選抜で唯一の4試合日、準々決勝の振り返りです。勝ち進んできたチーム同士が激突する4試合日、大会で最も面白い1日とよく言われてきましたが、私は特にそうは思いません。高校野球の勝ち上がりにはくじ運が最も大きく、勝ち残ったチームが強いのは分かりますが、それは力があるという表現とは大きく異なります。トーナメントを勝ち抜くのは実力40%、運60%だと思っていますから。
準々決勝の対戦カードです。
【9日目】
▽準々決勝
花巻東-健大高崎
横浜-西日本短大附
智弁和歌山-広島商
聖光学院-浦和実
東北2校、関東3校、近畿・中国・九州各1校の8強顔触れです。中国地区は現状5県の中から2校しか出られません。東海は4県から3校出られることが正しいと思うのか? 近畿は2府4県から6校出ます。今大会で全てを語るのは公平ではありませんが、今の歪極まりない選抜方式の元凶にあの特別枠があることを論議しようという意思がないようなので、敢えて問題登記したくなります。かつて、選抜の地区別出場枠は毎年変動していました。広商全盛時代には中国から5校選ばれたこともあります。選抜が今の32校になっていない頃です。まあ、その時でも近畿は7校選ばれていましたけど(笑) 北海道1校、東北1校、北信越1校という時代でしたから、こういう変動制を実施できたのかも知れませんが、選抜の特異性を示すのは例の特別枠ではなく、流動的な出場枠の決定方法にあったと感じています。時々、選抜に関しては考えさせられます。
試合結果です。
【9日目】
▽準々決勝
健大高崎 201 200 040│9
花巻東 000 010 000│1
(健)山田・島田・石垣-小堀
(花)浅利・万谷・高橋朔・千葉琉・赤間・金野-高橋蓮
西日本短大附 010 000 000│1
横 浜 000 013 10X│5
(西)山口・原・梶原・中野-山下
(横)織田・奥村頼-駒橋
広 島 商 000 000 000│0
智弁和歌山 230 000 02X│7
(広)大宗-片岡亮
(和)渡辺・宮口-山田凜
浦和実 003 010 000 8│12
聖光学院 001 003 000 0│ 4
(延長10回タイブレーク)
(浦)駒木根・石戸-野本
(聖)古谷野・管野・大嶋・沼田-仁平
ご存知の方も多いかと思いますが、広商が選抜で4強に残れば、佃-達川のバッテリーで準優勝した昭和48年以来になるところでした。広島では「春の広陵、夏の広商」の言葉があるように、広商は選抜ではあまり好成績を残せていません。その52年前の選抜準決勝は怪物・江川をダブルスチールで崩した足攻が話題を呼びましたが、ノーヒットで何点取るかを追求した広商野球の神髄を追求したチームでした。この年の夏を制した広商でしたが、最終的にプロで活躍できたのは達川ぐらいだったのをみても、全員野球に徹したチームだったと思います。
第4試合は又してもタイブレークにぶち壊された好ゲームでした。タイブレークは野球の醍醐味をぶち壊す究極の愚策であることを表立って議論しようという気配すら感じられないのが不思議でなりません。
中1日おいての準決勝の対戦カードです。
【10日目】
▽準決勝
健大高崎-横浜
智弁和歌山-浦和実
ストレートが130km/hでも打てない浦実の石戸、この水島新司先生が泣いて喜びそうなピッチャーを打ち崩すチームが現れるのか? 結構楽しみですね。
>第四試合は又しても(延長即)タイブレークにぶち壊された好ゲームでした。タイブレークは野球の醍醐味をぶち壊す究極の愚策
私も同感です。第四試合は途中からラジオで聴くことが出来たのですが、延長即鯛フレークに入った途端に白けてしまいラジオを消しました………(もちろん、好ゲームを演じた浦和実と聖光学院には何の責任もないことを付け加えます)。
試合経過を見ずに結果のスコアだけで追いかけている方がいれば「随分一方的な試合」と受け取られかねません。延着即タイブレークであろうと、13回からであろうと、愚策は愚策で改める勇気を持ってほしいと思います。高野連には届かないでしょうが・・