浦和のサポーターの皆さんが全てそうだとは言いませんが、こうも問題行動が続くようだと、浦和に関わる全てが「悪」と言われても仕方ない状況になってしまっています。
とは言え、Jクラブは多かれ少なかれ問題行動を起こすサポーターの存在に悩まされる歴史を繰り返しています。浦和が取り沙汰されるのは、何かあっても「喉元過ぎれば・・」で、何度も悪質な違反行為を繰り返すからであって、悔い改めることのできない組織風土が問題視されるからです。対戦相手にとっても、「赤い悪魔」の存在は入場者を運んでくれるメリット以上に被害を受けるデメリットが多く痛し痒しといったところです。
2024年度天皇杯参加資格剥奪の浦和、ファン・サポーターへ声明「サッカー界、スポーツ界に身を置く者として痛恨の極みであり、その責任を痛感しております」
https://news.goo.ne.jp/article/football_zone/sports/football_zone-476044.html
※以下、引用です。
9月19日に処分が決定
浦和レッズは9月19日、8月の天皇杯で起こったファンの暴徒化に伴い、日本サッカー協会(JFA)規律委員会より、試合運営管理規定違反行為をクラブとして防止できなかったこと、および安全確保のために適切な措置を講じなかったことに対して、2024年度天皇杯(天皇杯JFA第104回全日本サッカー選手権大会)の参加資格の剥奪と譴責(始末書の提出)という処分が科された。浦和は同日、ファン・サポーターのみなさまへと題して声明を発表している。
浦和のリリースは以下のとおり。
本事案の発生により、これまで多くのサッカー関係者やファン・サポーターのみなさまのご努力によって形成されてきた、スタジアム観戦への好意的なイメージを深く傷つけてしまったことはサッカー界、スポーツ界に身を置く者として痛恨の極みであり、その責任を痛感しております。
また当然のことと承知しておりますが、本事案発生以降、多方面からご意見、お叱りを頂戴しており、その多くは発生した違反行為へのクラブの対応に関するものでした。
そしてご指摘の対象は本事案のみではなく、過去において発生した違反事案にも及んでおり、何より、そうしたお声の主の多くが、観戦ルールを遵守しながらチーム、選手を力強くサポートしてくださっている浦和レッズのファン・サポーターのみなさまであったことを大変重く受け止めております。
言わずもがな、浦和レッズというクラブはファン・サポーターのみなさまと一心同体であり、ファン・サポーターのみなさまによるチーム、選手、そしてクラブへの愛情によって存在し得ています。
しかしながら、クラブスタッフ全員がそうした強いおもいを抱きながら約30年間、愚直にクラブ運営を行ってきた中でいつしか考えが凝り固まり、眼前に起きる様々な事象への対応から柔軟さや客観的な視点が失われ、過去実績に縛られ過ぎた思考に組織として陥ってしまっていたのではないかとも感じております。
今回発表いたしました再発防止施策内には、新処分基準の策定を掲げております。
新基準の策定によって違反行為者に対してより厳しい処分を課すことや、その方針を示すことによって違反行為の発生を抑止することが重要な要素であることは事実ですが、最も重視すべきは、現在取り組んでいる策定業務や他の再発防止施策の実行を通じて、浦和レッズというクラブはいったい何を表現したいのか、誰にどう理解されたいのか、そして誰とどの様に歩んでいきたいのかということを私どもが改めて考え直し、その考えをクラブスタッフ一人一人が場面を問わず実践していくことであると考えております。
「サッカーのまち 浦和」に生まれ、埼玉サッカー110年の歴史と伝統を引き継ぎ、地域の宝物であるサッカーを始めとしたスポーツ文化を発展させることによって、スポーツが日常にある幸せが広がっていくことを願う私ども浦和レッズは、強くて魅力あるチーム作りに邁進し、全てのカテゴリーにおける全ての試合において勝利のために全身全霊を捧げるという方針に些かの迷いもございませんが、仮に「勝利のため」という理由が伴っていたとしても、社会正義に反する行為を肯定することは絶対にありません。そして、「勝利のため」という理由で社会正義に反する行為を行う人を、サポーターとは認めません。
浦和レッズがパートナー、ホームタウン、そしてファン・サポーターのみなさまと共に実現を目指すものは、「強くて魅力あるチーム」、「安全・快適で熱気ある満員のスタジアム」、「自立し責任あるクラブ」であり、これらの実現に、社会正義に反する行為は不要です。今の浦和レッズに必要なことは、これらの「当たり前」とクラブスタッフ一人一人が本気で向き合い、その姿勢を行動に移す事だと考えております。
クラブ理念の中に、浦和レッズが大切にする価値観として「革新と伝統」という言葉を謳っておりますが、それを実践すべき時がまさに今であり、これまで積み重ねてきた浦和レッズの歴史や文化を尊重しつつ、浦和レッズの本質を社会に提供し続けるため、他者からの意見に耳を傾け、ファン・サポーターのみなさまとの対話を重視する姿勢、社会の一員としての視点を大切にしながら、変わることを恐れない姿勢を強い覚悟と共に示してまいります。
浦和レッドダイヤモンズ 代表 田口誠
「勝利のため」という理由で社会正義に反する行為を行う人
どこにもこういう輩は存在します。大きな事件を起こす度胸がないだけです。しかし、ひとつのボタンの掛け違いで集団心理が働けばカテゴリーに関係なくどのクラブにも暴徒化する輩はいるものです。
それが浦和にとどまらずサッカークラブの「サポーターは怖い」という印象を持たれるのは悲しいことです。
レッズが嫌われる大きな要因が、他クラブも十把一絡げにされることへの警戒があるからです。NPBなら阪神ファン、Jリーグなら浦和サポ、世の中から嫌われるには過去に遡って繰り広げられた悪行の積み上げがあります。負の歴史を払拭するのは、殊の外難儀な作業なのです。
ブーイングをしない、ヤジを飛ばさない、相手チームを罵倒しない。それがサポーターとすれば甘ったるくて許されない、と主張する方もいます。体育会系の方なら余計に思うでしょうね。
「くたばれ〇〇」「〇〇倒せ」という言葉は、学生スポーツまでは許されたとしても、少なくともプロスポーツには存在してはいけません。あの松本山雅FCが日本中から嫌われる要因のひとつが、松本のチャントに出てくる「蹴散らせ〇〇」という言葉にあると感じています。松本サポーターの大名行列的な大量動員は、現状のJ3の他クラブにとってはありがたいと思われている反面、「それでも山雅は来ないでほしい」という反応をされるのが「数の暴力」なのでしょうね。
J1での「数の暴力」の象徴である浦和レッズに下された天皇杯参加資格剥奪という今回の裁定を受けての反応の多くは「最低レベルの甘い裁定」というものです。はっきり言って、天皇杯は歴史あるカップ戦ではありますが、リーグ戦に比べれば軽視される大会です。
もし、この暴挙を二度と繰り返さない為の措置を考えるなら、天皇杯なら「無期限資格停止」でしょうし、更に重く受け止めるならJリーグ2階級降格、つまりJ1からJ3への降格程度の裁定は必要だと思います。J3の他クラブにすれば観客数の増加以外にメリットがなく迷惑千万でしかないでしょうが、それぐらいの懲罰がなされない限り、懲りない面々の悪行は後を絶たないと思います。襟を正すなら、クラブも厳罰を望むべきだし、そこから復活する姿を見せるべきです。
とは言え、これを「対岸の火事」と無関係と思うことは禁物です。いつ何時、「我がクラブ」にそれが起こるか分かったもんじゃないのですから。その時にクラブが組織としての機能不全にならないように、サポーターも行動に責任を持たないといけません。
肝に銘じましょう。浦和の反面教師ぶりはインパクト大なのですが懲罰がこのように軽いもので済まされるとしたら、第二、第三の浦和レッズが出現しないとも限りません。それは全力で阻止できるように個人個人が良識ある行動を続けて行きましょう。