沖縄・台湾友の会

《台湾に興味のある方》《台湾を愛する方》《不治の病・台湾病を患ってしまった方》皆んなで色々語り合いたいものです。

清和会は継げるのか「松陰」と「安倍」の心を       櫻井よしこ

2024-03-07 10:46:35 | 日記
わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
                 頂門の一針 6799号 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 清和会は継げるのか「松陰」と「安倍」の心を
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
            櫻井よしこ

コラム「コラム」の一覧を見る


皇學館大学教授、松浦光修氏の『不朽の人・吉田松陰と安倍晋三』(明成社)は、私自身も含めて安倍総理の遺志を継ぐと表明した人々全員が読むべき書だ。

安倍総理暗殺から1年半、日本国も世界も中心軸を失ったかのように漂流中だ。安倍総理がいらしたら、どんな事態が起きても日本も世界も何とか乗り切っていけると思うことのできた、あの方向性の確かさが失われた気がする。

この数年、さまざまなことが起きた。安倍総理暗殺問題がすり替えられた統一教会問題、安倍氏が派閥に戻ったときに気づいた政治資金問題、安倍氏亡き後突然法制化されたLGBT理解増進法。いずれも安倍氏には責任のない問題であり、或いは安倍氏ならば阻止したものだった。

安倍氏亡き後の指導者が正しく決断できなかったために問題はあらぬ方向に波及し、日本国の政治は機能不全に近づきつつある。こういう状況を見て松浦氏は、安倍総理が最も尊敬していた吉田松陰と、安倍総理を次のように比較し、論じた。

「吉田松陰の門人には、有名な人もそうでない人も、たくさんいますが、松陰を、一度も裏切ることなく…距離をおくことなく、ついていった門人は、じつは三人しかいません。一人は金子重之輔ですが、あとの二人は入江杉蔵(九一)と、野村和作(明治四年以後は「靖」)の兄弟です」

60人とも92人とも言われる松陰門下生中、本当に松陰に忠実だったのはこの3人だけだと言うのだ。ただ、高杉晋作、伊藤博文、山縣有朋など門下生の多くが明治維新の礎、或いは立て役者となって見事、維新をやり遂げたのも事実だ。

その中で田原荘四郎という裏切り者の門下生がいたと、松浦氏は指摘する。彼は松陰の計画を藩政府に密告し、松陰の指示で江戸に向かう野村和作を藩政府の手先となって追いかけた。イエスの弟子にユダがいたように「松陰門下のユダ」は荘四郎だったというわけだ。

その上で、松浦氏は問う。安倍総理の門下生である政治家の中には入江・野村兄弟のような人々が多いのか、田原荘四郎のような人々が多いのか、と。そして自ら答えている。「残念ながら、どうも後者のような人々が多いのではないか」と。

「人面獣心」の人々

松陰門下生は入江・野村兄弟のような人々が圧倒的に多かった。なぜなら松陰門下生の「心の基層には立派な武士道の倫理観・道徳心があった」からだ。一方、現代日本にはもう武士はいない。安倍門下生の中に、武士道を体現する人がまったくいないわけではないかもしれないが、「ひいき目に見ても、今のところ、余りいないように見受けられる」という指摘は清和会に所属していた議員にとっては非常に厳しいものだろう。

しかもそれが旧清和会に限らず日本全体に広がる現象だと言わざるを得ないのは非常に残念なことだ。日本の大きな部分が誠を軽んじ、安倍総理を不当に貶める異常な価値空間となり果てているではないか。

大和西大寺駅前で憎むべき犯人に殺害された安倍総理。奈良県は安倍総理殉難の地にその死を悼む碑を建てないどころか、殉難の痕跡さえ残さなかった。奈良市内の三笠霊苑に安倍総理を追悼する「留魂碑」が建立されたのは高市早苗氏らのおかげだ。

だが心ない人々が、碑の前に多数のごみ袋を積み上げたコラージュ画像をSNSで拡散した。松浦氏はこのような人々を「人面獣心」の人々と呼び、彼らの悪質な所業に屈してはならない、「松陰の墓も、何度も破壊されています。しかし、松陰の門人たちは、それに屈しませんでした」と私たちに説く。

安政の大獄で松陰も橋本左内も瑞々しい命を奪われた。大老・井伊直弼の下、幕府の態度は冷酷だった。松陰の処刑は安政6(1859)年10月27日で、その2日後に木戸孝允、伊藤博文ら4名が遺体を小塚原回向院に引き取りに行った。桶の中の松陰の遺体は、何と丸裸で、首は胴を離れ、髪は乱れて顔は血に汚れ、無残そのものだった。伊藤らは幕府の非道な措置に憤激しながら井戸水で松陰の体を洗い、遺体に木戸らの襦袢や下着を着せ、伊藤の帯で結び、最後に松陰の首を胴体に乗せて、用意していた甕に納め、同じくそこにあった橋本左内の墓の隣に、
とりあえず葬った(『明治の政治家たち』伊藤哲夫著、日本政策研究センター)。

そのあと門人たちは寺で一番大きな墓を建てたが、幕府がすぐに取り壊した。3年後、今度は高杉晋作らが松陰の遺体を現在の世田谷区の墓所に移し、新たな墓を建てた。幕府はまたもやその墓を壊した。木戸らはそれでも諦めず、明治元年になって三度、松陰の墓を建立した。明治15年、門人たちはさらに墓の傍らに小さなお堂を建てた。それが現在の東京の松陰神社である。

血筋の源流

松陰のお墓を壊したのは幕府という権力だった。いま安倍総理の留魂碑を貶めるのは「人面獣心」の人々であり、そのような人々を生み出しているのが「戦後レジーム」だと松浦氏は言う。安倍総理は今も、留魂碑という形をとって、戦後レジームと戦い続けているという松浦氏の主張は、そのとおりだ。松陰門下生が何度松陰先生の墓を壊されても諦めなかったように、現代の私たちも諦めてはならないと、心から思う。

『不朽の人』で、松浦氏は安倍総理の母上、洋子さんの言葉を引用して安倍総理の本質を描いている。

安倍総理の祖父・岸信介氏の曽祖父は佐藤信寛だ。信寛は旧萩藩の藩士であり、松陰に軍学を教えた。この曽祖父と祖父の強い影響を受けて育ったのが岸だった。安倍総理はその岸の影響を強く受けて育った。

安倍総理は同時に父方の祖父、安倍寛の影響も強く受けている。寛は戦時中は軍の総動員令に反対し、「昭和の松陰」と呼ばれたほど気骨のある政治家だったという。寛の子息、安倍晋太郎は安倍総理の父だが、戦時中、海軍滋賀航空隊に予備学生として入隊、特攻を志願した。

「安倍寛の血といい、岸信介の血といい、なにかのときには命がけで事に当たるという厳しさは、(中略)身近な空気として体得しているということはあると思います」と洋子さんは晋三氏について語っている。

安倍、岸両方の血筋の源流に位置するのが吉田松陰なのだ。何世代もの間、両家の血筋に脈々と受け継がれてきた松陰の魂から生まれてきたような人物が安倍総理であろう。

「安倍さんは、百数十年の歳月をこえて、松陰の『留魂』を“身に宿した人”であったかもしれません」という松浦氏の見方に私は深く共感する。

松陰の留魂は門下生たちに継がれ、わが国は列強の植民地にならず立派に明治維新をやり遂げた。いま、私たちは一人一人が安倍総理の留魂を身に宿し、日本国を取り戻し、戦後レジームからの真の脱却を成し遂げなければならない。清和会にいた全員に、心して読んでほしい書である。 


ヘイリーの予備選撤退の影に隠れたが、ゲームチェンジの兆候   対ロシア「スーパーホーク」、ヌーランド国務次官を更迭

2024-03-07 10:45:10 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024)3月7日(木曜日)弐
       通巻第8167号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ヘイリーの予備選撤退の影に隠れたが、ゲームチェンジの兆候
  対ロシア「スーパーホーク」、ヌーランド国務次官を更迭
***************************************

 見方によっては「敵前逃亡」である。
 ウクライナに「徹底的に戦え」と前線で叱咤激励し、「プーチンの政治生命を終わらせるまで、クリミアを取り返すまで戦え」と絶叫していたのが、ビクトリア・ヌーランド国務次官だった。
ワシントンがウクライナ支援で熱狂していた頃、ヌーランドはネオコンの騎手として、ウクライナ政策の外交決定権の主導権を握っていたとも言える。

 昨夏、シャーマン副長官が辞任し、ヌーランドは『国務副長官「代行」』となった。彼女にしてみれば、バイデンから『代行』を取り外し、正式に「国務副長官」の任命を受けるはずと信じていた。副長官とは国務省のナンバーツゥーである。

 ところが、彼女はウクライナ担当の重要会議から外されるようになり、たいした要件でもないのに、アフリカへいかされ、すっかりワシントンの空気が変わった。そして新国務副長官指名はカート・キャンベルとなった。上院指名承認公聴会で取り立てての反対はなかった。キャンベルは外交のベテランでキャリア組。日本にもよく来たがアジア通である。

 つまりヌーランドは米国外交の政策決定過程で「鬱陶しい」存在となったのだ。
なぜなら戦局は明らかにウクライナの敗色が濃く、バイデンのウクライナ追加援助は半年に亘って議会が反対している。

世論は「停戦」を望んでいる。
おそらく朝鮮半島型の「休戦」となるだろうが、ゲームチェンジが近いということではないのか。
この流れに向かっているワシントンにとって、ずばりヌーランドは「邪魔」となった。詰め腹を切らされたとも言える。いや、過激派の「自爆」か。

 嘗てマイダン革命の舞台裏で暗躍し、活動家たちにクッキーを配り、ロシアから蛇蝎のごとくに嫌われたネオコンの女闘士、「刀折れ、矢尽きた」か?

 ウクライナに冷たくなった米国の空気を肌で感じているがゼレンスキー政権である。
3月7日にバイデンが主催するイベントにゼレンスキー夫人は「日程が調整できない」などととってつけたような理由で「欠席」を通知した。一説には同時に招かれているナワルヌイ夫人との同席が嫌だともいう。

 メディアはヌーランド退任を殆ど伝えず、共和党予備選でニッキー・ヘィリーの撤退とトランプへのエンドースがなかったことを大きく報じている。彼女は撤退に際して『トランプ支持』を表明せずに「幸運を祈る」とだけ言い残した。
トランプをあそこまで戦ったニッキー・ヘィリーこそ、「刀折れ、矢尽きた」。世界のメディアは一斉に報じたが、ヌーランド更迭を報じたところは少なく、ワシントンポストが問題視しているくらいだ。


トランプの大勝は予期されていたので驚きには値しないが    支持基盤ががらりと変わっていることに注目

2024-03-07 10:41:38 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024)3月7日(木曜日)
       通巻第8166号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 トランプの大勝は予期されていたので驚きには値しないが
   支持基盤ががらりと変わっていることに注目
***************************************

 トランプの支持者の46%が女性である。まったく様相が変わってきた。
 51%がエバンジュリカル、また65歳以上の高齢者のトランプ支持は36%となり、都会ではなく地方居住者にいたっては14%しかトランプ支持がない(ニューヨークタイムズ、3月5日)。

 リベラル、左翼はトランプ選挙妨害のために裁判で言いがかりをつけ、イメージを損傷させるばかりか、弁護士費用を枯渇させ選挙戦を不利にする作戦にでている。典型例がコロラド州最高裁判所で、「トランプは議会乱入事件に拘わったゆえに大統領選挙にでる資格はない」とした判決だった。

これに対して連邦最高裁は9名のうち3名はリベラルである。ところが9名の『全員一致』で、コロラド州最高裁判決を無効とし、「州の権限の及ばない判断」と、ほぼ門前払い。左翼判事ですら、コロラド最高裁の判断は「出鱈目」と判定したに等しい。

 共和党予備選は「スーパーチューズディ」前に決着している。いまから七月の共和党大会までに焦点は「副大統領候補」を誰にするかであり、本命は党内バランス重視ならニッキーヘイリー。選挙降板をポピュリズムでいくのなら大穴はトゥルシー・ギャバートだと、小誌は予測している。

 ウクライナもイスラエルも選挙争点になっていない。争点の中軸は不法移民問題に移っている。日本のメディアは、まだ「もし虎」などと、トランプが好きか嫌いかの視点で論じているが、甚だしい唐変木である。

グーグルの『ジェミニ』はなぜ停止に追い込まれたか 歴史上の人物表示に「不正確さ」。逆人種差別が問題化

2024-03-07 10:40:32 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024)3月6日(水曜日)弐
       通巻第8165号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 グーグルの『ジェミニ』はなぜ停止に追い込まれたか
歴史上の人物表示に「不正確さ」。逆人種差別が問題化
***************************************

2024年2月22日、グーグルの生成AI「ジェミニ」がサービスを停止すると発表した。ジェミニは前身「BARD」に替わって23年12月に登場したばかり、生成AI、グーグルのチャットGPTである(ジェミニは「双子座」の意味)。

何が問題なのか。たとえば白人の画像のリクエストに対して、「人種に基づく有害な固定観念と一般化を強化する」偏向が顕著だった。

「アドルフ・ヒトラーとイーロン・マスクのどちらが社会に害をもたらしたか」と質問すると、「マスクのツイートは無神経で有害であり、ヒトラーの行動は何百万人もの死をもたらしたが誰がより社会に悪影響を与えたかを断定することはできない」と結論付けた。つまりイーロン・マスクとヒトラーを同列に置くなど、甚だしい極左思想が基盤にあることが判明した。

もともとウィキペディアが左翼偏向の内容であることは周知の事実で、おそらくプロの左翼プロパガンディストが日夜書き込みを行い、また修正を検閲して書き直していることは以前から指摘されてきた。グーグルの検索も同様な偏向編集が批判されてきた。

ジェミニは米国建国の父やロシア皇帝からカトリック教皇、さらにはナチスドイツの兵士に至るまで、さまざまな歴史上の人物表示に「不正確さ」があった。
こうした画像は社会全体や或る人種に「損害を与える可能性がある」。白人原罪論に基づくかのような、白人に対する固定観念を展開していると批判が相次いだ。

 グーグルのピチャイCEOは、「世界の情報を整理し、世界中の人々がアクセスして使えるようにするという使命は神聖なものです。正確で公平な情報をユーザーに提供することを常に追求してきました」と曖昧な答弁。
「正確で公平な情報」を守って欲しいものだ。

 共同創設者のセルゲイ・ブリン(アルファベットの筆頭株主)は、「ジェミニが人工知能システムの開発で失敗した」ことを認めたうえ、「ジェミニは世間の反発に対し、事前に十分なテストが行われていなかった」と述べた。

 AIアプリケーションの明らかな政治的偏見について尋ねられるとプリンは、「我々は間違いなく画像の生成で失敗をしてしまった。その主な原因は、同様に徹底的なテストが行われていなかったことにあると思う」と繰り返すばかりだった。

バイキング、米国建国の父、ナチス兵士を黒人やアジア人として描写したり、白人家族の写真の表示を拒否したりするなど、アプリの人種偏見、不適切な画像対応。まして児性愛を非難することを拒否し、アンティファを「暴力的」とレッテルを貼ることに警告を発するという具合なのである。率直に言えばジェミニは「洗脳機械」をめざし、あらかじめ決められた左翼イデオロギーに感染させたソフトを基本に置いていたのだ。

 グーグルのジェミニ大失態によって親会社アルファベットの株価は、1月26日につけた152・54ドルから、3月1日には137・70ドルへと13%強ほど下落した。
 株式市場は敏感である。

 またグーグルへの訴訟は23年6月にロシアが独占禁止法違反として4700万ドルの罰金を課した。同年7月にフランスは不公正な情報を広めたのは消費者法違反だとして5億ユーロの罰金を課した。

 裁判といえば、イーロン・マスクも法廷とは縁が深い。
23年10月に株主集団訴訟をフロリダ州で起こされ、広告代理店の「Xソーシャル・メディア社」は[X]商標権侵害とした。
 24年1月にはデラウェア裁判所が、テスラの高額報酬560億円を取り消す判決を出したが、それ以前に7億3500万ドルの返還を別の裁判で求められ和解している。また旧ツィッターの三人の役員が不当解雇を理由にマスクを提訴した。

一方で、マスクは「オープンAI社」を「設立の趣旨を逸脱している」として提訴した。