恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

2023/05/31連雀亭昼席

2023年05月31日 | 噺とか
今月2度目の連雀亭。
前回は講談きゃたぴらでしたが、
今回は全て落語です。
落語協会から2人、芸協と立川流からそれぞれ1人ずつという顔付です。
平日ということもあり客数は5人。
ゆったりしていていいのですが、
相変わらずのパーティションとマスク着用はそろそろ見直してもいいような。

子ほめ     一刀
かくやのこうこ 今いち
紙入れ     らく兵
妾馬      文吾

一刀さん、久しぶりです。
柳朝師匠のブログに目つきの悪い三谷幸喜などと書かれていましたが、
メガネかけるとそんな感じでしょうね。

Facebookの想い出から📸 | 総領の甚六【春風亭柳朝No.6のオフィシャルブログ】

Facebookの想い出から📸6年前だそうな。📸前座の頃の春風亭朝太郎さん。三増れ紋チャンは元気かなぁ~❓若いな…俺❓ &...

総領の甚六【春風亭柳朝No.6のオフィシャルブログ】

 
噺は定番の子ほめをたっぷりと。
食傷気味でもある前座噺なこともあり、
ちょっとゆっくりしながら拝聴しました。

続く今いちさん。新作のイメージもありますが、この日は「かくやのこうこ」。
初めて聴く演題ですが、調べると、
「酢豆腐」の前半部分なんですね。
chat GPTで新作落語を作らせてみるマクラなども面白く聴かせて頂きました。

立川らく兵さんは、はじめまして。
見た目が日本兵に似ているということで、
兵の字が入っているそうな。
本題は紙入れで、独自のくすぐりなどもあって、会場はよく笑っていました。
女将さん宅での回想シーンはオリジナルでしょうかね、楽しく聞かせて頂きました。

トリの文吾さん、以前も連雀亭のトリを聴きに来たことがありました。
身分制度のマクラから入って妾馬へ。
笑いあり涙ありの変化に富んだ噺を、
とてもよく演じられていて、
噺に引き込まれました。
この日の間違いなくナンバーワンで、
この噺を聴けただけでも来た甲斐があったというものです。

梅雨入りが間近な日々、
疲れがついつい溜まりがちですが、
落語を聞いて少しリフレッシュ。

恐懼謹言。
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2023/05/19 連雀亭講談きゃたぴら

2023年05月19日 | 噺とか
少し時間ができて連雀亭へ。
落語を、とも思いましたが、
今日は講談中心の日でした。
間に浪曲もあるそんな顔付け。
全員が女流の方ということもあり、
客席はかなりの盛況でした。
なお、連雀亭は客席でのマスク着用必須。
世の中が脱マスクになっていますが、
その狭さゆえでしょうかね。
カバンの中にマスクがあってセーフ。

駕籠幽霊    紅佳
身代わり音頭  小そめ
木村重成の最期 いちか

駕籠幽霊は葛飾北斎のストーリー。
調べてみると青空文庫にもあるんですね。
世界観にどっぷり浸らせてもらいました。

小そめさんは浪曲。浪曲自体久しぶり。
というか、そこまで頻繁に聴いておらず、
いつも新鮮な気持ちで。
身代わりで殺された男のために、
木曽路を下って男の代わりに子の父の代わりをするという、
二重の意味での身代わりの話。
落語とも講談とも違う演芸、いいですね。

トリのいちかさん。
名前は各所で伺っていますが、
聴くのは初めてかも。
大坂の陣を題材にした難波戦記から、
木村重成のエピソード。
歴史好きながらこの人物を知らず。
青柳との色恋と別れ、
そしてそれらを解する家康のエピソード。
今年の大河ドラマの主人公でもあります。
いちかさんの人気の一端を知ることのできる一席でした。

馴染みのない講談や浪曲に親しむ機会もいいものですね。
終演後、演題が掲示されておらず、
ネットでアップされている情報を参考にさせていただきました。
待ってたら掲示されたんですね。

コンパクトに楽しい時間を過ごしました。

恐懼謹言。
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いなせ家半七師匠の訃報

2023年05月16日 | 噺とか
ネットで、いなせ家半七師匠の訃報が目に入りました。


普段はあまりこういう記事は書かないのですが、思い出を少々。

とても贔屓の芸人さんであるとか、
多くの高座に触れたわけでもありません。
記録と記憶に残っているのはただ一度。
2019年1月の黒門亭でした。
トップ画像はその時のもの。


改めて記事を読み返すと、
ネタは天狗裁きだったようで、
特に珍しい噺でもありません。

ただ、なぜ今回記事にしようかと思ったのかというと、
この時の高座がとても印象に残っているのです。
天狗裁きの一席が終わったのち、
最前列で聴いていた私に目を向け、
おもむろに使っていた扇子をストンと落として、私に「差し上げます。」と。
一瞬、意味が分からず固まった私ですが、
意味がわかると一言感謝の言葉を添えて、
その扇子をいただきました。

黒門亭の狭い客先ですので、
その様子は全ての客に知られることに。
トリの彦いち師匠のあとで、
黒門亭の常連客数人が私のもとに集まり、
「誰の扇子?!」と興味津々。
今まで会話なんてしたことない方々でしたが。
小朝一門ということもあり、まさか、
ということだったようですが、
実際のところは芸協の披露目の扇子。

私からすればそんなことはどうでも良く、
目の前で落語を演じていた噺家さんから、
今の今まで使っていた扇子を戴くなど、
後にも先にもないことなので、
とても感激した記憶が今でもありありと思い出されるのです。
当時は特定されるかなと思って、
上記の記事では言及しませんでしたが、
今回の訃報に接し、書き留めたものです。

もとは先代柳朝一門で、
師匠没後は小朝一門に入られたようで、
政治家を目指したり、
各地の温泉を巡ったり、
多彩な人物だったようです。
小朝師匠もこのことをブログに書かれています。


身近で接していただけあり、
愛に溢れた文章だと思います。
4月中席まで小朝師匠の芝居に出演していたんですね。
鈴本に半七師匠の名前があったことは確かに記憶しています。
小朝師匠との繋がりあってのことでしょうね。
2019年に私が足を運んだ黒門亭でも、
トリの彦いち師匠が半七師匠のエピソードを話されていました。

寄席ではあまりお目にかからない、
そんな噺家さんではありますが、
私の記憶に残る噺家さんでした。
ただ、モノをもらったからとかそんな話じゃなくて、
高座の落語や立ち居振る舞いから、
その温かい人柄の一端に触れたような気がしたからです。

謹んでご冥福をお祈りします。

恐懼謹言
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2023/05/02 お江戸日本橋亭さよなら公演 扇蔵・馬桜二人会

2023年05月02日 | 噺とか
世間はいよいよゴールデンウィーク。
コロナも収まりを見せ、
人の動きもいよいよ活発になりました。
ふと時間が空いたところで寄席でも、
と思いましたが動き出しが遅く、
15時開演の日本橋亭へ出かけます。
なんでも今年で取り壊しなんだそうで、
会の名称もそれに因んだもの。
コロナ禍でめっきり訪れていませんで、
私は実に3年半ぶりの来訪になりました。
最前列の座椅子がなくなり、全て椅子席。
会場も盛況でありました。

洒落番頭 たたみ
天災   扇蔵
明烏   馬桜
−仲入り−
人参代  馬桜
試し酒  扇蔵

開口一番は三平門下のたたみさん。
前座ながら洒落番頭って珍しいですかね。
こういう会で試してみるという感じかな。
どうしても師匠にネガティブなイメージが付きまとうのですが、
会場の笑いをとっておりました。

以降ネタ出し。扇蔵師匠は天災でした。
この噺、好きなのですがなかなか生で聴く機会もなく、楽しみにしておりました。
聞けば東日本大震災などの災害があり、
なかなかかける機会がなかったそうです。
期待通りの面白さでした。

馬桜師匠の一席目は明烏。
寄席のトリネタなど廓噺の定番ですね。
何度も聞いていますが、
志ん朝師匠から稽古を受けたという、
馬桜師匠の明烏は聴き応えたっぷり。
吉原の情景描写も丁寧で、
新たな発見があったように思います。

仲入り後は馬桜師匠の2席目。
過去の病歴のマクラから本題へ。
人参代という初めて聞く噺でした。
高麗人参を題材にとったストーリー。
初めてなので注意深く聴いていないと、
サゲの部分で若干消化不良に。
解説を改めて見て、なるほど、と。
もう一度チャレンジしてみたいものです。

最後は扇蔵師匠の試し酒。
今まで聞いてきて経験上、
途中でどうしてもだれてしまう、
そんなイメージがあるのですが、
改めて注意深く聴いていると、
様々な演出方法があるのだなと感じます。
最後まで楽しい一席でした。

終わった後にはフォトタイム。
最近の流行に合わせて馬桜師匠の会ではたびたびやっているそうです。
オープニングトークならぬ、
エンディングトークをしつつ撮影タイム。





久しぶりのお江戸日本橋亭でしたが、
濃厚な楽しい時間でした。
取り壊し前にここに来るのは最後かな?
リニューアルを気長に待ちたいものです。

今日から謹言。


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