恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

突発性難聴 発症から9ヶ月 最後の通院

2022年10月30日 | 突発性難聴療養生活
画像は小湊鐵道の上総牛久駅にて。
先日、ふらっと立ち寄ったので。
記事とはほぼ関係ないかも。

今年の1月に突発性難聴を患ってから、
早9ヶ月が過ぎ去りました。

冬のある朝、なんとなく耳の聞こえが悪いと思ってから、
あれよあれよという間に症状は悪化、
その日の夕方には救急車で運ばれ、
翌日から5日間の入院を経験しました。
詳しくは記事一覧から経過をご覧いただきたいのですが、
そんな突発性難聴も今日で一つの区切り。

定期的に通っている病院での診察もこの日で一旦終了と相成りました。
4ヶ月ぶりの通院でしたが、
聴力検査の結果、右耳の聴力はほぼ固定されており、
今後のこれ以上の回復はないだろうとの見通しをお医者様より告げられました。
実感としても回復している感覚はここのところ既になく、
検査の結果を見ても、まぁそうだろうなぁという感じ。

右耳は微かに音を拾うレベルで、
ざわついた場所では右から話しかけられてもわからないというレベルです。
すでにそんな耳で生活して9ヶ月ですので、
私としては諦めつつも、そんな耳での生活に慣れていかねば、というのが今。
あれこれと悩み、今でも耳鳴りや聴力のことについて思うところはあります。
とはいえ、限りなく発症前の生活に近く毎日を送れていることには、
とにかく感謝する他ありません。

少しでも回復につながれば、と、
保険の効かない鍼治療にも通いました。
どれほどの効果があったのか知る術はありませんが、
通ったからこそ今はどの聴力まで回復したと考える方が精神衛生的にはいいのかもしれませんね。
なんせ、入院している時は右耳の聴力はほぼゼロだったわけですから。

完治する人、多少回復する人、全く治らない人がそれぞれ3分の1というこの病。
私は多少回復しただけで終わってしまいましたが、それでもよかったと思います。
寄席に通って落語を楽しむこともできますし、鉄道旅もできる。多少不便ながらも。

同じ症状をもつ人や、悩みを抱える人が、検索か何かでたまたまこちらをみて、
何かしらの参考にしていただければと記事を書きました。
ご質問やご意見などありましたらお寄せいただけますと幸いです。
突発性難聴についてはまた何かありましたら記事にしたいと思います。
次回以降、ゆるゆると寄席のことなど書いてみます。
ご覧いただき、ありがとうございました。

恐懼謹言。
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2022/10/19 国立演芸場昼席(主任:柳家小ゑん)

2022年10月19日 | 噺とか
最近の定席はもっぱら国立が多いです。
というのも、そこまで長丁場でもなく、
お値段もお手頃というのが主たる理由。
小ゑん師匠は先日も鈴本で昼席のトリをとっており、
そちらに行くのも検討していたのですが、
時間がうまく合わずに断念。
久しくトリネタの小ゑん師匠もご無沙汰だったこともあり、
足を運んできました。

「つる」        まんと
「親不孝者」      やま彦
「漫才」        ニックス
「お父さんのキャンプ」 志ん五
「両国橋の出会い」   琴調
 -仲入り-
「権助魚」       緑也
「大仏餅」       龍玉
「音楽パフォーマンス」 のだゆき
「鉄千早」       小ゑん

前座はまんとさん。
安定の語り口調はいいですね。
二つ目まではまだ時間はありそうですが、
実力あるんじゃないかなーと。

続くきよ彦さんはおそらく二つ目になってからは初めてかも。
彦いち師匠に弟子入りするエピソードの話がありましたが、
鈴本にくまモンが来た日に弟子入り志願したというので、
あぁ、その日その場にいたなぁと。
他にも師匠とのエピソードをあれこれ、
その後に新作をかけられました。
真面目すぎる息子に対して、
もっと遊ばせようとする元名誉教授夫妻のお話。
設定は「明烏」みたいな感じですがね。
なかなか楽しく聴かせていただきました。

志ん五師匠も久しぶりでした。
バーベキュー場での仕事の話に続き、
アウトドア繋がりでソロキャンプを題材にした噺。
こういう落語ならではの想像力に頼る新作、いいですね。
ただ、これもなんとなく小ゑん師匠の「ほっとけない娘」と話がつくような印象があり、
トリネタにも影響与えたのかなぁと。

講談の琴調先生も久しぶり。
秋風が吹くともう忠臣蔵の季節ですね。
大高源吾と宗匠・宝井其角のエピソード。
やはり忠臣蔵はいいですねぇ。

仲入り後に緑也師匠。
真打昇進してからははじめて。
高島屋で行われていた華道の会場から、
歩いて会場入りするマクラから権助魚へ。
寄席のネタらしくコンパクトで笑いも多く、楽しい一席でした。

龍玉師匠は奈良に関するマクラだったので、鹿政談かな?とも思いましたが、
ここは大仏餅という噺。
恥ずかしながらはじめて聴きました。
新作派が多い中、しっとり聴かせる古典。
やはり龍玉師匠の実力を感じる一席。
この師匠の噺はもっと聴いておきたい。

ヒザののだゆきさん。こちらも久しぶり。
ネタは安定のいつものものから、
時間的に15分という余裕があるためか、
はじめて見るネタもちらほら。
安心しつつも新たな発見があるのが新鮮。

トリの小ゑん師匠は鉄千早でした。
トリネタではなく、今までは文蔵師匠とのリレーという形で見ることが多く、
単独でのこのネタはあまり聴かぬまま。
小ゑん師匠の持ちネタの中でも、
鉄道落語もいくつかありますね。
このネタも正直なところ何度も聴いているのですが、
本当に楽しめる一席ですね。
元ネタを知っている、ある程度落語に知識のある客層だからこそウケるネタと、
本当にマニアだからこそ受けるネタ、
そして、そのどちらに属さずとも楽しめるネタ、
これらがバランスよく配置されていたように感じました。
おそらくこの噺を聴くのも2年ぶり。
大まかなストーリーを覚えていながらも、
改めて楽しませていただいた一席でした。

程なく改装のため閉鎖となる国立演芸場。
客の入りは決して多くないものの、
その多くが落語を愛する温かな人たち。
噺家の皆さんがおっしゃるように、
他の寄席も比べると異質な場所にあるわけですが、
こういう落ち着いた環境はぜひ維持してほしいと切に願います。

恐懼謹言。

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2022/10/03 連雀亭昼席(主任:入船亭遊京)

2022年10月03日 | 噺とか
9月は落語を聞こうにもなかなか多忙で、
唯一のチャンスも子供の発熱とともに、
国立演芸場に行く予定があったものの、
脆くも消え去ってしまった経緯があり、
今日は久々に落語を聴きに行くことができました。
この日は産経収録とのことで、
会場には撮影機材がありました。
会場内の客数は片手ほど。




「力が欲しいか」  志ら鈴
「壺算」      鷹治
「英会話」     今いち
「御神酒徳利」   遊京

志らく門下の女流、志ら鈴さんがサラ口。
オンライン配信があることにふれつつ、
コロナ禍の噺家の生活についてあれこれ。
立川流の落語を聞く機会は少ないものの、
此方でも新作をやる人がいるんですね。
母と子の会話から始まって、
害虫を駆除する益虫の蜘蛛について。
蜘蛛を助けた母の元に、
姿を変えた蜘蛛が現れ、
話は展開していくのですが、
前日までのハードワークが祟り、
所々意識が飛んでしまい、
細部まで思い出すのは困難ながら、
今ひとつパンチが足りないというか。
どうしても普段聞く落語協会贔屓になってしまうのですが、
寄席で鍛えられる環境にあるか否か、
そんなことも関係するのかなと思ったり。

続いて、文治門下の鷹治さん。
古典の「壺算」に入ります。
おおむねオーソドックスな形ながら、
終盤ではオリジナル?というような、
聴き馴染みのない展開でした。
瀬戸物屋の子供が出てきたり、
下げのところも通常のものとは違ったり。
元々は上方の話ですから、
いろんな形に派生してもよさそうですが。
ここまでどうも眠気に負けそうになる。

続いては、今いちさん。
この方も新作派の方で、
随分前に一度聴いたことがあります。
例によって新作をやると宣言しつつも、
昭和の頃に作られた新作で、
新作というには古く、
古典というには新しすぎる。
そんな微妙な古さの新作は「英会話」。
これは初めて聴いたかも。
なるほど、たしかに聴いていると、
設定から中身まで微妙な古さ。
笑うポイントもおそらく。
よく新作落語を語る上では、
円丈師匠の力が大きいわけですが、
完全にそれ以前の新作、でしょうかね。
これをあえてやろうとする今いちさん。
なかなか面白い感性です。

トリは遊京さん。
この方はたびたび拝見しています。
このトリの一席があって改めて、
今日は連雀亭に来てよかったな、
と思わせてくれる、そんな一席でした。
「御神酒徳利」は私にとってそこまで聴き馴染みのあるネタでもなく、
冒頭でこの噺とわかり、嬉しくなります。
ストーリーの大筋はわかっていても、
この後どうなる?といったように、
ついつい引き込まれてしまいました。
大坂から江戸までの言い立ても淀みなく、
心地よく楽しませてくれる、
そんなトリネタでした。
この噺も下げはいくつかのパターンがあるようですね。

ワンコインでは聴けないトリネタがしっかりと聴けるのは昼席のいいところ。
木戸銭は倍ながらも、その価値はあり。
楽しい時間を過ごさせていただきました。

恐懼謹言。

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