「誠意ある謝罪ですか。そうですねぇ」
しばしの間沈黙・・・
「やはり、お客様に自分の意志が伝わらないと、どんな謝罪も誠意ある謝罪にはならないかと思うんですよ」
「無論そうだと思いますよ」
「ですから、私としましてもオーナーに「今まであなたがやってきた謝罪は誠意がこもってない」と言いました。本人はやっているつもりだったようですが・・・」
わかってんじゃん。
「では、編集人様のプライドを回復する・・・具体的な方法みたいなものがあればちょっと教えてほしいんですけど」
「自分ですか?それはやっぱあれですよ。あそこにいたお客さんとかに釈明してほしいですよね。無理とは思いますけど」
「そうですねぇ、不特定多数の中からあの時いた人を探すのは難しいですよね」
「でも、その位の事をやらかした訳ですよ。あの人は。本音はやってもらいたいくらいですから、無理を承知でね。」
「はい、申し訳ございません」
「だったらね、謝罪告知を店頭に貼る位のことはすべきだと思いますよ」
「・・・」
「三つあると思うんですよ、考え方は。ひとつはオーナー個人として責任を取る、これはさっき言ったように一人一人にあの人が責任を持って釈明する。次はあの店として謝罪する。これは店として告知文を掲示するつて事ですよ。最後のひとつは自分の意志を通して今後二度とトイレは使わせない。張り紙して使わせないって事ですよ。まあ、その時文面に『買った買わない関係ない、うちは公衆便所しゃありません』の文面を入れてもらいますけどね」
「お気持ちはわかりますが・・・・でも、どれも厳しいですね。まず一つ目のオーナーの説明。これは難しいと言うことは編集人様もわかっていると思います」
「そうですね、多分難しい」
「次に告知という事ですが・・・どうでしょうか?この場合、返って騒ぎが大きくなり、みんなに知れ渡ってしまう、お客様のプライドがさらに傷つく結果になつてしまうんじゃないでしょうかね」
「いや、彼らはそのくらいの事をやったと言うことですよ。俺としては同じくらいの辱めを受けてもらいたいというのもある訳です。」
「まあ店はやらせてもいいのですが・・・お客様の事を考えますと、返って知らなくてもいい人がこの件を知ってしまうと言うことになりますので、これは返ってまずいのではないかなと思います」
そうきたか。いや、予想の範疇ではあるけれど、さすがに交渉術は今までの中ではダントツに凄いな。
「最後の三つ目は、これはもう他のお客様に迷惑がかかると言う事で、私のほうで許可できませんと」
「でも本人が言ったことですよ。そういう気持ちなんだから、徹底してもらいましょうと。そう思ってますよ、自分は」
「いや、これは申し訳ないのですが、本部として請けかねますね」
「ではどうしたらいいんでしょうね」
「やはり誠意ある謝罪しかないと思われます」
「でも、そうは言いますけど、前回の謝罪が何の効果もなかったと言うことについては事実として残ってしまいましたけどね」
「はい、うちの指導不足と思います。これにつきましてはうちの本部も含め気を引き締めなおして取り掛からなければならないかと思います」
ここまで話していて、先方の思惑が見えてきました。
わかりやすく言えば「今回の件は当事者同士で解決しろと。本部はバックアップや橋渡しはするけどそれ以上は店が対応しますよ」って感じ。
なるほどぉ、うまく持って行くなぁ。
でも、俺も一筋縄じゃいかんのは向こうもわかっているみたい。
「じゃあね、さっき指導力不足とか言ってたよね」
「はい」
「だったらさ、そこまで言うんなら、オーナーの誠意ある謝罪っていうの、あなたが見てよ」
「どういうことでしょうか?」
「いや、オーナーの誠意ある謝罪つていうのをさ、あなたが見て査定してから会うようにしましょうよ」
「いや、それはですねぇ。私と編集人様の気持ちの取りようが違いますので、厳しいかと思いますが」
よし、逃げに入った!
ここが突破口になるな。
「いや、自分の気持ちはここまで話していて、どれだけ俺が怒っているかわかったでしょ?」
「はい、わかりました」
「だつたらさ、オーナーの誠意ある謝罪っていうのを聞いて『それじゃあ伝わらない』とかさ、わかるわけじゃないおぼろげながら」
「まあ・・・うーん」
明らかに向こうは想定外の展開に動揺している。懐に飛び込んでくるとは思ってなかったはず。
「いや、しかし、私が太鼓判を押しても編集人様がご納得いただけなかった場合もありますよねぇ」
「そうですね」
「その場合はどうなされます」
「いや、信じますよ。あなたを」
「は?」
「信じますよ。だって自分の気持ちを理解してくれた訳でしょ?やれ土下座しろとか告知文出せとか、それくらい怒ってるということがもう伝わったわけでしょ?だったらわかるじゃないですか。こっちはいいですよ。オーナーの誠意ある謝罪っていうの、受けますよ。ただし、あなたが責任を持って予行演習をしてほしいですよ」
「いや、でもですねぇ」
「本部としてこういうクレーム対応の仕方を指導するのは当然じゃないですか?先ほど指導不足と行ってましたけど、でしたら本部としてオーナーの謝罪についてアドバイスなりなんなりするのは当然かと思いますが?いかがでしょうか?」
「・・・・」
逃がさねぇよ。とかげの尻尾きりはさせねぇよ(悪笑)
指導不足という言葉を使ったことで、この方法はすでに頭にあった訳で、ようはどう持っていくか、オーナー謝罪しました。はいチャンチャンで終わらせたくなかったというのが本音の部分。
「わかりました。ただ、私の解釈ですから、決して100%ご満足な謝罪になるかは確約できませんが、それでもよろしいでしょうか?」
「それはこちらも委ねた訳ですから。ただし、あなたも自分の気持ちがわかっているでしょうから、通り一変の内容じゃ納得できないと言うことは念頭に入れておいてくださいね」
「わかりました」
「後さ、これって顛末書とか出してくれないの?」
「それはオーナーが出すか、出さないかの判断になりますね」
「でも事の顛末を知る権利はありますね」
「ええ、そうですね」
「だったら出してほしいですね」
「伝えておきます」
さて、最後のこの会話・・・・・まあ、いっかあ。
こうして、一時間以上による心理戦が終わりまして・・・・
非常に疲れました(笑)
という事でつづく(笑)
しばしの間沈黙・・・
「やはり、お客様に自分の意志が伝わらないと、どんな謝罪も誠意ある謝罪にはならないかと思うんですよ」
「無論そうだと思いますよ」
「ですから、私としましてもオーナーに「今まであなたがやってきた謝罪は誠意がこもってない」と言いました。本人はやっているつもりだったようですが・・・」
わかってんじゃん。
「では、編集人様のプライドを回復する・・・具体的な方法みたいなものがあればちょっと教えてほしいんですけど」
「自分ですか?それはやっぱあれですよ。あそこにいたお客さんとかに釈明してほしいですよね。無理とは思いますけど」
「そうですねぇ、不特定多数の中からあの時いた人を探すのは難しいですよね」
「でも、その位の事をやらかした訳ですよ。あの人は。本音はやってもらいたいくらいですから、無理を承知でね。」
「はい、申し訳ございません」
「だったらね、謝罪告知を店頭に貼る位のことはすべきだと思いますよ」
「・・・」
「三つあると思うんですよ、考え方は。ひとつはオーナー個人として責任を取る、これはさっき言ったように一人一人にあの人が責任を持って釈明する。次はあの店として謝罪する。これは店として告知文を掲示するつて事ですよ。最後のひとつは自分の意志を通して今後二度とトイレは使わせない。張り紙して使わせないって事ですよ。まあ、その時文面に『買った買わない関係ない、うちは公衆便所しゃありません』の文面を入れてもらいますけどね」
「お気持ちはわかりますが・・・・でも、どれも厳しいですね。まず一つ目のオーナーの説明。これは難しいと言うことは編集人様もわかっていると思います」
「そうですね、多分難しい」
「次に告知という事ですが・・・どうでしょうか?この場合、返って騒ぎが大きくなり、みんなに知れ渡ってしまう、お客様のプライドがさらに傷つく結果になつてしまうんじゃないでしょうかね」
「いや、彼らはそのくらいの事をやったと言うことですよ。俺としては同じくらいの辱めを受けてもらいたいというのもある訳です。」
「まあ店はやらせてもいいのですが・・・お客様の事を考えますと、返って知らなくてもいい人がこの件を知ってしまうと言うことになりますので、これは返ってまずいのではないかなと思います」
そうきたか。いや、予想の範疇ではあるけれど、さすがに交渉術は今までの中ではダントツに凄いな。
「最後の三つ目は、これはもう他のお客様に迷惑がかかると言う事で、私のほうで許可できませんと」
「でも本人が言ったことですよ。そういう気持ちなんだから、徹底してもらいましょうと。そう思ってますよ、自分は」
「いや、これは申し訳ないのですが、本部として請けかねますね」
「ではどうしたらいいんでしょうね」
「やはり誠意ある謝罪しかないと思われます」
「でも、そうは言いますけど、前回の謝罪が何の効果もなかったと言うことについては事実として残ってしまいましたけどね」
「はい、うちの指導不足と思います。これにつきましてはうちの本部も含め気を引き締めなおして取り掛からなければならないかと思います」
ここまで話していて、先方の思惑が見えてきました。
わかりやすく言えば「今回の件は当事者同士で解決しろと。本部はバックアップや橋渡しはするけどそれ以上は店が対応しますよ」って感じ。
なるほどぉ、うまく持って行くなぁ。
でも、俺も一筋縄じゃいかんのは向こうもわかっているみたい。
「じゃあね、さっき指導力不足とか言ってたよね」
「はい」
「だったらさ、そこまで言うんなら、オーナーの誠意ある謝罪っていうの、あなたが見てよ」
「どういうことでしょうか?」
「いや、オーナーの誠意ある謝罪つていうのをさ、あなたが見て査定してから会うようにしましょうよ」
「いや、それはですねぇ。私と編集人様の気持ちの取りようが違いますので、厳しいかと思いますが」
よし、逃げに入った!
ここが突破口になるな。
「いや、自分の気持ちはここまで話していて、どれだけ俺が怒っているかわかったでしょ?」
「はい、わかりました」
「だつたらさ、オーナーの誠意ある謝罪っていうのを聞いて『それじゃあ伝わらない』とかさ、わかるわけじゃないおぼろげながら」
「まあ・・・うーん」
明らかに向こうは想定外の展開に動揺している。懐に飛び込んでくるとは思ってなかったはず。
「いや、しかし、私が太鼓判を押しても編集人様がご納得いただけなかった場合もありますよねぇ」
「そうですね」
「その場合はどうなされます」
「いや、信じますよ。あなたを」
「は?」
「信じますよ。だって自分の気持ちを理解してくれた訳でしょ?やれ土下座しろとか告知文出せとか、それくらい怒ってるということがもう伝わったわけでしょ?だったらわかるじゃないですか。こっちはいいですよ。オーナーの誠意ある謝罪っていうの、受けますよ。ただし、あなたが責任を持って予行演習をしてほしいですよ」
「いや、でもですねぇ」
「本部としてこういうクレーム対応の仕方を指導するのは当然じゃないですか?先ほど指導不足と行ってましたけど、でしたら本部としてオーナーの謝罪についてアドバイスなりなんなりするのは当然かと思いますが?いかがでしょうか?」
「・・・・」
逃がさねぇよ。とかげの尻尾きりはさせねぇよ(悪笑)
指導不足という言葉を使ったことで、この方法はすでに頭にあった訳で、ようはどう持っていくか、オーナー謝罪しました。はいチャンチャンで終わらせたくなかったというのが本音の部分。
「わかりました。ただ、私の解釈ですから、決して100%ご満足な謝罪になるかは確約できませんが、それでもよろしいでしょうか?」
「それはこちらも委ねた訳ですから。ただし、あなたも自分の気持ちがわかっているでしょうから、通り一変の内容じゃ納得できないと言うことは念頭に入れておいてくださいね」
「わかりました」
「後さ、これって顛末書とか出してくれないの?」
「それはオーナーが出すか、出さないかの判断になりますね」
「でも事の顛末を知る権利はありますね」
「ええ、そうですね」
「だったら出してほしいですね」
「伝えておきます」
さて、最後のこの会話・・・・・まあ、いっかあ。
こうして、一時間以上による心理戦が終わりまして・・・・
非常に疲れました(笑)
という事でつづく(笑)