恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

10/29(月)末廣亭昼席仲入り~夜席

2018年10月29日 | 噺とか
久しぶりの月曜休みで、昼下がりから新宿末廣亭へ。
本来ならば昼席の浅い時間に出ている一之輔師匠や天どん師匠も見たかったのですが、
人間ドックを済ませてからという時間的な制約もあるので仕方なし。
昼・夜ともに平日ながらかなりの人出で驚きました。
夜の部は笑点の人気者である、たい平師匠がトリなのでわかりますが・・・
昼トリの円丈師匠の時は2階もあく盛況ぶりでした。

【昼の部】
美るく「紀州」
ホームラン「漫才」
小ゑん「吉田課長」
朝 馬「温泉芸者」
橘之助「浮世節」
円 丈「新寿限無」

【夜の部】
ぐんま「たらちね」
はな平「権兵衛狸」
一風千風「漫才」
菊太楼「まんじゅうこわい」
さん福「親子酒」
ダーク広和「奇術」
のん平「動物園」
歌る多「熊の皮」
正 楽「紙切り」(四畳半・ハロウィン・秋の七草・松茸狩り)
志ん輔「野ざらし」
南 喬「金明竹」
-仲入り-
なな子(不明、坂本龍馬の噺)
ぺ ー「漫談」
左 橋「長短」
鉄 平「代書屋」
あずみ「三味線漫談」
たい平「おかめ団子」

小ゑん師匠の「吉田課長」は久しぶりに聞きました。
小ゑん師匠のオジサンキャラの演じ方も好きだし、個性の強さもすごい。
周囲にいた一見さんと思しきお客さんも感心していました。
なにより、大人だけでなく子供にもウケる噺なんですね。

昼トリの円丈師匠は「新寿限無」でした。
たっぷりとマクラを振るので、どうなるかと思いましたが。
噺の構成や笑わせどころは完璧なのですが、
やはり終始台本に目が行く円丈師匠が気になってしまいました。
ふう丈さんの「ライザップ寿限無」もいいですが、こっちはこっちの味わいが。

はな平さんの「権兵衛狸」は九州弁バージョン。
さすが福岡出身ですね。強みを生かしております。

トリのたい平師匠は「おかめ団子」で初聴。
なんとなくしっとりとした人情噺でしょうか。
さすがの人気者だけあって、随所に入れるくすぐりはさすがですね。

気になるのは、演者の出るたびにデジカメで盗撮するお客がいたこと。
昼席のトリ前から来て桟敷でひたすら撮影する。
ぺーさんの時にはうっかりフラッシュたいてましたが、
どんなもんでしょうねぇ。

恐懼謹言。
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10/20(土)黒門亭 第3218回

2018年10月20日 | 噺とか
土曜の休日、午前中にちょっとした用が2件重なり、自由になったのが午後1時。
天気もいいのでどこか出かけるのもよかったのですが、
季節の変わり目ということもあって、体調がイマイチ。
長丁場にならない黒門亭第2部へと向かいました。
午後2時前につくとすでに行列ができており、開場時には満員札止めに。
やはり菊之丞師匠がトリというのが大きな理由でしょうか。

扇ぽう「子ほめ」
市 童「真田小僧」
小ゑん「鉄千早」
-仲入り-
喬之助「出来心」
菊之丞「明烏」

市童さんの「真田小僧」は途中で切らずに最後まで。
通常の寄席だと切ってしまうバージョンばかり聞いているので、
久しぶりに最後まで聞くことができました。

小ゑん師匠の「鉄千早」は2回目。
前回は彦いち師匠との二人会で聞いたのですが、
その時から比べるといくらか手直しされてバージョンアップしたのかな?
知ったかぶりするマクラから入り、途中まで古典の「ちはやふる」かなと思わせておいて、
途中から一気に鉄道落語のムードへ変調するあたり、黒門亭のコアな客にも大うけ。
古典の改作というべきか新作というべきか。
とにかく聞いていて楽しいお話。

喬之助師匠は、浅草で行われている真打披露興行のエピソードをマクラで。
師匠であるさん喬師匠が馬風師匠を相手に珍しくしくじった噺を披露。
本題は「出来心」を「花色木綿」の部分まで。
先ほどの「真田小僧」同様、黒門亭ではこういう噺をしっかりと聞くことができるわけで。

トリの菊之丞師匠はネタ出しで「明烏」。
先日、末廣亭の昼席で小満ん師匠で聞いたばかりですが、
やはりこういう廓話を演じる菊之丞師匠の色気は何とも言えませんね。
ところどころにあるくすぐりも絶品。

黒門亭にはたびたびうかがっていますが、満足度はやはり高いですね。
ただ、札止めとなった会場の圧迫感はやはり窮屈です。
椅子席に慣れてしまっている体にもよろしくない。
その辺の我慢をするのと、満足度とを天秤にかけねばならないのが黒門亭でしょうか。

恐懼謹言。
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10/10(水)末廣亭夜席 林家たこ蔵 真打披露興行

2018年10月10日 | 噺とか
今秋、落語協会では5人の新真打が誕生しておりまして、披露興行の真っ最中。
絶対に予定に入れておかねば!ということでもなかったのですが、
ひょんなことから時間ができまして、末廣亭に行ってまいりました。
馴染みがあるのは駒治さんなのですが、この日はたこ平改め、たこ蔵師匠のトリ。
あまり高座でお目にかかったことはないのですが、これもご縁ということで。
昼の部のヒザから会場へ。

【昼の部】
翁家社中「太神楽」
馬るこ「阿武松」

【夜の部】
あお馬「魚根問」
花ごめ「からぬけ」
笑 組「漫才+南京玉すだれ」
歌 奴「初天神」
玉の輔「紙入れ」
二 楽「紙切り」(たこ蔵師匠・紅葉狩り)
勢 朝「紀州」
菊千代「権助提灯」
マギー隆司「奇術」
市 馬「粗忽の釘」
馬 風「禁酒番屋」
-仲入り-
口 上(玉の輔・馬風・たこ蔵・正蔵・市馬)
ニックス「漫才」
正 蔵「読書の時間」
歌之介「お父さんのハンディ」
鏡味仙三郎社中「太神楽」
たこ蔵「お見立て」

昼トリの馬るこ師匠は、1年前に新真打になり、末廣亭では初のトリ。
そんな思い出に関するマクラを振りつつ「阿武松」へ。
なにかと暗い話題の続く相撲協会とは別に、出世の縁起のいい噺。
千穐楽にふさわしく、夜の部の披露興行のおめでたい空気にもつながります。

紙のプログラムには夜の部の二つ目さんの名前が記載されておらず、
前座さんの後に花ごめさんが上がって、え?という空気に。
単なるプリントミスでしょうか。

漫才の笑組はいつものネタの後で南京玉すだれを披露。こういうのもあるのね。

馬風師匠はいつもの「楽屋外伝」かなーと思っていたら見事に裏切られました。
馬風師匠が古典を披露するのを見たのは初めてかも・・・
声のハリなどまだまだお元気ですね。

口上では、大阪出身ながら当時のこぶ平師匠に入門したたこ蔵さんの先見の明について話が及びます。
たしかに、大阪出身なら吉本か、よくて上方落語ですもんね。
そう考えるとすごい人なのかもしれません。

たこ蔵師匠、トリは「お見立て」でした。
喜瀬川と杢兵衛に翻弄される喜助の心情がよく表れていて、
特にその表情は何とも言えない面白さがありました。
時間も終演時間ぴったりに終わるという、お見事さ。

さすが披露興行、終始場内にはおめでたい雰囲気が漂っておりました。

恐懼謹言。
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10/8(月祝)快楽亭ブラック勉強会@お江戸日本橋亭

2018年10月08日 | 噺とか
月曜日の祝日が続いておりますが、ありがたいことで。
先週は池袋にこもっていたわけですが、2週連続は体に悪いので、
今日は少しライトに楽しむことにしました。
どこかの寄席に行ってもいいのですが、ネットで調べていると面白そうな会を発見。
快楽亭ブラック師匠の勉強会というのがお江戸日本橋亭であり、お値段もお手ごろ。
ブラック師匠はその名こそ知っていましたが、YouTubeぐらいでしか聞いておらず、
その独自の高座を楽しむべく、足を運んでまいりました。
演目は、前座なしで「上方芝居」/「利根の渡し」/「川柳師匠、死ぬなら今」の3席。

今回の会は2席がネタおろしということもあり、
ブラック師匠にあり居がちな下ネタやらタブー的な話題は少なめ。
とはいえ、珍しい噺であり、これはこれで面白いですね。

「上方芝居」は祇園の芸妓が大店の若旦那を慕って、上方から江戸にくる噺。
絶世の芸妓が旅をするにあたって、そのままでは危ないということで、
老婆に扮して江戸へやってくるわけですが、それが災いして・・・という感じ。
サゲは「お見立て」と同じような感じですが、
ブラック師匠は独自のアレンジを画策しているとか・・・。

「利根の渡し」は何となく不気味な怪談話。
芝居でも演じられたことがあるようですが。
本来はこの噺でお開きになるところですが、下げがちょっとすっきりしないのと、
怪談噺の後は陽気に、ということもあって計3席に。

3席目は短く「死ぬなら今」のパロディ。
今年亡くなった立川左談次師匠を扱っておりますが、もうすごい。
やはりこういう噺こそブラック師匠の醍醐味かもしれません。
最終的には演題通りのサゲへと持っていきます。

約1時間半のコンパクトな回で、会場も半分ぐらいのほどほどの入り。
たまにはちょっと趣向を変えるのも面白いものです。
なお、会の終わりに弟子のブラ坊さんの破門問題についての噺が。
こういうのを聞くと、先が気になってしまうものです。

恐懼謹言。
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10/1(月)池袋演芸場昼席~夜席

2018年10月01日 | 噺とか
折からの台風24号が深夜のうちの通り過ぎた関東地方は、
前日からの強風で交通機関に大いに乱れを残していきました。
この日も池袋までたどり着くのがなかなか大変な状況でありましたが、
久しぶりの平日休みということで池袋を昼夜で満喫してきました。

【昼の部】
寿 伴「金明竹」
つる子「やかん」
三木助「猿後家」
こいる「漫談」
川 柳「テレビグラフィティ」
源 平「猫と金魚」
ホームラン「漫才」
一 九「夏泥」
小袁治「長短」
二 楽「紙切り」(台風一過・貫一お宮)
志ん輔「豊竹屋」
―仲入り―
龍 玉「親子酒」
春 輔「一眼国」
夢 葉「奇術」
小満ん「明烏」

ベテラン色の強い昼の部ですが、ほどほどの入りの中でスタート。
三木助師匠、真打に昇進してから拝見するのは初めてです。
この「猿後家」、あまり聞かない噺ですが三木助師匠はよくかけるようで。

川柳師匠は久しぶりに拝見します。
しかし、今日は私の思い描いていた川柳師匠から随分と違った印象になっていて、
あの元気な軍歌を客席を巻き込んでやる「ガーコン」を期待していたのですが、
まず見るからに痩せていて声も小さい。
高座に座って第一声の「やぁ、どうも、ようこそお越しくださいました!」から小さい。
そこまで長い期間お見掛けしていなかっただろうか、と思うぐらい。
マイクのない池袋だからこそ余計にその声の小ささが目立ってしまいます。
噺のほうは以前にも聞いたことがあるものですが、まるでハリがない。
当然ながら歌声を聞けるはずもなく。
おそらく今日一番の印象に残ってしまった高座かもしれません。
同じ噺が堂々巡りして、持ち時間もどんどん超過。
演出なのか本当なのか、5分程度オーバーしたところで前座の寿伴さんが高座に出てきて、
「師匠、お時間が・・・」と声をかけて、中途半端なところで下がる。
こんなシーンは初めて見ました。
たまたま川柳師匠の調子が悪かっただけ、と信じたいのですが・・・。

春輔師匠は「一眼国」でした。
先日、たまたまネットに上がっている先代正蔵師匠の「一眼国」を聞いたばかりで、
その流れを忠実にやっていることがよくわかる噺でした。
この噺、扇辰師匠でよく聞くことがあるのですが、
そっちで慣れてしまっているせいか、違いを楽しみながら聞きました。

トリの小満ん師匠は「明烏」でした。
粋とか通という言葉の似合う小満ん師匠がこの噺を語ると、
なんとなく場内全体に江戸の粋の風が流れるような気がします。
小満ん師匠の良さはやはりトリネタでこそ輝くのかなぁと。


【夜の部】
まめ菊「道灌」
こはく「壺算」
菊太楼「幇間腹」
にゃん子・金魚「漫才」
正 蔵「夢八」
甚語楼「犬の目」
アサダ二世「奇術」
歌之介「圓歌伝」
雲 助「辰巳の辻占」
―仲入り―
天どん「タラチネ」
一 朝「やかん泥」
正 楽「紙切り」(樹木希林・彼岸花・台風)
菊之丞「景清」

​正蔵師匠の「夢八」は、初めて聞きました。
池袋での正蔵師匠はあまり縁のないところですが、
やはりしっかりと聞かせる話をしてくれますね。
タイミング悪く携帯が鳴ったり、ビニール袋のガサガサが残念ですね。
正蔵師匠だからってそこまで浅草っぽくしなくていいのに。

歌之介師匠は圓歌襲名が決まっていますが、そういうこともあってかあれこれ新しいエピソードが。

一朝師匠の「やかん泥」も初めて聞きました。
泥棒を題材にした噺も知らないものがあるなぁ。

トリの菊之丞師匠は、目の不自由な方のマクラから「景清」へ。
平日の夜席では、時としてこの手の噺に出会えることがあります。
「心眼」もそうですが、こういう噺は時代的にいつでもどこでもかけられるものではないのでしょうね。
なかなか難しいものです。
ついつい話に聞き入ってしまい、世界に引き込まれてしまう、そんな噺でした。

久しぶりの昼夜通しでしたが、やはり平日の寄席がのんびりしていて一番ですね。

恐懼謹言。
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