恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

坂東三十三箇所巡礼 第三十三番 那古寺

2010年08月11日 | 坂東三十三箇所とか
さぁ、昨年10月から始まりました坂東三十三箇所の札所巡りも最後。
三十三の札所すべてを巡り終えることを「結願」(けちがん)といいます。
ですので、今回の補陀洛山那古寺は「結願寺」などとも言うようです。
本来であれば鎌倉にある第一番の札所である杉本寺からはじめて「発願」し、
順番に札所を巡って今回で「結願」というのが正式なものですが、
現在ではなかなかこの通りにはいかないようです。
とはいえ、やはり最後はここで締めくくりたいという思いがあったので、
三十三箇所の最後はここで。

那古寺は房総半島の最南端にあたる館山のちょっと手前にあります。
海を望む小高い山の上に本堂が築かれています。
山自体は、平安時代の歌人、和泉式部にゆかりがあるそうで、
そこらじゅうに石碑や記念碑が立っていました。
その本堂のある場所からは南房総の海がきれいに見渡すことができ、
ちょうど夏の晴れた日だったこともあって、美しい展望が。

しっかりとお参りを済ませて、納経所にいってご朱印をいただこうとすると、
やはり結願の寺だけあって、さっそく「結願でいらっしゃいますか?」と。
その旨を伝えると、ねぎらいの言葉とともに、
結願した人のみに伝える話がある、としていくつかのお話をいただきました。
詳細は省略しますが、簡単に言うと一度すべてを周り終わったとしても、
それは終わりではなくて単なる通過点に過ぎないだけだ、と。
すごい人になると、50回近くも三十三箇所の巡礼をしてるんだそうな。
1回だけでは見えてくるものと見えてこないものがある、と。
そんなようなお話でした。

●基本情報●
名称:補陀洛山 那古寺(那古観音)
宗派:真言宗智山派
本尊:千手観世音菩薩
開基:行基菩薩
創立:養老元年(717)
住所:千葉県館山市那古1125

とまぁ、そんなこんなで三十三箇所巡礼の旅が終わりました。
最初はかなり軽い気持ちで始めたわけで、
何か願掛けをしてどうこうということはなかったんですが、
一通り終えてみたことによって、やはり自分なりに得たものがあったような。
それは別に信心深くなったとかそういうことではなくて、
昔の旅人たちがどのような思いでこの旅路を歩いたんだろう、とか、
どんな気持ちでこの寺に詣でたんだろう、とか、
ある種の信仰の歴史の一端を見ることができたような気がします。

それ以外にも、お堂に上がって住職のお話を伺うとか、
そういう経験は今までにはなかったわけですから、
そんな出会いから得られたものもたくさんありました。
多くの人と会い、いろいろな話をしました。
それだけでもこの10ヶ月間、いろいろなものを見て、感じてきた意味はあるのかなと。
最後に話をいただいた住職の話を受けて、
時間を見つけてもう1度三十三箇所を巡ろうと思いました。
それはすぐ、ではなくていずれかしての後になるはずですが。
今度は違った視点で、違った感じ方で巡礼ができればいいなぁ、と。

恐懼謹言。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

坂東三十三箇所巡礼 第二十番 西明寺

2010年07月29日 | 坂東三十三箇所とか
さて、先ほどの観世音寺を後にして、益子にある獨鈷山西明寺を目指します。
距離にするとだいたい20キロぐらいでしょうか。1時間ちょいで到着。
草木深い階段を上がって厳かな楼門をくぐると、
決して華美とはいえない、ただ趣と歴史を感じさせる本堂、三重塔が見えてきます。
歩を進めて本堂前に進み、一通りのお参りを済ませると、
境内の掃除をしていた若い僧侶の方が声をかけてきてくださり、
「よろしければご案内しますよ」ということで、本堂の内陣をはじめ、
寺のさまざまな建造物や仏像の由来について説明してくれました。

若いといっても年のころはだいたい私と同じ20代後半といったところ。
申し訳ないのですが、けっして流暢に説明されているわけじゃなく、
ところどころ、つっかえつっかえでの説明なのですが、
そこにはこう、なんと言うか、一生懸命さが伝わってきました。
そして、「この井戸はこんな謂れがありますが、実際は・・・」
みたいな、ちょっとしたぶっちゃけ話なんかも織り交ぜられ、
通り一辺倒でないところにも面白さを感じます。

最後に、私が坂東三十三箇所の霊場めぐりをしていることを伝えると、
「いやー、僕もやろうと思ってたんですよー。電車と車、どっちが楽ですかね?」
なんていう、僧侶の方のお話とは思えないこの謙虚さ(?)。
そりゃ聞かれれば私も答えます。
今までこんなところ周ってきましたよー、ってな感じで。
さっきの観世音寺の住職とは大違い。
ま、お坊様も人間、いろんな人がいるもんです。
そして、それも魅力だと思います。はい。


閻魔堂にまつられている「笑い閻魔」。
こういう表情をしている閻魔様は珍しいんだそうですよ。

●基本情報●
名称:獨鈷山 西明寺(益子観音)
本尊:十一面観世音菩薩
開基:行基菩薩
創立:天平九年(737)
住所:栃木県芳賀郡益子町大字益子4469

そして、お気づきでしょうか。
これが三十三箇所のうち三十二箇所目。
いよいよ次回、三十三箇所目の結願(けちがん)の寺へ。

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

坂東三十三箇所巡礼 第二十三番 観世音寺

2010年07月29日 | 坂東三十三箇所とか
さて、ここのところ1ヶ月忙しくて、まともに休みもなかったのですが、
平日の今日、久しぶりに一日休みをとることができたので、札所めぐりへ。

今日訪れたのは、茨城県の笠間にある佐白山観世音寺。
笠間はつつじでその名を知られる観光名所でもあり、
近くには日本三大稲荷の1つと称される笠間稲荷も鎮座しています。
ただ、今日は平日ということもあって観光客はまばら。こういうのもいいんですけどね。

さて、笠間稲荷ばかりが有名なこのかさまにあって、
観世音寺は、なんというか、陰に隠れている感があります。
他の札所は近隣の道路に「坂東三十三箇所 何番霊場」なんて案内があるんですが、
ここに関してはほとんどその案内がありませんでした。ま、すぐに場所はわかるんですが。
駐車場に車をとめて階段を上がっていくと、
そこまで規模の大きいとはいえない、質素なお堂が1つ立っており、
その奥が納経所になっており、年配の住職の方にご朱印をしていただきます。

で、まぁこの年配のご住職というのがなかなか面白いお方で、
独特の語り口調でさまざまな説法をしてくださいました。
心にゆとりを持たなければいけないというような話に始まり、
果ては最近の医療技術の進歩や、捕鯨の問題などなど、
とても興味深いお話をいただきました。

「東京で電車が1分おきに次々来るなんてのは異常だよ。
 今の人たちは分刻みに行動して、それができることがえらいと思っている。
 でも、急いで何かやったっていい結果なんか生まれない。
 いい考えやひらめきってのはしっかりと時間をかけなきゃ生まれないんだ。
 こんなことがこの先も当たり前のようにまかり通ったらいつか大変なことになるよ。
 そういうときに1度立ち止まって考える、そのために宗教があるんじゃないかな。
 日ごろ何もしない人が気まぐれでお参りしてご利益ご利益なんていってるのはちょっと違うね。」

「医療技術の進歩ってのは本当にたいしたもんだ。
 多くに人たちがこれで長生きできるようになるってもんだよ。
 ただ、そのおかげで私みたいな年寄りがいっぱい増えちゃうんだけどね(笑)
 私も世間から疎まれないうちに適当なところでこの世からおさらばしたいもんだ。
 ま、一回おさらばしちゃったら二度と帰ってこれないのが複雑なとこなんだけど。」


なんでしょう、達観しているというか、なんというか。
でも、こういう話を聞くといろいろと考えさせられますね。

●基本情報●
名称:佐白山 観世音寺(佐白観音)
宗派:普門宗
本尊:十一面千手観世音菩薩
開基:粒浦氏
創立:白雉二年(651)
住所:茨城県笠間市笠間1056-1

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

坂東三十三箇所巡礼 第二十四番 楽法寺

2010年06月24日 | 坂東三十三箇所とか
雨引観音と呼ばれている茨城県にあるお寺です。
この時期はあじさいの名所としても知られており、
遠方からもこのあじさい目当てで観光客がやってくるんだそうな。
まぁ、私もその一人なんですが。

この日は仕事が午前中で片がついたので、思い切って車で茨城へ向かいます。
なにせ、あじさいが見られるのは梅雨のこの時期ぐらいですから。
土浦北インターで高速を降りてあとは一般道で雨引観音を目指します。
おおよそ30kmの道を1時間ちょっとで走り抜けていきます。けっこうな距離ですね。
車で山道に入ってちょっと行くとすぐに山門が見えてきます。
木々がうっそうと茂る石段を登っていくのですが、
名物のあじさいがそこかしこに咲き誇っておりました。
いやいや、この季節にやってきてちょうどよかった。
先日の鎌倉の田代観音では名物のつつじが全部枯れてしまっていたので。
四季折々の風情は大事にしなきゃいけません。


↑途中、石段の脇に咲くあじさい

●基本情報●
名称:雨引山 楽法寺(雨引観音)
宗派:真言宗豊山派
本尊:延命観世音菩薩
開基:法輪独守居士
創立:用明天皇二年(587)
住所:茨城県桜川市本木1

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

坂東三十三箇所巡礼 第十八番 中禅寺

2010年05月30日 | 坂東三十三箇所とか
さて、先ほどの大谷寺の続きです。
大谷寺から日光宇都宮道路、有名ないろは坂を通って中禅寺を目指します。
いろは坂も自分で車を運転してくるのはこれが始めて。
幼いころ、ここをバスで通って車酔いしたのが思い出されます。
この日、東京も気温は低かったのですが、日光のこちらのほうはもっと低い。
いろは坂を登って、標高が上がってくるにつれて気温がどんどん下がり、
車内の気温計はついに6℃を示すまでに。
下界の気温とはおよそ10℃ぐらい違うわけです。
車内にいながらも薄着できてしまったことにちょっと後悔。
おまけに濃い霧が発生してちょっと先まで見通しがきかない始末。
鋭いカーブとあいまってなかなかの恐怖でありました。

で、そんなこんなを経て約1時間ちょっとで中禅寺に到着。
寺の名を冠する中禅寺湖もこの日は深い霧に覆われており、よく見えず。
拝観料500円を支払って山門をくぐります。
本堂に足を踏み入れると職員の方が、そのときに入った私一人のために、
あれこれと寺の縁起などについて解説をしてくださいました。
このお寺の通称である立木観音というのは、
かつて勝道上人なる高僧が、生きた気をそのままに観音像を彫ったことに由来するとか。
高さは6メートルあり、現在でも根は生きているんだそうで。
んー、すごいもんです。

敷地内を通ると奥の院につながっているという面白い構造になっています。
恋愛成就をつかさどる愛染明王も祭られており、
昨今ではパワースポットと称されて話題にもなってるんだそうで・・・
それでもやはり寺院全体がとても豪華絢爛といった感じで、見ごたえがありました。

●基本情報●
名称:日光山 中禅寺(立木観音)
宗派:天台宗
本尊:十一面千手観音菩薩
開基:勝道上人
創立:延暦三年(784)
住所:栃木県日光市中禅寺歌ケ浜2578

中禅寺をあとにしたあとは戦場ヶ原を抜けて金精峠を越え、群馬県へ。
ふらっと立ち寄り湯で体を温めて帰郷いたしました。

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

坂東三十三箇所巡礼 第十九番 大谷寺

2010年05月30日 | 坂東三十三箇所とか
さて、坂東三十三箇所も残りわずかとなってまいりました。
今日は、八溝山に次ぐ難所といわれている中禅寺を目指します。
ですが、その前に道中にある大谷寺に先に参詣します。

宇都宮から少し離れたこの地域は、大谷石の産地としても有名で、
近隣には大谷資料館なる巨大地下空間が有名になっています。
かく言う私も大谷資料館には過去2度足を運んでおり、
資料館へ寄ったあとにはこの大谷寺へ来ていますので、
かれこれ3度目の参詣ということになります。
ちなみに前回来たのは去年の夏ですので、けっこう短かいブランクですね。
したがって、今回は資料館はパス。

大谷寺の本尊である観音様は大谷石の崖のところに彫られた磨崖仏で、
伝承によれば、かの弘法大師のお手彫りだとか。
残念ながら撮影禁止なのですが、やはり何度見てもびっくりしますね。
一度お寺が火事になったときに焼けてしまったということで、
今でも焦げてしまった後をうかがうことができました。
今では跡形もないですが、最初のころは金箔もおしてあったんだということで。

●基本情報●
名称:天開山 大谷寺(大谷観音)
宗派:天台宗
本尊:千手観世音菩薩
開基:弘法大師
創立:弘仁元年(810)
住所:栃木県宇都宮市大谷町1198

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

坂東三十三箇所巡礼 第三番 安養院

2010年05月29日 | 坂東三十三箇所とか
正式名称は祇園山安養院田代寺。
場所は鎌倉駅からだいたい1kmぐらいのところにあります。
はい、そうなんです。
先月も思い切って鎌倉フリーパスを買って、
長谷寺と杉本寺をまわったというのに、なぜこのタイミングで、と。

まぁ、話は単純に忘れていたということでして。
先月の4月に鎌倉を訪れて、てっきり鎌倉をはじめ神奈川県内はすべてまわり終えた、
と思っていたら、なんとご朱印帳に第三番札所の印がなく。
あれ、田代寺ってどこだろうって調べてみたら最寄は鎌倉・・・
仕事を早めに終えられた今日、思い切って鎌倉まで行ってしまいます。
ま、なにごともついでで行くのではなく、
ひとつの目的のためにいくことも大事なことなんです。きっと。
合理主義だけを求めちゃいけませんね。

で、実際に鎌倉駅から歩いて安養院を目指します。
奇しくもこの日も鎌倉は小雨が降りしきる中で、
約15分ちょっと歩いて目的地に到着。
名物とされるつつじは残念ながら見ごろを終えてしまっていましたが、
落ち着いた境内は心を落ち着かせてくれます。
私にしてみると、鎌倉に数多く寺院はあれども、
坂東札所めぐりをやってなきゃこないだろう、というお寺ですが、
こうやって来てみるとそのお寺ならではの魅力というのもあるわけで。

●基本情報●
名称:祇園山 安養院 田代寺(田代観音)
宗派:浄土宗
本尊:千手観世音菩薩
開基:田代信綱
開山:尊乗上人
創立:建久三年(1192)
住所:神奈川県鎌倉市大町3-1-22

帰りがけに、まっすぐ帰るのもなんなので、ふらっと寄り道して、
釈迦堂の切り通しを見に行きます。
残念ながら崩落注意のため通行止めなので、遠めに見るだけ。

これだけでも鎌倉気分、ですかね。

それと、八幡宮にある例の折れた大銀杏も見てきました。
順調に新芽が出てるようで。


恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

坂東三十三箇所巡礼 第十五番 長谷寺

2010年05月23日 | 坂東三十三箇所とか
雨の中の札所めぐりへ。
高速道路1000円というのも果たしていつまで続くやら。
そんなことを気にしつつ、時間があるときにはなるべく遠くにあるところへ参ります。
群馬県の札所は全部で2つで、もう1つの水澤観音へは1月に足を運んでおり、
できればそのときに一緒に周ってしまいたかったのですが、
新年の初詣客が予想以上に多く、時間がかかってしまったため参拝できず。
したがって今回は改めての訪問となります。

関越道の前橋ICから車を走らせること40分ちょっと。
程よく郊外の町並みを抜けたあとで道は徐々に細くなり、
ちょっとした高台になっているところに白岩山長谷寺がありました。
事務所に一声かけると、本堂の中を拝観させてくれるので、
本尊の十一面観音像の面前までお参りすることができます。
珍しく「撮影禁止」とは書いていなかったんですが、撮影してよかったんでしょうか。
恐れ多かったのでしなかったんですが。

●基本情報●
名称:白岩山 長谷寺(白岩観音)
宗派:金峯山修験本宗
本尊:十一面観世音菩薩
開基:役ノ行者
創立:文武天皇朱鳥年中
住所:群馬県高崎市白岩町448

長谷寺をあとにしたあとで周辺を探訪。
地図にあるかみつけの里博物館というのが気になり、
車を走らせていくと、突如として目の前に巨大な前方後円墳が。
なるほど、さきたま古墳群のように博物館と古墳が並んでいるわけなんですね。
博物館の周辺には八幡塚古墳をはじめ、全部で3つの古墳があり、
この地域の前方後円墳としては最大のものなんだとか。

八幡塚古墳と楯を持つ武人の埴輪(復元)の図

3つあるうちの2つの古墳に行きましたが、
どちらもきちんと整備がされており、上まで行くことができました。
これで雨が土砂降りじゃなかったらもっとゆっくりしたんですがね。

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

坂東三十三箇所巡礼 第二十一番 日輪寺

2010年05月16日 | 坂東三十三箇所とか
先ほどの佐竹寺の続き。
佐竹寺のあとで、水戸黄門が隠居して住んでいたという西山荘なる史跡に立ち寄り、
いよいよ今日のメイン、八溝山日輪寺を目指します。
このお寺、おそらくは三十三箇所ある札所の中でも最も難所といえるところにあり、
私は車で行くからいいのですが、電車とバスを乗り継いでいったとしても、
最寄のバス停から徒歩3時間という、それはそれは大変なところにあります。
おまけに、標高1000メートル超の山麓にあるもんで、1・2月は雪のため閉山。
こういうところが、やはり霊場なる所以でしょうか。
浅草や鎌倉のようなところとは一線を画していますね。

さて、佐竹寺・西山荘を後にして国道・県道を走りぬけること約1時間、
常陸大子を過ぎたあたりから次第に道は山道のそれになり、
標高も上がって木々がうっそうと茂ってきます。
車のアクセルもしっかりと踏み込まないと上りきれず、
上りきったかと思えば急カーブといったあんばいで、気が抜けません。
バイクならもっと楽しいんだろうなぁなどとも思ってみましたが。
そんな道を、歩いている人と自転車で行く人もそれぞれ1人ずつ見かけました。
なかなかやるもんですね。

山頂にやっとこさたどり着くと、そこには八溝嶺神社なる神社と、
展望台がありますが、ここは後回しにして霊場を目指します。
山頂からちょっと細い道を下っていくと、日輪寺はありました。
茅葺きではないのですが、ぽつんとたたずむ本堂があり、
言われなければお寺ではないような建物なのですが、
本堂の中に入っていくと、しっかりと観音様のお姿が。

納経していただく際に、いろいろとご住職(?)お話も伺いました。
いわく、昔から三十三箇所でも最難関の札所で、
ほんの30年前でもここにくるには徒歩で来るしかなかったんだそうで、
三十三箇所でここだけは参拝できずに終えてしまった人も少なくないとか。
標高も高いところにあるので、山の下の気温とは7度ぐらい違って、
4月の下旬に今年も40センチの積雪があったそうな。
いやー、すごいもんだ。

丁寧なお話をいただいて、先ほどの山頂に戻り、
神社を参拝、展望台からは関東平野はもちろん、東北の仙台まで見渡せる、
すばらしい展望が広がっておりました。
この八溝山、ちょうど茨城・栃木・福島の県境にあり、
ちょっとそこまで行けば東北の大地なんですよね。
遠くまで来たもんだ。

●基本情報●
名称:八溝山 日輪寺(八溝山)
宗派:天台宗
本尊:十一面観世音菩薩
開基:役ノ行者
創立:天武天皇の朝(673)
住所:茨城県久慈郡大子町上野宮字真名板倉2134


山頂展望台より東北方面を望む、の図。

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

坂東三十三箇所巡礼 第二十二番 佐竹寺

2010年05月16日 | 坂東三十三箇所とか
さて、世間での5月の連休などいざ知らず、
仕事に打ち込んでいたために、今年度の休みらしい休みは今日がはじめてかも。
で、やることは1ヶ月ほど滞っていた、霊場巡りに。
とはいえ、東京近郊の札所は巡り尽くしてしまった感があるので、
今日は休みの日とはいえ、少々早起きいたします。

で、一路茨城方面へと向かって、高速道路で日立南太田ICまで。
高速道路で水戸以北に来るのは学生時代以来、2度目。
水戸から先は片側2車線になるんですね。
ICからおりて車を走らせること約30分、北向観音で知られる佐竹寺へ到着します。
ちなみにこの寺、常陸の名族・佐竹氏のゆかりの寺。
戦国時代に詳しい人が多い昨今ですが、佐竹氏はややマイナーな域でしょうが、
それでも知る人ぞ知る。
ちなみに私の世代だと「佐竹」というと、格闘家を思い出してしまうんですが・・・
関が原後、佐竹氏は秋田へ転封されてしまうので、この寺は衰退するんだそうですが、
本堂の中央には佐竹家の家紋である扇が冠されており、
佐竹氏との縁を今に伝えています。

境内は新緑でとても気持ちのよい木々で覆われており、
本堂の建築も桃山時代の建築なのだそうで、趣のあるものでした。
桜の季節もいいけど、新緑の季節もいいですね。

●基本情報●
名称:妙福山 佐竹寺(北向観音)
宗派:真言宗豊山派
本尊:十一面観世音菩薩
開基:元密上人
創立:寛和元年(985)
住所:茨城県常陸太田市天神林町2404

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする