自分の持っているレンズでいわゆる標準レンズといえばplanar T*1.4/50 ZFである、かつてはD700で使う標準レンズとしてAi AF 50mm F1.4D、AF-S 50mm F1.4GほかSigmaの(Artではない)50mmなど使ってきたがマニュアルレンズのplanar T*1.4/50 ZFが唯一残りました・・・なんといっても納得の写りですね。
ただここに来てAi Nikkorの28mm・(オールドの)35mm、Microの55mm・105mmなどを使ってきてそれぞれの素晴らしい描写を見てきて「これは標準の50mmも使ってみなくては...」という思いに駆られました。そしたらこれが予想通り中古市場にはタマ数が随分と多くて・・・とても安いものが手に入りました。
< Ai Nikkor 50mm F1.4S >
ほぼ新品のような状態で手に入れた28mmよりはヘリコイドの具合が軽く、オールドの35mmよりは重いくらいでした・・・まあ使い勝手は悪くないです。
そして肝心な写りですよね...
これがまあスタンダードという意味がわかるような写りなんですねえ、いつも50mmといえばZeiss使っていますので比べるのはかわいそうというものですね。けして悪くはないのですが、比較がplanar T*1.4/50 ZFになってしまうので仕方ないですね。Aiレンズを少しずつ揃えてみよかと思いだしたものですから、デファクトスタンダードの50mmを使ってないと話しにならないかなという思いでゲットしましたからねえ・・・。使った初日の感想としてはあのオールドレンズのNikkor-O・C Auto 35mm F2の方が面白みとかインパクトがありました。
見ていきましょうか・・・、撮影日は曇り空で午後から夕暮れ時にかけてです。
これは家を出てすぐのニャンコですが、端正な写りというかそこそこの空気感はあります。
同じニャンコでもこちらは例の氷川神社のニャンコです...
どうでしょう・・・こちらは結構雰囲気ありますよね。背景までの距離がそこそこあったのでそれなりに立体感が出ているせいもあるんですが、なんかボケが汚いわけではないのですがどことなくフィルムの粒状感を感じてしまうのは私だけでしょうか^^。
ちょっとした遠景ではとてもスッキリとした感じにもなります...
音楽堂キラリ☆ふじみなんですがまあそこそこ気持ち良い写りですよね・・・。
ただし上の横バージョンでは気にならないのですが、ここの水場を立て構図で撮ったものがちょっと「?」...
ここの水場の切れ込みがとても好きで色々なカットを試しているのですが、この写真の上部建物の「柱」がなんとも気持ち悪いですよね。糸巻き型の歪曲を感じてしまってなんともです...。これをLightroomで手を入れて修正したのがこちら...
少し上の方がカットされましたが随分と垂直部分が補正され気持ちよくなりました。なんでしょうねえ、横構図ではそれほど気にならないのですが・・・、これちょっと気になりますね、遠景でタテがこれだけ歪むと安心して使えなくなりますからねえ・・・様子見です^^;)。
あと開放での描写ですが、これは一長一短です。いわゆるグルグルボケっぽいのが見られます。
それほどはっきりではないのですが、感じられますよね。背景までの距離はちょっと気にしておかないとですね。
この状況でf/4まで3段絞ってみると...
もうとてもスッキリしちゃいますよね、f/2で撮った先のニャンコでもそれほど感じられなかったので1段絞れば気にならなくなりそうですが、まあ出ても上の写真(開放の方)程度ですからあの距離感を覚えておけばよいのかもです。
こちらの開放ではほとんど出ませんでしたから・・・、
まああまり明度の少ない土なので見えにくいだけかもしれませんが、大きくしてみても感じられませんのでそれほど気にする必要はないようです。ちなみに2段ほど絞ると...
背景が地味な土だけなので違いがわかりにくいですが、開放も使い方ではいい雰囲気が出そうです。
最短撮影距離の45cmの開放で撮ってみると...、
これですから背景を選ぶとそれなりに面白い画が出てきそうです...。
ただし被写体から少し距離をおいてなおかつ背景もある程度距離あある場合などplanar T*1.4/50 ZFでは開放でも驚くほどの立ち上がりというか立体感を見せてくれるのですが、このレンズは時代を感じるというか開放では少し描写が柔らかくなる傾向があり、開放より1~2段以上絞ったほうが被写体のシャープな写りで立体感は増す傾向がありそうです・・・上の最短での開放では結構シャープな写りなんですが浮き立つという感じかな(笑)。
「立体感」と「浮き立つ」は微妙に違いますね、こういう柔らかく浮き立つではポートレートなどには良いのかも...。
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(f/1.4, 1/500, ISO200) | (f/4, 1/80, ISO200) |
そして今回「タテ構図」のものと同様に一番気になったのがこれ、
ただでさえ曇りの状況でこの氷川神社横の「雲居の滝」のこんもりした林の中だったのでf/2で撮りましたが、こののっぺりとした写真はなんでしょう(笑)。遊歩道などとてもスッキリはっきりとシャープに出ているんですが、なんとも平坦な写真になってます・・・奥行き感がゼロ!、光が差していないどちらかというとフラットな状況なのが原因でしょうか。Ai Micro-Nikkor 105mm F2.8Sで開放で撮った時と同じになるアングルを探してみたんですが、あの時の感激を打ち消すような画が出ました(笑)。一番目立つ木にピントが行ってないのも悪いんですね・・・再度チャレンジしてみないといけませんね・・・反省です。
最後はやはり氷川神社のニャンコで締めましょうか...
この時はご近所の方でしょうかニャンコの餌などお世話してるタイミングだったのでなかなかいいアングルを選べなかったのですが、このあたりの絞りでもとても安定した写りです。
安定という意味ではこのレンズf/4~f/5.6あたりがシャキッとした今どきのレンズにも負けないシャープな写りを見せてくれ、開放からf/2.8くらいが被写体や背景までの距離と光の状態で様々な表情を出してくれて面白そうですね。
こうして1回試しただけでもレンズの違いというものがこれだけ現れるところがやはりとても面白く楽しくもあるんですねえ・・・だから昔のレンズはやめられませんね・・・また一つ楽しいレンズが増えました(笑)。
※ カメラ : D700
レンズ : Ai Nikkor 50mm F1.4S