恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

4/20(土)鈴本演芸場昼席(主任:柳家小ゑん)

2019年04月20日 | 噺とか
気が付けば平成も残りあと10日といったところ。
四月中席も本日が千穐楽です。
仕事が忙しくてまったく寄席にも足を運べずにいたところで、
鈴本では小ゑん師匠が昼のトリをとっているわけで。
夜席の一之輔師匠と迷いましたが、諸般の事情で昼席へ。
鈴本の昼席もやはり久しぶりといったところで。

与いち「子ほめ」
花 飛「豆屋」
ストレート松浦「ジャグリング」
左 龍「家見舞」
志ん輔「目薬」
のだゆき「音楽パフォーマンス」
天どん「手と足」
菊之丞「棒鱈」
小 猫「ものまね」
文 菊「湯屋番」
-仲入り-
正 楽「紙切り」(ルパン三世・鬼平犯科帳・新茶・チコちゃん)
圓太郎「祇園祭」
さん喬「長短」
ホームラン「漫才」
小ゑん「鉄寝床」

全体的に豪華なメンバーですよね。
あちこち代演になっているわけですが。
左龍師匠もその一人なのですが、この師匠も面白い。
寄席でたびたび見かける程度で、あまり意識してはいなかったのですが、
どの出番でもしっかりとした仕事をされますね。

志ん輔師匠は「目薬」。こういう軽い噺も、昼席ではいいもので。
この噺自体久しぶりに聞いたような気がしますが、
万人受けする鉄板ネタですよね。もちろん演者の腕にもよりますが。

シュールな天どん師匠、鈴本の昼席でも不思議な人気でした。
個人的に天どん師匠の雰囲気がとても好きなのですが、
万人受けするキャラではないので、イマイチな時も多々ありましたが、
今日はかなりのウケでした。いよいよ時代が来たのでしょうか。

菊之丞師匠はこの出番での「棒鱈」で、なんとも得した気分。
田舎侍のキャラが何とも言えず面白いですね。
菊之丞師匠がやるからこその可笑しさもあるように思いますが。

小猫さんのネタはところどころパワーアップしているところが見られました。
さすが花形演芸大賞を受賞しただけのことはありますね。
江戸家の伝統芸をしっかりと引き継いでいます。

圓太郎師匠の「祇園祭」も期待以上の出来で大満足。
この師匠の言い立てネタはすばらしいですね。

で、トリの小ゑん師匠は「鉄寝床」を口演。
正直なところ、この日の客席はあまり落語痛のお客さんはいなかったと思います。
古典をベースにした噺は、その元ネタを知っていてナンボなところがあると思うのですが、
先ほどの天どん師匠同様、この客席で受け入れられるのかなぁというという不安が。
もちろん、それを覚悟のうえで小ゑん師匠もこの噺をかけたのでしょうから、
私ごときが心配するほどのことでもないのですが。
3月末の会でこの噺を聞いていますが、出来としては同等かそれ以上で大満足。
鉄道ネタが好きな私や一部マニアには大ウケだと思いますが、
ピンとこなかった人はそれなりにいたのではないかなぁ。
それでも温かい雰囲気で16時30分の時間通りに終演。

平成が終わる前にもう一度ぐらいは寄席に足を運んでおきたいなぁ。

恐懼謹言。
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4/6(土)黒門亭 第3310回

2019年04月07日 | 噺とか
部屋の片づけを午前中にあれこれと済ませて黒門亭の2部へ。
本来ならば顔付けのいい池袋(昼:菊之丞、夜:喬太郎)へ行きたいところなのですが、
昼夜の通しでいる体力にも自信がなく、かつ、やることもたくさん。
そういうときは黒門亭を満喫するのが一番と判断したわけで。
開場前には1部のトリの花緑師匠が出てきてファンサービス。
んー、この辺のスター性はさすがといった感じか。

彦 星「牛ほめ」
三語楼「将棋の殿様」
小せん「ねずみ」
-仲入り-
仙 成「太神楽」
あお馬「三枚起請」

三語楼師匠は黒門亭でもたびたびお目にかかるような。
寄席でやるいつものマクラは省略して、
大師匠の小さん師匠と馬風師匠のエピソードを紹介。
平身低頭する馬風師匠の様子を思い描いただけでも面白いわけで。
で、本題は「将棋の殿様」。
あまり聞かない珍しい部類に入るのでしょうか。
わがまま放題の殿様とそれをたしなめる三太夫。
熱演の一席でした。

続いて小せん師匠は今日のトリのあお馬さんの師匠。
その辺のことにはあまり触れることなく本題へ。
この出番で「ねずみ」をかけるあたりがやはりさすがといったところでしょうか。
小せん師匠の飄々としながらも聞きごたえのあるあれこれ。
きちんと笑いの波をかぶせてくるあたりもこの師匠ならではでしょう。

仲入り後は仙成さんが一人で太神楽を披露。
いつもはもう少し距離のある高座で拝見するわけですが、
黒門亭ということもあってその距離たるや至近も至近。
途中、最前列に向かってもう少し後ろへ下がるようお願いするのも納得。
傘を回す風や、バチが飛んできそうな臨場感はさすが。
五階茶碗なんかも何度も見ているのに、あの距離で見ると迫力が違います。
んー、黒門亭での色物さん、侮るべからず。

トリのあお馬さんは、前座時代を除けばこれが初めての黒門亭の出番。しかもトリで。
二つ目さんがトリをとるのは黒門亭でたびたび見かけていますが、
そのプレッシャーはそれなりにあるのではないでしょうか。
どうなるのかなぁと思って聞いておりましたが、
滑舌も発声もよく、二つ目さんとは思えないぐらいの良い出来だったのでは、と思います。
花魁に翻弄される3人の男と、その怒りや悲哀。
男ってバカだなぁ、なんてことを思いながらも噺の世界に引き込まれました。

最近は新作に比重が傾いている私ではありますが、
改めて古典の世界をしっかりと味わうのもいいなぁと再認識しました。

恐懼謹言。
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