恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

12/12(土)鈴本演芸場昼席(主任:古今亭文菊)

2020年12月12日 | 噺とか
久しぶりの鈴本演芸場のような気がします。
以前と違って席数は半分、最前列は着席禁止で、座席は左右を開けた市松配置。
座席での飲食は自由ながら、飲酒は禁止になっております。
飲酒が発覚した場合、即刻退場の文字もなかなか。
どこの寄席もあれこれと工夫を凝らしていますが、平常に戻るのは時間がかかりそう。
そんな状況の中で、今日の客席は50人以上は入っていたでしょうか。
なかなかの盛況だったといっていいように思います。

「小町」      松ぼっくり
「真田小僧」    志ん松
「ジャグリング」  ストレート松浦
「熊の皮」     志ん橋
「楽屋外伝」    馬風
-仲入り-
「漫才」      ホンキートンク
「ぐつぐつ」    小ゑん
「穴泥」      市馬
「奇術」      美智・美登
「壺算」      志ん陽
-仲入り-
「漫才」      にゃん子・金魚
「宗論」      菊丸
「茗荷宿」     白酒
「紙切り」     二楽 (はやぶさ2・誕生日・宝船)
「棒鱈」      文菊

トリの文菊師匠、ネタは「棒鱈」でした。
たしかに寄席の昼席では時間に限りがありますもんね。
先日、巣鴨で「芝浜」を聞いていたので、
こういう楽しい噺が出て個人的にはラッキーでした。
先日池袋で菊之丞師匠から「棒鱈」を聞いていますが、
趣が違ってとても楽しませていただきました。
どちらにもそれぞれの良さがあります。

全体としては客の入りもそれなりに多く、
通常の寄席の雰囲気を感じられるような、楽しい一日でした。
ただ、どうも困るのが客席のマナーというかなんというか。
ここのところどうも私が座る近隣の方のマナーに気が行ってしまい、
心底楽しめないというのがなんとも悲しいところ。
いや、携帯鳴らすとか食べる音がうるさいとかそういうことではなく。

私が気を取られてしまうのが・・・
・ネタが始まったとたんに一目散に演題をメモする
・サゲを言い終わるかどうかのタイミングでのフライング拍手
・独り言ぶつぶつ
・公演中のおしゃべり

ここ数回で必ずこういう人が近くにいて、そっちに気が行ってしまうという。
スタジオフォーしかり、池袋しかり、今日もしかり。
演題のメモは別に気にする必要もないのでしょうが、
演者と合わせてネタを口にしたり、「あー、このネタかー」などと口走ったり、
もう家でテレビを見ているんじゃないんだから、と。
前述のようにビニール袋ガサガサとか携帯鳴らしたりすることに比べれば大したことではないのですが、
そういうことをするのはあまり寄席に足を運ばない人がほとんどではないでしょうか。
それに対してここ数回私が出会っているのはおそらくは「演芸通」のような人々。
で、あればこそもう少し周囲への気遣いというのもあってしかるべきではないかなと。

正直、そんなこと気にしすぎることでもないし、神経質なんだろうと思います。
そんなに気になるんだったら客席も移動すればいいだけのことで。
でも、せっかく席を確保したのに、そういう人たちのせいで自分が移動するのも癪だったり。

とにもかくにも、せっかくのいい演芸が周囲の環境で台無しになったり、
気が散ってしまったりするのがなんとも残念であります。
もっとも、自分自身も知らず知らずのうちに周囲にストレスを与えているかもしれませんので。
寄席演芸を楽しむ仲間同士、自分が楽しむだけではなく、
周囲へのちょっとした心遣いを大切にしたいものです。

恐懼謹言。
コメント
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