渋谷ヒカリエで開催中の「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」展を観る。
前2回は、渋谷 Bunkamura ザミュージアムであったが、Bunkamura全館リニューアル工事に伴い、今回は渋谷ヒカリエホールにての開催。今年は生誕100年にあたるというソール・ライターの原点が見える展覧会だった。
1950年代後半〜1960年代に「ハーパーズバザー誌」で多くのファッション写真を撮っていた彼の作品は、エレガントでクール。ファッション(文化)の潮流がフランスからアメリカに移りつつあるちょうどその時代に、N.Yソーホー地区に住み、アンディ・ウォーホールやジョン・ケージ、マース・カニングハムといった、まさに新しいアメリカ文化を創造しつつあるアーティスト達と交流し、60年代のアメリカンスタイルを体現していたことが(その時代背景と流れが)分かる作品展となっていた。
”富にも名声にも関心を示さず淡々と自らの美意識に忠実に生きていたソール・ライター”の目線は、自分の身近にあるもの、人、風景など、そこにあるものを切り取り、写真に撮る。絵画であれ写真であれ、構図は大胆、色合いは上品でシック。ひっそりと覗き見しているような、静謐な趣を醸し出している。ハーパーズバザー誌では、流行の先端を行くファッションを身につけたモデルが自然にニューヨークの街に立ち、風景に溶け込むことなくクッキリと存在を際立たせている。何気ないけれどメチャクチャお洒落!なのだ。
2017年に開催された日本初の回顧展で買った「ソール・ライターのすべて」という写真集のページの所々に、彼の言葉が小さく添えられている。それを拾い読みするだけでも、ソール・ライターがなんだかとっても身近に感じられるのであった。
「写真はしばしば重要な瞬間を切り取るものとして扱われたりするが、
本当は終わることのない世界の小さな断片と思い出なのだ。」
あるいは、
「私が写真を撮るのは自宅の周辺だ。
神秘的なことは馴染み深い場所で起きると思っている。
なにも、世界の裏側まで行く必要はないんだ。」
ちょっと偏屈(?)、でも美意識が高くて、人の評価は気にしない。淡々と我が道を行く。。。。作品はもちろん、その生活スタイルが好きだな〜😊
今回の展示では、大きなカラースライド・プロジェクションで大量のカラーポジを観ることができたり、ハーパーズバザー誌のページや、モノクロ写真、多くの絵画などを観ることができて、絵画でも写真でも、その色彩感覚の美しさと大胆な構図にあらためて感嘆するのでありました。
「ソール・ライターの原点〜ニューヨークの色」会期は8月23日まで。急いで行ってね〜😊\(^O^)/
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/23_saulleiter/
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