掃除していたら出てきました。
3年程前、何かのフリーマーケットで
「ご自由にお取りください」の箱の中から頂いた1冊。
コレが結構面白い
イロイロな言い回し(スラングのような)が載っている。
例えば、
とか
「オナラをする=チーズを切る」とは、
教科書や文法書ではなかなかお目にかかれない。
…こういうの、実際に使わないと覚えない(忘れる)もんですよね。
本日ずっとメディアで取り上げられ続けていた
アメリカ大統領選。
4年に1度のビッグイベントもここで終結となった。
「Yes,we can」
日本人でも覚えやすいこのフレーズ。
芸人のっち(デンジャラス)が今年に入り、
よくテレビ番組内でのたまっていたフレーズ。
日本国内の話題ではないけれど、
2008年の流行語大賞みたいになっちゃいそうなこのフレーズ。
アメリカ史上初の黒人大統領誕生ということで、
アメリカで歓喜する大勢の人々の様子をテレビを通して見た。
ニューヨークのハーレムから
オバマ氏当選確実の様子を中継していた
キャスターの安藤優子さんは、
「自らの手で大統領を選び、歓喜する大勢の人の姿に感動した」
と涙していた。
一般的に、日本人に比べアメリカ人は演説上手な人が多いと思う。
国の環境が異なる(例えば、小さいときから人前で「発表」することを
前提としたアメリカの教育)ことは大いに関係あるとは思うが、
そんなオバマ氏の演説を見ていて、
ふと思ったことがあった。
彼の演説は分かりやすい。
もちろん、ちょっと見ただけで
彼が言っていることすべてを理解したわけではない。
私が意味する「分かりやすい」とは、
明確な言葉ひとつひとつを紡いでいるということ。
そしてそれらが、彼の言葉(演説)になっているように思った。
今日1日だけでも、オバマ氏関連のニュースで何度も
「CHANGE」という単語が出てきた。
木村拓哉演じる総理大臣のドラマのタイトルにもなった「CHANGE」。
実際に彼は演説の中で、
「Changes come to America」(アメリカに変革をもたらした)
と訴えていた。
アメリカに変革をもたらした(これからもたらす)のは、
私達なのだ― とも。
私には、この「Changes come to ~」というフレーズが心に残った。
自らの手で自身の国に変革をもたらす。
アメリカの変革とはスケールもジャンルもまったく異なるが、
自分の手で自分を変える(変革をもたらす)ということ。
「自分に変革」なんていうと大袈裟だが、
良くも悪くも人は人に影響されるものだが、
人を変えるのはやっぱり人だと思うが、
それでも、自分を変えるのは自分だと改めて思った。
変えることそのものが大切だというよりは、
変えようと自ら選択し、決断し、実行にうつすという
そのこと自体に意味があるように思う。
…とオバマ氏の演説から思わぬ方向に、
でも普段考えないようなことを
ふと考えるいい機会(?)になったり。
そこでもうひとつ。
「黒人初」と騒がれる中、
オバマ氏の強い演説を見ていて思い出したもうひとつの演説があった。
それは、
キング牧師(マーチン・ルーサー・キング・ジュニア)の
行った演説「I have adream」。
あまりにも有名なのでご存知の方も多いと思うが、
これは1963年8月28日に、アメリカ・ワシントンにて行われた演説。
人種差別(特に黒人差別)の撤廃と各人種の協和という理想を
簡潔な文体と彼自身の言葉で訴え、広く共感を呼んだ。
20世紀のアメリカを代表する名演説とも言われている。
中学生のときにこの「I have a dream」を覚え
スピーチした私にとっては、思い出深い演説。
覚えたくて覚えたというよりは、
覚えなくてはいけない境遇(スピーチコンテスト)だった。
ひたすらテープを聴いて覚えるのが私の術だったが、
この「I have a dream」だけは違った。
自分がまだ小学校5年生だったとき。
中学3年生のお姉さん(知らない人)が
ステージ上でこの「I have a dream」をスピーチしているのを見た。
その迫力(もちろんそのお姉さんは日本人)に圧倒された。
小学生ながら、スピーチってこーいうことを言うんだ、
と思ったのを覚えている。
その年、そのお姉さんは優勝した。
その時からか、
いつか自分も「I have a dream」をスピーチするのが夢だった。
小5のときにステージで見た憧れの「お姉さん」と
同じ年になったその年。
私は「I have a dream」を覚えた。
今でも大切にとってある原稿。
思わず懐かしくなって見返してしまった
先生は、もっとイメージを膨らませられるようにと、
私にキング牧師が実際にスピーチするビデオを見せてくれた。
(今はYou tubeなどネットで見ることができます)
どんな経緯で、
実際にどんなことが人種差別問題となっているかなんて
15歳の少女だった私は理解していなかった。
が、そのキング牧師の実際の演説の映像を見たときに鳥肌がたった。
その迫力に。
「百聞は一見にしかず」とはよく言うが、
実際の演説を見たわけではないが、
まさに、こーいうことだと思った。
以降、自分が「I have a dream」を演説した先で、
「涙しました」と声をかけてくださる方がいた。
自分が小5のときに「お姉さん」を見たときの感情を思い出した。
私まで涙しそうになった。
私はキング牧師ではないけれど、
自分で彼の演説する姿を見て、
そこで感じたモノを自分なりに表現したことが
別の人に何らかのカタチで伝わったような気がした。
…ということで、話が長くなりましたが、
「I have a dream」。
私にとって思い出の演説です。
Martin Luther King's Speech 「I have a dream」
http://www.fuchu.or.jp/~okiomoya/tenpushiryou/dream.pdf
…と話がそれまくってしまいましたが、
オバマ氏の演説から、
「言葉」の持つ力について深く考えさせられた1日でした。
「ことば」って使う人、場面、伝え方によって
まったく別のものになったりしますよね。
言葉がひとり歩きする現代だからこそ、
「心あることば」を選んで、自分自身も使いたいなと思うものです。