分冊百科をいろいろ出している出版社「デアゴスティーニ」から『ジャズLPレコードコレクション』というシリーズが出されているが、つい最近その42号で『グリジッチ・ヴィレッジのアルバート・アイラー』が発売された。
まあなんとも懐かしいそして素敵なジャケットではありませんか、とはいえ私はこのアルバムをいまだ聞いたことがないのです。Jazzは好きで学生時代から聞いていましたが、コルトレーンやエリック・ドルフィーから派生してフリージャズも少しかじってはいました。そのフリージャズと言われる範疇の中でではやはりこのアルバート・アイラーの「spiritual unity」だけは聴いていたが、これは強烈だった。今でも時々この咆哮のようなサックスを聴きたくなり年に一回くらいはCDを持ち出すことはありますね。そんな中で上記のライブアルバムもジャケットの素晴らしさから気にはなっていたのですが、「spiritual~」が感全理解できていなかったこともあり購入するには至りませんでした(笑)。
そうした経緯の中このLPがけっこう店頭で購入されるのを見て俄然気になりだしてLPは聴くことができないのでAmazonで探してCDを購入して聴いてみました...
なにせこの人のアルバムに関しては聞く人によって評価はまちまち・・・フリージャズですからね^^。このアルバムを聴いてみると不思議に普通だった(もちろんあの咆哮は健在ですが)、不思議なことにこのアルバムを聴いたら私としたら「Spiritual Unity」のインパクトの方がとても強く、ドラムとベースのみというトリオ編成ということもあり聴き応えは「上」という評価になりそうである。まだそれほど聴き込んだわけではないので...ジワジワ来るかもしれませんが(笑)。
それよりこのアルバムを聞くことで「Spiritual Unity」の良さをより強く認識できたのがとても嬉しかった、やはり数を聴かないとだめですね、やっとアルバート・アイラーに開眼し始めたようです。
ピアノのバド・パウエルの時もそうだったのですが、彼の良さがなかなか理解できず・・・とにかく色々聴いてみました・・・ある休みの朝に寝ぼけ眼でかけた名盤と言われるVerveの「ジャズ・ジャイアント」でいきなり鳥肌と共に彼の良さを理解できた経緯があります。なんかそれと同じような気分でしたねえ。
こうなるとアルバート・アイラーの一音一音がスーッと心に入ってくるんですよね、若い頃だったら彼の他のアルバムを漁りだすところですが、この歳になるとさすがにそうはいかず当分このライブもどこが良いのかが分かるまでじっくり聴き続けてみようとなりますね(笑)。
そして急に気になりだしたのがアーチー・シェップである、同じフリージャズではけっこうお気に入りのプレーヤーでいくつかのアルバムを持っているんですが、一番のお気に入り「ザ・マジック・オブ・ジュジュ」が誰かに貸したまま行方不明になっていたんです。急に聞きたくなってきました、これは即ゲットしましたよ(笑)。
今は国内盤でもジャズCDは安く手に入るんですねえ、どちらも「Jazz百貨店シリーズ」とかで1,500円程度で手に入りました。
この「ザ・マジック・オブ・ジュジュ」、やはりいいですねえ!
彼の場合はあの吹き出し一発(一音)で心わしづかみにされましたからアイラーのように聞き込みは不要でした^^。特にこのアルバムのタイトルチューンは18分アフリカンビートのようなリズムに乗ってただただブローしまくりなんですが、これがグイグイ引き込まれるほど魅力的なんです。18分があっという間に終わってしまう感じで次曲の心地よいアンサンブルへ繋がるんですよね...やはり最高の一枚です。
このところ車ではアイラーとシェップのアルバムをiPodでガンガンかけまくりです(笑)。スイングジャズの軽快な乗りやモダンジャズの美しさとは随分とかけ離れているようですが、一度ハマってしまえば「非日常」の面白さみたいなもので予定調和のない気持ち良さとでも言えるような感じですね。
iPodのプレイリストに付けたタイトルが「Avantgarde」・・・いい響きですね、まさにひとつの芸術です。
なるべく音楽(のジャンル)には垣根を作らないできましたが、この歳になっても新たな発見や感動が得られるのですから音楽ってホント不思議ですよね。
珍しく音楽ネタでした...