっきりと出ましたねえ。どうやらOnにしたときはf/1.8の開放時のシャッタースピードは1/5000が「セーフライン」のようです・・・覚えておきましょう。まあOffにすればよいだけなんですがね(笑)。

さてPentax M42 Super-Takumar 55mm F1.8がα7IIIでもその実力をいかんなく発揮してくれることが分かりホッとしましたので...この日のお気に入りを何枚かお披露目です。

風に揺れる枝先の葉がとても美しかったのでCobbyを長く横に侍らせて根気強く写し止めた一枚です^^。

DSC00287_eleven leaves.jpg

こちらはファインダー覗いていてもキラキラと素敵だった植え込みの草木です...逆光に葉が透けている様も素敵ですが、バックの草たちが受けた光を輝かせている様子がまるで植え込みが素敵なイルミネーションになっているようです。

DSC00257_uekomi_ilumi.jpg

とまあこの日は勉強になることがたくさんありました。スッキリついでにこのレンズに使用しているマウントアダプターの弱点も改善しようかと帰ってから手を入れました。

M42マウントは1本だけだし、以前使っていたフォクトレンダーのVM-E Close Focus Adaptor​を手放していたのでとても安いマウントアダプターを使ってたのがこれです...

​​1.
DSCN2169_N42.jpg
​2.
DSCN2175_N42.jpg
3.
DSCN2177_N42.jpg
4.​
DSCN2180_N42.jpg

​​​​今回のアダプタ​ーは NEEWER製です、なんと激安950円。さすがに溝切りはありますが、艶消し塗装は未処理でしたのでさっそくアクリルガッシュを持ち出して塗りに入りました^^。

1回経験し​​ているのでだいぶ要領はつかめています、がこのアダプター中央部がかなり窪んでいるため内部が塗りにくくてとても苦労しました。基本的にレンズ後玉以降の部位が艶消しされていれば問題はないのですが、どうせならと内部を全て塗っておきました。特に4.の写真で見られる一番奥(カメラ側に接続される部分)はこのあと2度塗りでしっかりと艶消しを徹底しておきました。

​​レンズねじ込み部分の縁にアクリルガッシュが付いてしまいましたので、レンズの付け外しで剥がれたカスがカメラ内部に落ちないようにこのあときれいに仕上げるのも忘れてはいけないですね。

​​​​
さてここまでこのレンズの良さが引き出せればこうしたアダプターにかけた手間がプラスに働いてくれると楽しさ倍増です・・・まあ精神衛生上良いだけかもしれませんが次の撮影がとてお楽しみになりますね。というかα7IIIでこれだけ実力を発揮してくれていますので3,400円のレンズとしては出来すぎの感があります。

・・・だから写真の腕前を上げる努力を惜しまなくなるんですね(笑)。


 ※ カメラ : α7III(マウントアダプターの写真はP7100)

   レンズ : Pentax M42 Super-Takumar 55mm F1.8​