恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

4/25(日)末廣亭昼席(主任:初音家左橋)

2021年04月25日 | 噺とか
東京では3度目の緊急事態宣言発令となり、その初日。
寄席も含む劇場には「無観客開催」を要請したんだそうですが、
このたび上野・浅草・新宿・池袋の定席は休業しないことを決定。
寄席演芸が「不要不急」ではないとしたことが理由なんだそうで、
詳しくは調べると記事がたくさん出てきますので、そちらで。

そんな中、「友の会」のチケットの期限が迫っており、
どうしたものかと思案しつつ、一念発起して末廣亭に足を運びました。
開場間もない頃こそ客席は閑散としたものでしたが、
昼席のトリのことになると50%に入場制限された場内はほぼ満席に。
「空席以外はみな満席」というのはまさにこんな状況。
これこそ寄席演芸が不要不急でないことの証かもしれません。
感染対策もかなりしっかりしてますからね、
換気のし過ぎで近接の飲食店の匂いがしっかり入ってくるため、
後半の空腹時にはかなり堪えますが・・・。

「道灌」    駒介
「鰻屋」    小駒
「あくび指南」 小せん
「茗荷宿」   白酒
「漫談」    丸山おさむ
「生徒の作文」 駒治
「紀州」    萬窓
 -換気休憩-
「奇術」    伊藤夢葉
「無精床」   志ん彌
「鴻池の犬」  正雀
「紙切り」   正楽
「啞の釣り」  一朝
 -仲入り-
(演題不明)  ぎん志
「漫才」    笑組
「堀之内」   一之輔
「桃太郎」   圓太郎
「曲ごま」   紋之助
「寝床」    左橋

今回の昼席、全体的には中堅からベテランの技が光ったかな、という印象。
でもって、寄席の定番の噺を新たな視点で聞かせてもらったなぁと。

小せん師匠の「あくび指南」は寄席でたびたび聞く噺なのですが、
中身がかなり工夫されており、楽しい仕上がりになっていました。
前半部分はかなり省略されているものの、
稽古の中身の部分がかなり独自の内容に。こういうのを聞くと得した気分になります。

また、一朝師匠の「唖の釣り」と一之輔師匠の「堀之内」が今日の2大ヒット。
この子弟の力、おそるべしですね。
一朝師匠の奇をてらわず、かつコミカルな動きはさすがだし、
一之輔師匠のくすぐりや噺の構成力もさすがといったところ。

圓太郎師匠の「桃太郎」もこれまたかなり独自路線。
ご自身の小4のお子さんのエピソードを交えつつ、
「桃太郎」をここまで面白く描く技術はさすがだなぁ。

ぎん志師匠は真打になられてからたぶん初めて。
金馬師匠(金翁師匠)のことをイメージしたリハビリの噺でした。
また、師匠でもありトリの左橋師匠の「寝床」もたっぷりと楽しませていただきました。
左橋師匠は巣鴨のスタジオフォーでたびたびお目にかかりますが、
安定力がありますね。

夜席も魅力的な顔付けなのですが、ここは潔く昼で退散。
それでも十分に満足な末廣亭でございました。
コロナに負けず、今後も寄席は続けてほしいものです。

恐懼謹言。
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3/30(火)鈴本演芸場 三遊亭れん生 真打昇進披露興行

2021年03月30日 | 噺とか
こちらも久しぶりの鈴本演芸場です。
3月下席が始まるまで、約2か月休業していました。
おまけに夜席は当面の間休止で、月曜定休になるという。
そんな鈴本の真打昇進披露興行にどこかで行っておこう、
ということで仕事も比較的休めそうなこのタイミングで鈴本へ。
前日の正太郎改め柳枝師匠の興行は前売りで完売だったそうですが、
めぐろ改めれん生師匠の2日目の披露目である今日はそこそこ余裕がありました。
やはり平日の昼席はこれぐらいの余裕があるといいですね。

「狸の札」     扇ぽう
「奇術」      アサダ二世
「ざいぜんごろう」 玉の輔
「初音の鼓」    正朝
「漫才」      ロケット団
「松山鏡」     正蔵
「高砂や」     市馬
「浮世節」     橘之助
「棒鱈」      菊之丞
 -仲入り-
 口上
「無精床」     権太楼
「同棲したい」   喬太郎
「紙切り」     正楽
「にわとり」    れん生

真打昇進披露興行に来るのも久しぶりでしたが、
全体的におめでたい雰囲気がいいですね。
出演者も大物が名前を連ねており、贅沢な顔付け。
円丈師匠はなんでもここのところ体調がすぐれないらしく、
口上には参加せず、手紙で参加して玉の輔師匠が代読されました。
定席でそれぞれ別のパターンを用意されているようです。
なお、口上には玉の輔(司会)・喬太郎・権太楼・正蔵・市馬の各師匠が登場。

全体的にとても落ち着いていましたが、
やはり喬太郎師匠(一之輔師匠の代演)の破壊力はさすがといったところ。
久しぶりに拝見しましたが、やはりすごいですねぇ。
「濃厚接触」の小噺も時節柄ヒットしました。
「同棲したい」は有名どころながら初めて聞きました。

れん生師匠はマクラで名前の由来をあれこれと。
円丈師匠から提示されたのが「めぐろ家小ばち」だったそうな。漢字は不明ですが。
「めぐろ」の名前を10年近く使っていたからそれを捨てるのはもったいない。
そして、寄席のトリに出てくるのではなく、居酒屋のお通しの小鉢のように、
最初に出てくるような芸を、とのことらしいですが、
当然ながら不満を伝えると、続いて「めぐろ家千住」を提案されたそうな。
出身の目黒と、師匠の住む足立区の千住に由来し、
「中目黒と北千住を結ぶ日比谷線のような芸人」になるように、
というよくわからない理由を提示され、これも却下。
その後、弟弟子のわん丈さんとふう丈さんの提案もあり、
「れん丈」になりかけたそうですが、古典の腕前もなかなか、ということもあり、
圓生師匠の「生」を入れて「れん生」が候補に上がり、
どちらとも決めきれず、最終的にはタロット占い師に決めてもらったそうで。
ともかく芸人の名前を決めるっていうのも難しいもんですよね。

本題は以前に聞いたことのある「にわとり」でした。
鶴の恩返しのようなストーリー展開で、軽めの噺といえます。
れん生師匠の独特の世界観が伝わってくる楽しい噺で、
これからも楽しい新作をたくさん聞いてみたいと思うのでありました。
久しぶりの平日の昼席、そして披露目を満喫しました。

恐懼謹言。
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3/27(土)池袋演芸場 落語協会新作台本まつり

2021年03月27日 | 噺とか
3月下席の池袋は恒例の新作台本まつり。
寄席の定席でありながら、まるで新作の会の様相を呈しています。
この池袋に約3か月ぶりぐらいに足を運びました。
この芝居、日替わりで顔付けも変わるのですが、足を運べるのは今日ぐらい。
にもかかわらず非常に魅力的な顔付けで、期待は高まります。
それなりに席も埋まるかなとも思いましたが、
ちょうど左右一席ずつぐらい空けて座れるぐらいのちょうどいい感じ。

「つる」         ひこうき
「1パーミルの恋人」   丈二
「龍馬伝」        圓歌
「はじめての確定申告」  天どん
「太神楽」        翁家和助
「糖質制限初天神」    馬るこ
「寝かしつけ」      きく麿
 -仲入り-
「時の過ぎ行くままに」  清麿
「フィッ!」       小ゑん
「粋曲」         小菊
「旅のかかし」      はん治

こうしてみると前座さん以外すべて新作。すごいもんですね。

丈二師匠はすごく久しぶり。
この師匠の新作はどれも素晴らしい出来なのですが、なかなか出会う機会がなく。
この「1パーミルの恋人」も間違いなく代表作の一つ。
久しぶりに聞くいことができてよかった。

浅い出番での圓歌師匠は久しぶり。
普段はすっとネタに入るのですが、
丈二師匠の血液型ネタから自分自身の「B型人間」のようなマクラへ。
すべて計算の上で高座に上がっている印象の圓歌師匠ですが、
このマクラはそんな感じでもなくかなり即興だったような。
そんなこともあってかかなり伸びてしまいました。

延びてしまった後の天どん師匠、こんなことは慣れっことばかりに、
本題「はじめての確定申告」へと入っていきます。
この噺、演題は見たことあれど、初めて聞きました。
時期的に確定申告で忙しいこの時期のお話。
税務署に確定申告にやってきた一見普通の主婦が実は殺し屋、という。
天どん師匠らしい楽しい一席でした。

馬るこ師匠はおなじみの「糖質制限初天神」でした。
マクラでは、最近デビューしたArakezuriなるアーティストのMVに出演した話を。
撮影の苦労話から笑い話までありましたが、
このあとちょっとMV見てみようと思います。

きく麿師匠も安定の「寝かしつけ」で楽しませていただきました。
また、マクラで披露された正雀師匠、はん治師匠、雲助師匠のモノマネが秀逸。
YouTubeでもどんどんやってほしいものです。
マクラと本題合わせて今日で一番笑ってしまったような。

清麿師匠から小ゑん師匠と新作のベテラン勢を経てトリのはん治師匠へ。
ネタ出しで「旅のかかし」という新作台本の選に入った作品。
これで口演されるのが3回目とのことですが、そこはベテラン。すっと噺に入ります。
演題だけではどんな話か想像つかなかったのですが、
なんとなく古典の世界にありそうな、そして昔ばなしにもありそうなほのぼのとした噺。
仕事はしたくない、でもおいしい思いはしたいというだらしのない男が、
流れ流れて各地を転々と移動しながら、ある畑に入って盗みを働こうとするところを見とがめられ、
とっさの嘘をつくところからストーリーが始まります。
自分は畑で盗みをしていたのではなく、かかしになっていたのだ、と。
実質15分程度のコンパクトな噺でしたが、
もっと寄席でもかかってよさそうな感じ。

期待も大きかったのですが、実際の満足度も非常に高い池袋でした。
座席も余裕とゆとりがあり、のんびりゆったりといい時間が過ごせました。
4月の上席、昼が天どん師匠、夜は一之輔師匠。
こんな感じなら1日いても苦にならないはず。

恐懼謹言。
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3/13(土)連雀亭昼席

2021年03月13日 | 噺とか
先週に引き続き、午前中の仕事ののち連雀亭へ。
この日、東京は春の嵐ともいうべき雷と大雨に見舞われたこともあってか、
客席も極めて少人数でありました。
いろんな落語会に参加をしていますが、おそらく経験する中での最少人数。
記事を書いたら特定されてしまいそうですが。

「野ざらし」    あお馬
「アブラカタブラ」 とむ
「寿限無女子」   だん子
「小言幸兵衛」   市若

あお馬さんは落語会や寄席でたびたびお目にかかります。
この日の4席の中で最も良い落語だったなぁと思います。
マクラもなく、余計な入れ事もなく、それでいて噺に引き込まれる。
なんとも幸先の良いスタート。

続く、三遊亭とむさんは、昨日女の子が誕生したというおめでたい話題から。
過去に芸人をしていたということは知っていたのですが、
その時のエピソードをあれこれ。
詳しくはwikiなどにも記載があるのですが、
小道具を使った一発ギャグがお得意だったそうな。
今回の新作もそんな芸人時代のギャグが元になっているようです。
面白かったのは面白かったのですが、どうにも詳細が思い出せず。
んー、こういうこともあります。

女流落語家の立川だん子さんは初めてお目にかかります。
これまたwikiの情報ですが、20年以上社会人経験をされたうえで、
談四楼師匠に入門された経歴を持つ落語家さん。
「寿限無」の改作なのですが、残念ながら同様の改作と比べると・・・。
円丈師匠の「新寿限無」やふう丈さんの「ライザップ寿限無」が秀逸なだけに、
もう一捻りほしいなぁなどと思うのでした。

トリは柳亭市若さん。前座さんの頃こそよくお見掛けしましたが、
二つ目になってからは初めてかもしれません。
マクラで話されていましたが、オランダ生まれなんですねぇ。
オランダと五反田をネタにするのはホンキートンクと被りますが。
で、本編では「小言幸兵衛」をかけられました。
ところどころ滑舌が怪しくなるところが気になる以外は、
楽しく聞かせていただきました。
途中で大雨と雷の音が会場内に響き渡りましたが、高座には影響なし。
とはいえ、終演時間よりも10分弱早く終わってしまいました。
先週、希光さんが「あんまり早く終わってしまうとそれとなく注意される」といっていましたが、
その辺のところどうなんでしょうね。
大ネタをかけると時間の配分から延びることもあるのでしょうが、
逆に早く終わってしまうこともあるのかも。

これといって目当ての芸人さんがいるわけでもないながら、
ふらっと立ち寄る連雀亭ではいつもいろいろな発見があります。

恐懼謹言。
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3/6(土)連雀亭昼席

2021年03月06日 | 噺とか
午前中に仕事があり、どこかの寄席へでもと思い、
お手頃に楽しめる連雀亭のきゃたぴら昼席へ。
近頃、ぼんやりとYouTubeで視聴しているraku-bang
にも出演されている笑福亭希光さんも顔付けされており、
落語は拝見したことがないもので、そのあたりも楽しみにしつつ。
客席はなんとかつ離れしている状況で、
昼席前のワンコインのお客さんは3人だったとか。

「代脈」   あんこ
「堀の内」  萬丸
「一眼国」  花飛
「喧嘩長屋」 希光

開口一番は、あんこさん。
「代脈」という噺もあまり聞かないかなーという印象。かなり久しぶり。
それになりに笑いどころもあるんですが、どうも客席が堅いのもあって、
盛り上がりきらなかったような印象。

続く圓楽党から萬丸さん。
「堀の内」もよく聞く噺なのですが、
家を出てからお祖師様まで行く過程がかなり細かく描写されており、
家に帰ってくるところで切ってしまいます。
寄席なんかの短い出番ではこういう切り方もあるんでしょうが、
だとすれば序盤から前半の部分が冗長に感じるところもあり、
もう少し刈り込んでおけば気持ちよく最後まで行けたのかなぁ、などと。
ここでもやはり客席は堅めでありました。

続く花飛さん。この方も連雀亭でたびたびお目にかかります。
うっかりマスクをしたまま高座に上がりかけておられました。
テイストが変わって「一眼国」をかけられました。
この噺は扇辰師匠から聞くイメージが強いのですが、
たくさんの笑いを求めるというより、客席をぐっと話に引き込むイメージ。
無理に笑いを取りにいかず、自然体で語り、
かつ話にぐっと引き込まれる感じは、さすが花飛さん。

トリの希光さん。この日はやりたい噺があるものの、
10分程度なのでマクラたっぷりでご勘弁を、ということで、
約20分程度がマクラに費やされました。
コロナ禍での芸人さんのさまざまな苦労話を中心に、
YouTube動画に関するあれこれから、
芸術協会つながりの伯山先生のエピソードなどなど。
とても楽しく聞かせていただきました。
本題は「喧嘩長屋」で、これも元々上方の噺なのですかね。
あまり聞いた覚えのない話ですが、楽しい噺ですね。
ときどきではありますが、上方落語を聞くのもいいものです。

しかしまぁ仕事をしてからの落語はどうも睡魔との戦いになってしまいます。
まして昼食後のこの時間は危ない危ない。
人数の少ない連雀亭のような客席だと演者さんからも見えてしまいますからね。
落語を聞きに行く際にも体調は万全でないと。

恐懼謹言。
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2/20(土)理科系落語「ハンダの涙」(柳家小ゑん)

2021年02月20日 | 噺とか
先週に引き続き、高円寺演芸まつりへ。
例年、柳家小ゑん師匠の「理科系落語」の会が行われているようで、
今年はコロナの影響を考慮して13名限定のこじんまりとした会に。
細かいことですが、人数が半減したためなのか、
木戸銭が昨年までの倍額2000円になっておりました。
そもそも1000円が破格なのだと考えればいいのですが・・・。

演目は、1席目が「江戸会話教室」で、そのあとにネタ出しの「ハンダの涙」でした。
「江戸会話教室は」師匠のTwitterなどでよく目にする演目なのですが、
聞いたのはこれが初めてでした。
寄席などでもたびたびかけられているようで、面白く作りこまれています。
今日もここに来る前の浅草でこの噺を一席やってからきたそうですが、
これも公募作品の台本がもとになっているんですね。

短い仲入りの後、ネタ出しの「ハンダの涙」。
小ゑん師匠の体験をもとにしたという半ば実話の落語なんだそうですが、
中身はもう相当マニアックな内容満載で、小ゑん落語の真骨頂といったところですね。
ステレオの配線を依頼された中学生の富田くん(小ゑん師匠の本名)が、
憧れの女の子の家に招かれて、あれやこれやとうんちくを披露していく場面で出てくるワードなど、
どれだけの人が完全に理解しているのやら。
「鉄の男」や「アキバぞめき」などと同様、マニアックで豊富な知識がもとになっており、
わからない人には何を言ってるんだかさっぱり、な場面もたびたび。
それでもやはり噺の世界には引き込まれてしまうもので。

「理科系落語」とはいいながらも、そこまで理系な空気もなく、
こじんまりとした空間で小ゑんワールドを贅沢に満喫できました。
オフィシャルでは15:30~17:00とありながらも、16:40ごろの終演だったので、
欲を言えば、もう1席ぐらい短い噺を聞けたらなぁ、などと思いましたが、
まぁその辺はいろいろな事情があるのでしょう。
2週連続、高円寺で演芸を楽しませていただきました。

恐懼謹言。
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2/13(土)二楽劇場in高円寺

2021年02月13日 | 噺とか
高円寺演芸まつりのイベントの一環で行われている、
林家二楽師匠による紙切りのイベントです。
これで第6回とのことですが、私はこれで5回目の参加。
通常だと夏に内幸町ホールで本家の「二楽劇場」があって、
そのスピンオフ的な感じでこの高円寺のお寺で開催されるのですが、
コロナの影響でそちらは中止に。
約1年ぶりの「二楽劇場」となりました。

開口一番「平林」  八楽
注文紙切り     二楽
          ~芸者さん、桃太郎全員、春一番、長屋の花見~
紙切りストーリー  二楽

前座の八楽さん、このイベントでは恒例の前座さん。
昨年は「初天神」でグダグダになってしまいましたが、
今年は伯父である桂小南師匠に教わったという「平林」でした。
伯父と甥の関係だけあって声色のモノマネがうまいですね。
おつかいに行くのが定吉ではなく、権助というパターン。
こういうのもあるんですね。
中身は・・・まぁ、それなりでございました。

続いて二楽師匠。
ご注文紙切りと題して普段の寄席と同じように切り抜かれます。
鋏試しはオリンピック需要をにらんで「Japanese芸者」の練習をしているので、
いつ外国人から注文されてもいいように、と。
髪を切っている最中のトークも寄席のものとは異なり、ほぼアドリブ。
IOCの森会長騒動に関する件にはじまり、
彦いち師匠と仕事で出かけた旭川空港での珍事など、
紙切りのみならず、トークも絶好調なのでありました。

紙切りストーリーも今年の新作ですかね。
ひょっこりひょうたん島に始まり、笑いあり涙ありの名作でした。
途中、OHPが消えてしまうアクシデントや、
音楽が出てこないなどのハプニングもありましたが、
それも全く気にならないぐらいのクオリティでした。
年々パワーアップさえしていると思います。

コロナの影響でやや客席も少なめかなと思いましたが、
それでも程よい人数で大いに盛り上がりました。
ぜひ今年の夏は内幸町ホールでの「二楽劇場」が開催できるといいのですが。

恐懼謹言。
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映画「電車を止めるな!」

2021年02月07日 | 日記とか
たまには日記でも。
元いすみ鉄道の社長で、現在はえちごトキめき鉄道の社長鳥塚亮さんのブログで、
銚子電鉄を題材にした映画があることを知って、
機会があれば見に行こうと思っておりました。

もともとの経営難から、ぬれ煎餅を売っている銚子電鉄ですが、
そんな銚子電鉄のある意味で自虐的な要素をちりばめた映画で、
映画の製作費用500万円もクラウドファンディングで集めたとか。
出演者もほとんど知らない方々ばかり。
一部の鉄道マニア向けのコアな映画かなーなどと思いつつ、
個人的には何度も銚子電鉄に足を運んでいることもあり、
半ば怖いもの見たさで予約して行ってきた次第で。

いわゆる大規模な映画館では上映しておらず、
あれこれと公式HPで検索してちょうどよく見つかったのが、
KKRホテル東京なる都心のホテル。場所は宴会場なんです。
当然ながら映画を上映するための施設ではなく、
開場にそれとなく椅子が並べられている即席の会場。

割引料金などもなく、2000円というのは割高だなぁとは思いながらも、
こういうことでもなければ都心のホテルの宴会場にも来ませんからね。
おまけに皇居を目の前に臨む抜群の眺望はなかなかのもの。

そんな会場で10人ほどの観客の中、上映開始。
ホラーとコメディとが入り交じり、序盤はどうなるのかなぁなどと思いつつ、
ひょっとしたらこれはハズレを引いてしまったかなぁなどと思っていましたが、
後半以降の展開が非常に素晴らしく、
特にラストシーンに至る展開ではいい意味で裏切られました。
90分弱という短い上映時間ということもあり、
終わってしまうともう終わり?というぐらいあっという間でした。

映画の鑑賞券は銚子電鉄の一日乗車券として利用することができ、
映画の上映に際して記念品の配布もありました。
この記念品、上映後に開けるようにと言われ、
物自体も映画の展開に関係する粋な計らいの一品なのでありました。
ぬれ煎餅やまずい棒などの物販もあり、こちらも購入。
鉄道好きはもちろん、そうでない人も楽しめる、そんな映画でした。

経営に苦しむ中で、追い打ちをかけるようなコロナ禍。
そんな中でも転んだままではいない銚子電鉄。
こりゃー緊急事態宣言が明けたら銚子電鉄に乗りにいかねば。

恐懼謹言。
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2/6(土)連雀亭ワンコイン寄席

2021年02月06日 | 噺とか
2週続けての連雀亭です。今週はワンコインだけ。
末廣亭や池袋の夜席が魅力的なのですが、
緊急事態宣言が延長される中、そこは自粛。
短い時間でコンパクトに楽しむことにします。

「浮世床-夢-」   吉馬
「みそ豆」      かしめ
「からし蓮根の由来」 ふう丈

コンパクトながらなんとも充実感あふれる3席でした。
吉馬さんは連雀亭で3回目、よくお見掛けするようになりました。
厳密な古典はこの1席だけだったかもしれませんね。
「浮世床」も本のほうはよく聞くイメージながら、
夢のほうはそこまでたくさん聞かないかな?

かしめさんは初めてお目にかかります。
そもそも立川流の人を見かけるのも連雀亭ぐらいで。
高座に上がる30秒前にトリのふう丈さんから飴玉をもらって、
それを口に入れたまま上がるという。
で、着替え中のふう丈さんがマクラの最中に高座へ乱入。
てっきり仲良しなのかと思ったら、これでほぼ初対面という。
ネタは「みそ豆」ですが、実際のところはほとんど改作。
「みそ豆」ならぬ「ヒ素豆」とでも言いましょうか。
本来の筋は残しつつ脱線しまくる、いや、こういうはない嫌いじゃないです。
でもって、吉馬さんの「浮世床」ネタを入れ込んだくすぐりもある。
楽しい一席でした。

ふう丈さんは先日の神楽坂での独演会以来。
なんでもR1グランプリの予選に出場したんだそうで、
その時に披露した2分ほどのネタを冒頭で。
熊本弁あるある的なネタで、なかなか面白いんですが、
層が厚いR1の予選だとやはり厳しいんですかね。
そんな熊本弁の話から「からし蓮根の由来」へ。
これは初めて聞きます。
新作も古典も、精力的に取り組んでいるふう丈さんのネタらしく、
やはり聞いていて面白いですね。
この噺もちょいちょい「ヒ素豆」なんかをくすぐりに入れて、
会場の笑いを誘っておりました。

つ離れギリギリ、10人の会場は大いに盛り上がってお開き。
人数も時間も、これぐらいのコンパクトさがいいですね。

恐懼謹言。
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1/30(土)連雀亭ワンコイン・昼席

2021年01月30日 | 噺とか
緊急事態宣言はまだまだ解除される見込みはなさそうです。
落語協会からコロナ陽性者が2名出てしまったこともあり、
寄席の定席はすべて休業になっています。
余談ながら、1/16に末廣亭で何の予告もなく馬風師匠が出てこなかったのは、
そういうことだったのかと後で合点がいきました。
そんなわけで、小さい会場での落語会の数も少なく、困ったときの連雀亭です。
末廣亭の芸協の興行も悪くないんでしょうけど、ここはコンパクトに。

ワンコインのメンバーがなかなかいい顔付けだなぁと思っていて、
そのあとの昼席まで行こうかどうか迷っていたのですが、
結局そのまま昼席もあわせて楽しんで参りました。
が、結果的に言えばワンコインで切り上げるのが正解だったかも・・・。

【ワンコイン】
「転宅」     柳若
「洒落番頭」   市寿
「唖の釣」    小もん

【きゃたぴら昼席】
「紀州」     兼太郎
「つる」     談吉
「紙入れ」    志の彦
「二番煎じ」   鷹治

ワンコインが落語協会から2名、芸術協会から1名。
昼席は圓楽党1名、立川流2名、芸術協会1名という構成。
流派によって技巧の優劣があるかどうかなどというのは、
私ぐらいの人間があれこれというものでもないと思うのですが、
それでも寄席に慣れているかどうかというのも芸に大きな影響を与えるのでは。
今日聞いていて、よかったなーと思えるのは、
柳若さん、市寿さん、小もんさん、鷹治さんですかね。

柳若さんは「転宅」で、前回の連雀亭でもこの噺にあたっています。
15分程度でコンパクトにできる噺なんですね。
マクラでは、末廣亭でもアクリル板が導入され、
真打の師匠連中がアクリル板に戸惑っている様子を。
連雀亭に出ている二つ目はそんなのとっくに慣れっこなので、
そんな師匠方をほほえましく思って見ているなんてところから、
鯉八師匠のエピソードをあれこれ。楽しい一席でした。

市寿さん、見た目が大泉洋や高橋大輔に似ているというのは納得。
「洒落番頭」を演じられましたが、とても楽しく聞かせていただきました。
小さな会もやっているようなので、今後もチェックしてみたいところ。

トリの小もんさんは「唖の釣」で、これもかなり久しぶり。
噺の特性上、寄席ではなかなか聞くことはできないでしょうね。
久しぶりに聞いた話でしたが、素晴らしい出来だったと思います。
小もんさんの演じる与太郎もなかなか味があります。
役人とのやりとりのあたりもとても楽しく聞かせてもらいました。

その後再入場で、きゃたぴら昼席。
地噺である「紀州」をかけた兼太郎さん。
まぁ、ここはいいんですが、その後に「つる」「紙入れ」と、
寄席でよくお見掛けするネタにあたります。
これらもだいたい教科書通りといいますか、
特に特筆するべくもないような感じで。
定席のように何人もの演者が入れ替わり立ち替わり出てくるならともかく、
つ離れしない今日のような会場でこのネタ選択でよかったのかは疑問。
かろうじてトリの鷹治さんが巻き返したからよかったものの、
ワンコインの満足度に比べるといささか残念な印象でした。

鷹治さんの「二番煎じ」は、前半部分は大きくカットしており、
番屋の中でのやりとりを中心に演じられました。
今まで幾度となく聞いているこの噺ですが、どうも役人の性格というか、
そんなところがちょっと個性的なのかなーという感じ、
どちらかというと、「禁酒番屋」に出てくる役人のような、
どことなく強欲なイメージで描かれていましたが、
まぁいろんなパターンがあっていいのかな、と。

ところで、志の彦さんの「紙入れ」の中で、
旦那のセリフとして「人の嫁さんに手を出しちゃ・・・」というのがあり、
「嫁さん」じゃなくて「かみさん」じゃないのかな?と細かい疑問。
「嫁さん」ってなんとなく関西系の言葉のイメージなので。

とにかく、少人数ながらも落語を聞くことのできる場所があるのはありがたいもので。
アクリル板があろうとなかろうと、やはり生の演芸はいいですねぇ。
噺の途中で、ちょっとうとうとしてしまうのも申し訳ないながら、
それはそれで贅沢なものです。

恐懼謹言。
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