7月25日はここ「安楽寺」でふるまわれる「かぼちゃ供養」です。京野菜一つで「鹿ヶ谷カボチャ」を煮て「中風よけ」として、参拝者にふるまわれます。とても柔らかく美味しいカボチャです。(このカボチャは今が旬、栄養が有ります。昔の人は賢かった、夏バテにもいいです)
独特の瓢箪のような形で京都以外ではあまり見かけない野菜です。
一年に一度の行事で、皆さんで賑わっています。
この日に限り、拝観料と「護符」も頂いて、カボチャの煮付けで500円、安い!
食い意地ばかりで、このお寺の事。
「住蓮山」と号する「浄土宗」のお寺です。しかし、このお寺には、美しくも哀しい話が有ります。「後鳥羽上皇」の女御の「松虫」「鈴虫」がおられました。密かに宮中を忍び出て落飾して尼僧となりました。19歳と17歳の姉妹で、美しく教養も有りました。「後鳥羽上皇」の大のお気に入りの姉妹でした。そのためこれを知った上皇は立腹し尼僧に導いた「住蓮房」と「安楽房遵西」を断首にしました。さらに「法然上人」(浄土宗開祖の円光大師)を讃岐に流罪しました。これが「承元の法難」の一部です。そして旧仏教(特に興福寺・法相宗系http://blog.goo.ne.jp/itodoya/d/20120117)から「浄土宗」への圧迫はさらに拡大しました。
「安楽寺」の山門です。質素な茅葺屋根です。
長く荒廃していましたが、江戸中期の延宝9年(1681年)この姉妹と「住蓮房」と「安楽房遵西」二人の僧の菩提を弔うため、この地に本堂などの伽藍を建立されました。
本堂、今日はこの供養のためか賑わっています。
御本尊「阿弥陀如来座像」
お庭も緑で美しいです。
境内の奥に「松虫」と「鈴虫」姉妹の小さい五輪塔がひっそりと立っています。
今は真夏ですが、紅葉の時期がお勧めです。「哲学の道」を少しそれた所に有ります。
※京野菜:有職人による京府内の伝統的な野菜。鹿ヶ谷カボチャ・賀茂ナス・聖護院がぶら・壬生菜・堀川ごぼう・九条ねぎ・すぐき菜など34品種ほど。
左京区鹿ヶ谷御所ノ段町12
注)一部歴史的な表記に間違いが有りましたので、訂正しました。
(たわごと) 祇園祭の伝説
祇園祭に関わる「町衆」はこのお祭りを裏から支えている、山鉾の曳手や粽を作る郊外の村落に対して、「例年の通りよろしくお願いします」と言います。長年の付き合いでこの一言で「阿吽の呼吸」で人間関係が何百年と続いています。
しかし、この「例年の通り」が今年は、日本中崩れているようです。昨年の大震災、原発の大事故、記録にない大雨、いじめの問題、オスプレイ、今のアホらしい政局、超円高きりがない事ばかり。この「例年の通り」が今では通用しない時代になってきています。不安な未来です。何故こんな世の中になったのでしょうか?