沖縄・台湾友の会

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鍛冶俊樹の軍事ジャーナル (2022年11月4日号) *北ICBM発射の裏側

2022-11-04 20:16:56 | 日記
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
(2022年11月4日号)
*北ICBM発射の裏側
 昨日、北朝鮮がICBMを発射した。他5発の弾道弾が日本海に撃ち込まれた。Jアラート警報が出されたりして、大きなニュースになっている。それは、それでいいのだが、問題はその報道ぶりだ。
 テレビなどでは、「米韓合同空軍演習に北朝鮮が反発して」と北朝鮮の主張をおうむ返しに繰り返している。これでは、米韓が挑発していることになり、北朝鮮がそれに反発していることになり、米韓が悪く、北朝鮮が正しいという図式が透けて見える。

 北朝鮮は年初来、ミサイル発射を繰り返しており、米韓の実動演習が5年ぶりに復活したのは、北朝鮮の軍事活動の激化に対応したものである。実際には米韓が挑発しているのではなく、北朝鮮が挑発しているのだ。
 産経新聞などは「北、米韓あおり責任転嫁」と正しく報道しているが、マスコミの多くは、北朝鮮の世論戦に敗けている。「ICBMは、途中で消失し、失敗だった」などという報道も北朝鮮の脅威を打ち消すのに一役買っている。

 もちろん、ICBMが日本海上空で消失したのは事実だが、一段目ロケットの飛行は成功しており、2段目を故意に爆発させたと見るのが軍事常識だ。失敗と断定し、「北朝鮮は米韓の強大な軍事力に反発しているだけで、脅威ではない」という世論誘導であろう。
 北朝鮮の大量の砲弾がロシアに供与されていることからも分かるように、今や北朝鮮とロシアは軍事的に緊密に結束している。年初来のミサイル発射はロシアがミサイル技術を供与している結果と見て間違いない。

 つまり北朝鮮はかつての初歩的な核ミサイルの技術段階を脱しつつあり、核兵器大国になろうとしている。プーチンはウクライナでの核兵器使用を示唆して米国を恫喝しているが、実は東アジアでも北朝鮮に使用させると米国を恫喝していることになろう。
 対する米国は前号「またも腰砕け!米核戦略」で指摘した通り、中朝露の核戦略に対応する気配はまったくない。日本も防衛費の増額幅をいかに抑えるかで議論しており、核シェアリングの議論は皆無である。


日本が位置する厳しい世界 【阿比留瑠比の極言御免】

2022-11-04 20:13:17 | 日記
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日本が位置する厳しい世界
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【阿比留瑠比の極言御免】 

  2日付の本紙朝刊国際面は、通算15年にわたりイスラエルの首相を務めたネタニヤフ氏が首相に復帰するかが焦点だと報じていた。記事を読みながら平成26年5月に来日したネタニヤフ氏と会談した安倍晋三首相(当時)が、筆者につぶやいた言葉を思い出した。

「日本の安全保障観は、イスラエルのそれとは別世界ね」
[周りに民主国家は・・・]

 この日、両首脳は安全保障対話、サイバーセキュリティーに関する協力、防衛当局間の交流拡大、宇宙関連機関の交流促進などを確認する共同声明を発表している。日本から見れば、いずれも抑止力向上につながる成果だったが、会談でネタニヤフ氏が示した危機感、緊張感はさらに強い印象を残したのだろう。

 安倍氏は翌27年1月、エルサレムを訪問してネタニヤフ氏との夕食会に臨んだ際のエピソ^ドも語った。安倍氏が「(紛争相手の)パレスチナともう少しうまくやれないものか」と問うと、ネタニヤフ氏はこう答えたという。

 「日本とは、住む世界が違うんですよ。地図を見ても、イスラエルの周りにまともな民主主義国は一国もない」

 それから7年余がたち、日本を巡る安全保障環境は悪化の一途をたどった。ウクライナを侵攻中のロシアも、つかれたようにミサイルを連射する北朝鮮も、習近平国家主席の独裁体制を完成させた中国も、まともな民主主義国ではない。

 特に、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を妥協の余地のない国益を意味する「核心的利益」と位置付け、台湾侵攻の意思をあらわにする中国に対しては、備えを急がなければならない。

 もはや「中国で絶対的な権力を手に入れたリーダーは何を目指すのか。 (中略)どこかで歴史に名を残すことを考えるだろう。台湾有事はあるかないかないかではなく、いつあるかだ」(細野豪志元環境相の10月22日のツイート)といった見方は、ごく一般的になった。

[鈍感なままの国会]

 ところが現在も、中国に対する自民、公明両与党の認識には隔たりがあり、公明党は中国を「脅威」としてとらえることにも反対している。北側一雄副代表は「中国本土にミサイルを反撃能力で発射する想定は、現時点ではしていない」と語っている。

 中国を想定しつつ、中国を名指ししないだけなら戦術としてあり得るが、想定自体を否定すれば抑止力にはならない。与党のていたらくをただすべき野党も、宗教の問題で頭がいっぱいだときている。

 国会は相変わらず安全保障問題に鈍感なままだが、一方で民間側には危機感が広がりつつあるのか。11月2日付日経新聞朝刊は、「台湾有事、半数が対応策」「進出50社調査、備え広がる」という見出しの記事を掲載していた。

 日経が台湾進出企業大手50社の現地トップらに取材したところ、23社で駐在員の退避計画や事業継続計画の策定作業が進んでいることが分かったという。現地トップらの以下のようなコメントが興味深い。

 「今回の中国共産党大会で明らかにフェーズが変わった」「台湾~成田便の1年間有効な航空券は既に社員全員分を確保した」「台湾のサーバーに上げていた情報を全て、日本のサーバーに移した。

 政治家の最も重要な責務は、国民の生命、財産、自由を守ることである。ならば最優先課題は、安全保障にほかならない。現在の日本の地理的条件は、イスラエルとかけ離れた別世界ではないのである。


イスラエル総選挙、ネタニヤフ保守連合が過半を制す   野党野合政権は一年で崩壊、極左メレツは議席を失った

2022-11-04 20:09:50 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和四年(2022)11月4日(金曜日)
         通巻第7511号  
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 イスラエル総選挙、ネタニヤフ保守連合が過半を制す
  野党野合政権は一年で崩壊、極左メレツは議席を失った
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 11月1日に行われたイスラエルの総選挙はネタニヤフ政権の復活が確実となり政権基盤も安定的な議席数となった。速報によると、新しく与党となる政党の議席数は、
 リクード    32議席
 宗教シオニズム 14
 シャス     11
 トーラユダイズム 8
 これで保守系が65議席(イスラエル国会の定員は120)

 他方、野党最大のイエシュアテドは24議席を確保できたものの、労働党は4議席、極左のメレツは議席を失った。かつて1992年には労働党が44議席、メルツは12議席だった。大きく左翼勢力が後退したのである。

 有権者は680万人。投票率は71・3%、予想を上回ったネタニヤフの勝利はなぜおきたか?
 過去三年半で五回の総選挙という異様な政治状況はユダヤ人ならではだ。なにしろ「全員一致ならやめちまえ」を信条として各ミニ政党が孤塁を守り、ユダヤ教の原則を重視し、合意があるのは国家安全保障だけ。

 各政党は政策合意を話し合って連立をくむ。
ラピド前政権は単純明快に『ネタニヤフ下野』だけを共通目的として、野党八会派が便宜的に野合しただけだった。このためアラブ女性ひとりの反対で野合が崩壊し、ベネット・ラピド政権にとっては、選挙以外に選択肢がなかった。