絵画、写真、詩、パフォーマンス等の表現を通して、自分自身と世界と向き合っているさとう陽子さん。
最初に彼女の作品とパフォーマンスを観た時の衝撃は今も忘れられない。キャンバス一面の白と、そこに描かれた線の潔さと、たおやかでいてキリキリした精神性には、曖昧に生きている自分を引き締める力があった。
それから20年くらいになるが、その後、絵画作品には次第に色彩が増えて画面が明るく賑やかになり(?)。写真も発表して、そこに添えられた短い詩も、その時々のワタシの気持ちに添い、年に数回の個展にはできるだけ出かけている。
今回の個展には
「作品を観る人の存在こそを闇の中に照らし出す。
そんな仕事がしたい。
観る人に光があたれば作品はワキになる。
私はワキになりえる作品を油彩で時間をかけ少しずつつくっていく。
体得したその質を、最近は紙にドローイングというやり方で一気につくる。」
というコメントをつけている。
大きな美術館で開かれる巨匠の作品群を鑑賞するのも素晴らしいが、小さな画廊で、今この時代に創造される作品を観るのは、より身近でダイレクトに伝わることがある。
■さとう陽子 展ー油絵とドローイングー
会期:7月2日(月)〜7月16日(月)
時間:12:00〜19:00(最終日は17:00まで)※10日(火)は休廊
会場:Shonandai Gyallery tel.03-3403-0103
www.shonandai-g.com 六本木駅下車。国立新美術館近く。
国立新美術館では、ちょうど「ルーヴル美術館展 肖像画芸術ー人は人をどう表現してきたか」が開催中。ゆっくり時間を取って、両方を観るのもオススメしたい。
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