沖縄・台湾友の会

《台湾に興味のある方》《台湾を愛する方》《不治の病・台湾病を患ってしまった方》皆んなで色々語り合いたいものです。

「モスクワの次は米国だ、IS─Kは既にメキシコ国境からもぐり込んだ」     マルコ・ルビオ上院議員:『バイデンの無様なアフガン撤退が元凶』

2024-03-26 23:14:47 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024)3月26日(火曜日)弐
        通巻第8191号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「モスクワの次は米国だ、IS─Kは既にメキシコ国境からもぐり込んだ」
    マルコ・ルビオ上院議員:『バイデンの無様なアフガン撤退が元凶』
***************************************

 「モスクワの悲劇、次は米国の何処かが標的となるだろう」とマルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出)はABCテレビの「ジス・ウィーク」(3月24日)に出演して吠えた。
「メキシコ国境から不法移民の波に紛れ込んで、米国内にテロリストが潜入した可能性がある。不法移民無策により昨年だけでも900万人が米国に這入り込んだのだ」
 ルビオ議員は共和党内タカ派、トランプ候補の有力な副大統領候補としても名前が取り沙汰されている。

 2021年8月に米軍はアフガニスタンを去った。
 あまりに無様な撤退に多くの非難があった。しかも多くの最新兵器は、それまで供与してきた米傀儡のガニ政権の『正規軍』を経て、タリバンにわたったと考えられる。『アフガニスタン政府軍』はたちまち蒸発した。給与を当てにした雑兵が殆どだった。

米軍基地などに残した大量の兵器・弾薬や武装ヘリコプターなどは破壊して撤退したと米軍の公式見解だが、ガニ『大統領』なんぞは真っ先に逃亡してしまった。
米国務省にあって撤退の指揮を取ったのはジョン・パス(現国務次官。ヌーランド退任後、国務次官の職域にヌーランド分も代行中。だからウクライナ戦争からの撤退準備人事といわれる)。

ジョン・バス国務次官はシラキース大学卒、クリントン政権下で国務副長官だったタルボットの首席補佐官を務めた。バスはネオコン人脈で、札付きの問題児、ひょっとしてヌーランドより『悪質』かもしれない。グルジア大使(2009~12)の時はサアカシビリ大統領(当時)が仕掛けたオセチアとの戦争で、ロシアとの対決を煽り、結果的にはしごを外した。サアカシビルはウクライナへ逃げた。

トルコ大使時代はエルドアン追放の軍事クーデター側に立ったため、エルドアン大統領から追放され、コソボ独立では、そのシナリオを描いた。とくにジョン・バスのトルコ大使時代が問題なのだ。
2016年7月、軍事クーデター未遂事件では、背後にアメリカがいたと大半のトルコ人は信じている。なぜならクーデターを扇動したとされるギュラン師は米国亡命中であり、トルコ軍の動きをエルドアンの静養先に通報し危機を救ったのはロシアだった。
通信網を傍受しているアメリカはエルドアンに動きを知らせなかった。オバマ大統領(当時)はエルドアン政権の転覆が好ましいと考えていたフシがあり、エルドアン大統領はジョン・バス大使を「このましからざる外交官」と非難した。バスはトルコを去った。
以後、米土関係はドナルド・トランプの登場により友好関係が戻った。

2017年から2020年、バスはアフガニスタン大使となった。これはトランプ政権下の指名である。アフガニスタンの戦争の泥沼化はジョン・バスにも相当の責任がある。
さてネオコンの女闘士=ヌーランドはホワイトハウスや党内からも評判が悪かったため、シャーマン副長官退任後の副長官代行だったが、結局、バイデンは彼女を副長官に指名せずカート・キャンベルを指名した。このときジョン・バスの副長官昇格の噂もあったが、流れた。指名公聴会で承認を得られない可能性があったからだ。

いまなお、タリバンに戦いを挑むのはパンジシール渓谷に盤踞する「北部同盟」くらいである。他の地域も山賊、蕃族に近い少数派武装集団が群雄割拠している。「北部同盟」は嘗ての英雄マスードの息子とサーレハ前副大統領がリーダーで、現在は「民族抵抗戦線」と改称した。

バス在任中にアフガニスタンへの支援金の不正流用が問題となった。米政府「アフガニスタン復興担当特別監察官」(SIGAR)事務所はタリバン暫定政権の関係者らがNGOを設立し、米国の教育援助資金から不正に利益を得ているという報告書を公表した。
米国は2021年8月のタリバン復権以降、学校設立や給食、教材の提供などに、約1億8500万ドル(約277億円)を投じていた。この善意の行為が悪に利用されていたことになる。

 冒頭のルビオ議員に戻ると、「だからIS─Kは安心してアフガニスタンに這入り込み、拠点を再構築したのだ」と続けた。
 シリアとイラクを追われたIS─K(イスラム国ホラソン派)はアフガニスタンに基地を確保した。タリバンは結果的に黙認したことになり、この拠点からアフガニスタンばかりか、イランとロシアの攻撃目標へ出動した

鍛冶俊樹の軍事ジャーナル (2024年3月25日号) *軍拡の中共vs軍縮の米国

2024-03-26 23:13:32 | 日記
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
(2024年3月25日号)
*軍拡の中共vs軍縮の米国
 大紀元に拙稿「軍拡の中共vs軍縮の米国 現状維持で東アジアの平和を保てるのか」が掲載された。以下概要を紹介する。
中国の経済崩壊が明白になりつつある中で、今年の中国の国防費は前年度比7.2%増の1兆6655億元(約34兆8000億円)である。日本の今年度の防衛費は7兆9172億円であるから、日本の約4.4倍である。
 米国では3月11日にバイデン政権が予算教書を発表し、2025年会計年度(2024.10-2025.9)の国防予算として8952億ドル(約130兆6992億円)を計上した。中国の約3.76倍である。

 この数字だけ見ると、米国の軍事力が中国の軍事力を圧倒しているかに見えるが、米国は自国を含め世界全体に軍事力を配備しなければならないのに対して、中国は東アジアに戦力を集中できる。
 活動領域で計算すると米国は中国の4倍以上の軍事力を持たなければ中国を抑止できないのである。3.76倍では、既に足りていないのだ。

 だが本当の問題は、米国が、この現状を認識していながら国防費の増額を図ろうとしない点にある。米国の2025年会計年度の歳出総額は7兆2660億ドルで前年度比4・7%増なのに対して国防費は前年度比1%増に過ぎず、事実上軍縮している。
 中国は前年度比7・2%増で大軍拡をしているのを見れば、バイデン政権に中国を抑え込もうなどと言う意思は到底伺えない。

 1980年代、米レーガン政権はソ連の軍拡に対抗して質量ともにソ連を圧倒する大軍拡に乗り出した。結局ソ連の経済が軍拡競争に耐えられなくなり、ソ連は崩壊したのである。
 中国の経済の崩壊は確かに始まっているが、米国の軍縮を尻目にあと10年は軍拡が可能だと見られる。10年後、米国の軍事力を中国の軍事力が圧倒すれば、在韓米軍も在日米軍も撤退せざるを得なくなり、台湾を含む東アジアの覇権は自然に中国のものとなる。経済が破綻しても軍事覇権を握るというのは毛沢東の思想だが、習近平は毛沢東を崇拝しているのだ。
 米国では伝統的に民主党政権は軍縮、共和党政権は軍拡なので、バイデン民主党政権が軍縮なのは当然ともいえるが、その政策は東アジアにとって極めて危険なのである。

「もしトラ」から「ほぼトラ」は分かるが、「まさハリ」って何ですか?    『TIME』表紙、泥沼に嵌まって動けなくなったバイデン

2024-03-26 23:10:19 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024)3月26日(火曜日)
        通巻第8190号  <前日発行
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「もしトラ」から「ほぼトラ」は分かるが、「まさハリ」って何ですか?
   『TIME』表紙、泥沼に嵌まって動けなくなったバイデン
***************************************

 もしかしてトランプが勝つかも知れない、が「ほぼトランプだろう」となった。左様メディアの事前予測ですら数ヶ月前から何回も手を変え、しなを変えて世論調査してもバイデンが勝つとするメディアはない。
ゼロなのである。

黒人のバイデン支持率が87%から63%になった。ヒスパニックは2vs1で民主党支持だったが、これも逆転しているらしい。
若者のバイデン支持離れはイスラエルのガザ攻撃直後から明瞭になった。

 にもかかわらず民主党全国委員会はバイデンを推薦しつづけ、自爆へ驀進している。
オバマさえ、警告をしに行った。いや拙著(『トランプ劇場2・0 世界は大激変』、ビジネス社、)のなかで予想したようにバイデン不出馬となると、手続き的にはハリス副大統領になる。
「まさかハリス」が「まさハリ」。これは日本でしか通じない。

 バイデンの支持率は左翼メディアでも30%、実態は25%程度だろうから、キシダとどっこい、どっこい、ふたりは4月11日に会って日米首脳会談とやらを開催の由だが、キシダよ、その足でトランプにあえ!

 ややリベラルな『TIME』の直近号(アメリカ版)の表紙は泥沼に嵌まって動けなくなった自転車にのるバイデンを描いた。
 ニューサム加州知事は出馬準備に入った、というニュースはまだないが。。。。。。。。。

モスクワの惨劇、IS─Kはタジキスタンの偽造パスポートで入国か   犠牲者の大半は火事による窒息死。イランにおける一月の自爆テロと関連

2024-03-26 23:00:55 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024)3月25日(月曜日)
        通巻第8189号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 モスクワの惨劇、IS─Kはタジキスタンの偽造パスポートで入国か
  犠牲者の大半は火事による窒息死。イランにおける一月の自爆テロと関連
***************************************

 クロカスシティ・ホールはコンサート会場、となりには五千人収容の劇場、数万収容のスタジアムが立ち並ぶ一大アミューズメント・コンプレックスで、アゼルバイジャンの大金持ちが建てた。
2013年の「ミスユニバース大会」もここで開催され、主催者は誰あろう、ドナルド・トランプだった。

 3月22日に起きたコンサートホール襲撃はIS─K(イスラム国ホラサン派)のテロ集団が機関銃を乱射し、ガソリンか、なにかの液体を撒いて火を放ったため トイレに隠れていた市民が窒息死したのが犠牲の大半だという。
 プーチンはウクライナとの関連を示唆したが、どうやら背景にウクライナの謀略機関は関与していないようだ。

 さてIS─Kである。シリア、イラクを拠点にアサド体制に戦いを挑み、一時はシリアの半分近くを占領していた。ロシア、ならびにイランによって撤退を余儀なくされたIS─Kはロシアとイランを敵視するようになった。

 かれらが格好の避難場所として選んだのはアフガニスタンだった。
 治安の乱れ、無法地帯と化していたアフガニスンに潜入し、当時の反政府組織タリバンと連携し、秘密基地をアフガニスタンに構築した。
アフガニスタン首都のカブールの教育施設で2020年5月に自爆テロで24名が死に、11月にはカブール大學で、イランに関するイベントが開催されたとき、IS─Kが襲撃し、教師と学生22名が犠牲となった。カブール大學は2018年にも同様なテロが起こり警戒を強めていた。

いずれも米国撤退前のテロで、米国傀儡のガニ政権への反乱。タリバンは関連を否定していた。

2024年1月3日、イランのケルマンで開催されていたイラン革命防衛隊のソレーマン司令官(米軍がイラクでドローンより殺害)の追悼会にIS─Kは自爆テロを敢行し、84名の死者と287名の負傷がでた。1979年のイラン・イスラム革命以来、最大の惨事となった。
ロシアと同様にイランはIS─Kを敵視している。

今回のテロリストはタジキスタンの偽造パスポートで入国した可能性がある。タジキスタンはソ連のアフガニスタン侵略のときにはソ連の前線基地。いまも数百のロシア兵が駐屯している。この国も治安はなきに等しく、くわえて中国がプロジェクトを請け負い、多数の中国人がウイグル独立運の地下組織を瞠っている。
タジキスタン政府はパスポート照合の結果、無関係と発表した。

米国は偵察衛星やネットの監察などで秘密通信を解読していたと見られ、モスクワ襲撃でも、事前に在留アメリカ人に警告を発していた。


モスクワのコンサートホール奇襲、爆弾テロの背後にウクライナ ?   犯行声明のIS─Kは中央アジアのイスラム圏に拠点

2024-03-26 23:00:06 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024)3月24日(日曜日)
        通巻第8188号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 モスクワのコンサートホール奇襲、爆弾テロの背後にウクライナ ?
  犯行声明のIS─Kは中央アジアのイスラム圏に拠点
***************************************

 まるでハマスのイスラエル奇襲と攻撃方法が似ていた。事前に警告が発せられていたが、軽視された点でも酷似している。在モスクワの米大使館は在留アメリカ人に「テロ情報があるので、外出と控え、とくに人の集まる場所へは行かないよう」警告していた。

23年10月7日にハマスはイスラエルの音楽祭会場を襲い多数の死傷者と二百名以上の人質を取った。イスラエルのガザ報復が始まり、惨劇は続いている。世界世論は、アメリカを含めてパレスチナ支援となった。

 3月23日、テロリスト集団のIS─Kは、モスクワ西北郊外のクロクスシティ・ホールを襲い、機関銃を乱射、150名を越える死者、爆弾で建物は破壊された。
IS─Kの襲撃犯四名は現場で逮捕され、7名が「ウクライナとの国境付近」で拘束されたとロシアが発表した。この「ウクライナ国境付近」とする意味はテロの背後にウクライナがあると示唆していることになる。

 ウクライナ政府はただちに否定し、「IS─Kとは関係がないし、そもそも厳戒態勢の国境に向かって犯人たちが逃亡を企てるわけはない。プーチのテレビ演説は事件から20時間も後である。IS─Kは中央アジアが拠点である」とした。

 ISはシリアを拠点にアサド体制打倒を叫んで武装闘争を繰り返したが、ロシアがアサドを擁護して戦ったため、いつしかシリアから撤退していた。
 情報筋は、今回のテロ部隊はアフガニスタンから出撃したとみている。