「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和三年(2021)10月15日(金曜日) 通巻第7083号 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ パキスタン航空、カブール便を暫時中断 タリバンの航空管制は「まったくの素人、危険極まりない」 *************************************** パキスタン航空はタリバンのカブール制圧以後、イスラマバードとの定期便を確保し、国連職員、世銀、IMF、ジャーナリストなどおよそ3000名を運んだ。 10月14日、同航空は「カブール空港の管制が素人、あぶない」として、「カブール ─ イスラマバード便を暫時中断する」と発表した。 管制官が素人、英語もあまり得意でなく、遅れることも頻発している。そのうえ、パキスタン航空はこれまでにおよそ40万ドルの保険料を支払って、毎便300名を輸送してなんとか元を採ってきたが、以後はコスト割れになると説明した。 現在、カブールに乗り入れているのはパキスタンのほかカタール航空くらいで、時折トルコ航空がチャーター便を飛ばした。 アフガニスタンには「カム・アエ」(KAM AIR)があるが、法外な値段をふっかけているという。 ちなみにカブールからイスラマバードへの通常運賃は1200ドル(13万2千円)だが、パキスタン航空は2700ドル(297000円)の高値もこともあった。 「カム・エア」は、20万ルピー(パキスタンルビーは対円で0・667)。邦貨換算で133400円。これではよほどの金持ち以外、アフガニスタン国民の海外脱出は経済コスト的に無理である。 |
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和三年(2021)10月13日(水曜日) 通巻第7081号 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ハーバード大学、中国語海外研修プログラムの大学提携先を 北京語言大学から台湾の国立台湾大学へ変更 *************************************** ハーバード大学の海外語学研修プログラム責任者のジェニファー・リュウは「22年度からの中国語教育の海外研修提携先を、これまでの北京語言大学から、台湾の国立台湾大学に変更する」と発表した(『サウスチャイナ・モーニングポスト』、2021年10月12日)。 変更理由は「武漢肺炎ならびにカリキュラムの問題」とした。同校の海外提携先の学校では問題の多い「孔子学院」とセットになっているケースもあり、それが問題だとは言及しなかった。 北京語言大学は1962年に、その前身となる海外留学生高等予備校として発足した。1965年に周恩来が梃子入れし、北京語言大学と改称。海外からの留学生を受け入れを本格化させる予定だったが、折からの文革により七年間休校を余儀なくされた。 この北京語現大学は、中国の改革開放の時代、海外からの語学研修生の急増にともない、1980年代に本格化、2015年には日本にも進出し、東京池袋に北京語言大学東京校も開設された。 一方、新しく受け入れるかたちになる国立台湾大学は、昔の台湾帝国大学で1928年に日本が設立した(当時の台湾は日本領)。 1945年に改組され、広いキャンパスに学生数32000名というマンモス、日本からの語学研修プログラムにも人気があり、中国語を学ぶには北京より台湾で、というムードが過去二十年ほどに急拡大していた。 |