恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

6/20(土)第11回ふう丈・辰乃助の四千万歩@お江戸両国亭

2020年06月20日 | 噺とか
二週続けてのお江戸両国亭です。
先週は天どん師匠と龍玉師匠の二人会。
今日はふう丈さんと辰乃助さんの二人会になります。
2月に初めて参加して以来2度目の参加になります。
折からのコロナ騒動で開催も危ぶまれたそうですが、
20席に座席を減らし、検温とマスク、こまめな換気を行っての開催。
先週は50席程度あったお江戸両国亭も、椅子が少なくなっていました。
そのほうが客が多く入っているように感じられる、との話もありましたが。
開演前にはほぼ満席でスタート。

-オープニングトーク-
「茄子娘」 辰乃助
「青菜」  ふう丈
-仲入り-
「エアな芸術」    ふう丈
「リメンバーブラ坊」 辰乃助

それぞれ前半が古典、後半にネタおろしの新作という形でした。
辰乃助さんの「茄子娘」はコロナ期間中に師匠から教わったという噺。
たしかに扇辰師匠から一度聞いたことがあるように記憶しています。
笑いこそ多くないものの、しっかりと聞きこませるとともに、
下げでしっかりと落とすこの噺。
技量が必要だろうと思いますが、しっかりと聞きこませていただきました。

ふう丈さんの1席目は季節の噺ということで「青菜」。
この噺も夏ならではの噺でいろんな噺家さんから聞く機会が多いですね。
途中、ちょっとした言い間違えがあるものの、それも時節と絡めて笑いに。
定番の噺ながら、いつ聞いても楽しいもので。

仲入りに続いて再びふう丈さん。
自粛期間中の「アサダ3世」の裏話についてもあれこれと。
100日間連続でネタをやり続けるっていうのもさすがですね。
そもそも前座の時の余興でアサダ2世先生に似ていると言われたのが始まりだそうですが。
あらためてツイッターの動画を拝見してみようっと。
そんな芸は身を助ける、というところから本題へ。
エアピアノが得意な若者が繰り広げるドタバタ劇。
TMNやらGet Wildやら木根尚登やら、世代的にはドンピシャなネタ。
練りこまれるともっと面白くなりそうです。
エアピアノの描写のところで客席の携帯が鳴る鳴る。
んー、うまく笑いに変えていますがこういう時に残念。

トリは辰乃助さん。
先日廃業したという快楽亭ブラ坊さんのことをネタにした人情噺風のネタ。
っていうか、ブラ坊さんが廃業したというのは知らなかった。
実際に見たことはないのですが、ブラック師匠の会でしきりに話題になっていたので。
詳細はよくわかりませんが、いろいろあるんでしょう。
肝心のネタのほうは、フィクションといいつつもかなり真実に近いのかな?
女好きが災いして落語家を廃業してしまうブラ坊さんとそれを救う五反田の案内所の旦那。
「昇天亭ブラック」なる噺家がそれに救いの手を差し伸べて・・・という、
どこまでがネタでどこまでが真実なのかわからなくなるような落語でした。
まぁこういう芸の世界っていうのもいろんな人がいるんですよね。

次回の開催は8/30(日)とのことでした。
時間が合えば参加してみたいものです。
そのころにはコロナも終息しているといいなぁ。

恐懼謹言。
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6/13(土)第13回大師匠噺@お江戸両国亭

2020年06月13日 | 噺とか
まだまだコロナ騒動が冷めやらぬ東京。
新宿や浅草など寄席も再開されていますが、
個人の落語会などはまだまだ開催が厳しい状況にあります。
そんな中で、両国で開催された「大師匠噺」にいってきました。
案内のメールが来て早々に申し込んだのですが、あっという間に満席になったようで。
座席を間引いて50席限定とのことでした。
言われてみれば両隣との空間があったように思いますが、
何も言われなければいつもの両国亭のような。

「せんべい屋」  ごはんつぶ
「有名人の家」  天どん
「千両みかん」  龍玉
-仲入り-
「親子酒」    龍玉
「鰻の幇間」   天どん

前座にはごはんつぶさん。天どん師匠のお弟子さんですね。
師匠の機嫌もいいので、今日は新作をやります、とのこと。
財布を落とした若者がさっき訪れたせんべい屋に行き、
そこにいるおばあちゃんと繰り広げられるやりとりあれこれ。
後ほど師匠にばらされていますが、前回やったときから比較すると、
8割方話が変わっていたそうで。
前座さんの新作を聞く機会は少ないので細かいことはわかりませんが、
いろんな苦労があるんでしょうね。
まだまだ練られていくことで笑いの多い話になりそう。

天どん師匠もオンライン配信の落語会はあれこれやられているようですが、
客を前にして話すのは久しぶり、ということでいつものトーンに加えて、
心なしか饒舌なイメージがありました。
世間を騒がせる芸能人の話題からトイレの「多目的」な使い方まで。
話せば話すほど女性客は引いていきますが、これもまたいつも通り。
そんな芸能人の話題から「有名人の家」へ。
これも以前聞いたことがありますが、実際に聞けると嬉しい噺の一つ。
性格の違う若者二人が繰り広げるバタバタ、天どん師匠によくある展開ですが、
心地よく楽しませてもらえます。

龍玉師匠はネタ出しで「千両みかん」。
これも夏の噺ですね。比較的涼しい雨の中ではありますが、
蒸し暑さを感じるこれからの季節にはぴったりの話かもしれません。
この噺を聞くのは2度目になるかと思いますが、
サゲに至るまでの細かい描写が丁寧で面白いですね。
30分弱の熱演でしたが、聞きこんでしまいました。

仲入りをはさんで龍玉師匠の2席目は「親子酒」。
夏の噺で「夏泥」などをかけてくるかと思いましたが、以前にもやってますもんね。
酒好きで知られる師匠ですが、このコロナ自粛の期間もしっかりと飲んでいたんだとか。
そう簡単にやめられるもんじゃないですよね。
そんなマクラから「親子酒」へと入っていきます。
時間もあるのでたっぷりと。
こういうフルサイズのものを見ると、寄席でやる短縮版も見方が変わるような。

天どん師匠の2席目はネタ出しで「鰻の幇間」。
自粛期間中に幼馴染の「工場長」とファミスタに興じたり、
帰化中国人が営業するスナックでの話など、こちらもマクラたっぷり。
世の中にはいろんな人生を送っている人がいるものですね。
そんな中から幇間の話題へさらっと方向転換して本題へ。
天どん師匠の「鰻の幇間」は3度目ぐらいですかね。
印象的なのは独特のイントネーションをもつうなぎ屋の女中ですが、
これも聞くたびにアレンジが微妙に変わっていて飽きさせないですね。
後半部分の一八と女中のやり取りがいつもより熱量たっぷり。
楽しませていただきました。

こういうコンパクトな落語会も気軽に開催されるようになるといいですね。
6月下席の天どん師匠のトリが無事に口演されることも祈りつつ。

恐懼謹言。
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6/6(土)末廣亭昼席(主任:桂南喬)

2020年06月06日 | 噺とか
実に3か月ぶりの寄席になります。
3月に亀戸梅屋敷寄席に行って以来、生の演芸から離れておりました。
一之輔師匠や小ゑん師匠がオンラインで配信されたり、
テレビで放送される演芸番組を見てしのいでおりましたが、やっと。
6月1日から新宿と浅草で寄席が再開されましたが、
やはりコロナ対策でいずれも100人限定。
入り口では検温と消毒が行われるとともに、
座席も両隣を開けたり、最前列はあけたりするなどの対策が講じられるなど、
まだまだ通常営業からは程遠いと感じました。
さらに、末廣亭は1日のみ入れ替えなしでしたが、おそらく混乱が生じたのでしょう。
2日目以降は昼夜入れ替えとなりました。
本音を言えば喬太郎師匠にお会いもしたいのですが、
ここはいきなりフルスロットルにはせずに昼席のみで。

「子ほめ」  与いち
「宗論」   扇
「俗曲」   あずみ
「初音の鼓」 彦三
「浮世床」  白酒
「漫才」   ホームラン
「寄合酒」  文蔵
「お菊の皿」 正蔵
-仲入り-
「奇術」   夢葉
「宮戸川」  左橋
「ざるや」  鉄平
「紙切り」  正楽(ブルーインパルス・パンダ・ミッキーマウス・あじさい)
「棒鱈」   扇遊
-仲入り-
「夏泥」   一之輔
「漫才」   ロケット団
「紀州」   正朝
「漫談」   朝馬
「太神楽」  仙三郎社中
「風呂敷」  南喬

彦星改め彦三さんは5月下席より二つ目昇進。
とはいっても寄席の再開が6月ですから、実質は今席から。
穏やかな語り口ではありますが、今後の活躍に期待。

ホームラン先生も本当に久しぶり。
昨年来勘太郎先生が体調を崩されていたようですが、
高座が始まるといつも通りの漫才が始まって安心。いいですね。

白酒師匠の「浮世床」は本の部分ですが、聞いたのは初めてです。
それまで比較的おとなしかった客席はこのあたりから盛り上がっていきました。

正楽師匠は鋏試しで「相合傘」と「線香花火」の二枚。
寄席ではどちらか一枚が定番ですが、注文を取る際の飛沫を避ける工夫かな?とも思ったのですが、
その後出た注文はすべて切り抜かれました。正楽師匠のサービス精神に脱帽。

扇遊師匠の「棒鱈」も絶品でした。
ここでこの噺に出会えたのも何とも得した気分。

仲入り後の一之輔師匠からロケット団の流れも贅沢ですね。
しっかりと客席の心をつかんで後半戦の流れを作っていきます。

トリの南喬師匠、おそらくトリの芝居では初めてになります。
かけた演目は「風呂敷」で、これもあまり聞きなじみのない話ですが、
さすがベテランの技ともいうべきか、トリにふさわしいしっかりと聞かせて笑わせる噺。
最初は昼席だけで帰るのがなんとも残念な思いでいたのですが、
この南喬師匠の噺を聞き終えて今日はこれで満足、という気持ちになれました。

久しぶりの寄席、客席は満席の活気こそなかったものの、
程よい周囲との距離感がこれはこれで快適なのでありました。
なんというか、平日の夜にふらっと入った寄席というか、
なんとなく落ち着けるそんな空間でした。

6月下席の天どん師匠の芝居にもぜひとも足を運びたいものです。
久しぶりの末廣亭、大いに満足させていただきました。

恐懼謹言。
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